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え～～、埼玉南部は幸いにも雲一つない晴天で、見事な皆既月食を見る事が出来ました♪

もっと赤銅色になるかと思いましたが、それほどでもなかったような？（＾＾；



動画もコンデジで撮ってはみましたが・・・、やはりイマイチでした・・・ｗ



動画は8倍速にしてありますｗ










動画URL↓

(司馬遼太郎－「峠」より)





武士というのは美的慣習の信奉者である。

いざ変事 --- 火事や賊の侵入のような --- にそなえて真暗闇でも行動できるよう、部屋のぐあいをしらべておく。

雨戸の固さ、押入れの広さ --- それらは脱出の用心のためにしらべておく。天井のはめ板がはずれているかいないか屏風のかげにたれもいないか、などをしらべるのは侵入者にたいする用心のためである。

両刀はまくらもとへ。

衣服、旅具も同様にそこへ置く。くらやみでもとっさに身につけられるであろう。

そこで、行燈を消す。寝る姿は、幼少のころから左を上にして臥せよ、といわれている。もし賊に忍びこまれ、斬りおろされたばあい、上の左腕が傷つく。しかし下にしているかんじんの右の利き腕は傷つかないため格闘能力は残されている。そのための就寝姿勢である。

（妙なものだ）

と、継之助はときにこういうこまかいしつけに疑問をもつことがある。これらの習慣は遠い戦国のころの武士ならば必要であろうが、三世紀ちかく無事泰平をつづけてきた時代の武士には必要はあるまい。

が、ちかごろではこれはやはり必要だと自分の身についたしつけを是認するようになっている。なるほど具体的にはさほど必要はない。しかしこういう常住の緊張が、武士というものの精神の骨格をつくりあげ、その立居振舞をうつくしくさせ、いざの場合、いつでも即座にうつくしく死ねる覚悟をつかせてゆくのであろう。武士はうつくしくあれというのが、武士という精神像をつくりあげている基本であった。





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