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え～～、県北の事業所に棲み着き、オバチャン達のアイドルとなっているヌコです♪ｗ



御本家さまほどではありませんが、睨まれるとビビリます・・・ｗｗｗ

(司馬遼太郎－「峠」より)





継之助が長崎に入ったのは、十月五日であった。この開港場に十四日間滞留している。

--- 世界の動向を察したい。

というのが、その目的であった。単に見聞をひろめるというのではなく、その見聞のなかから長岡藩のこんごのゆきかたを決めてゆきたい、ということであった。

「すると、貴殿は長岡藩のご家老か」

と、継之助にたずねたのは、長崎繋留中の幕府軍艦観光丸の艦長矢田掘景蔵であった。

学歴は、幕府の昌平黌の出身で、修業後洋式海軍を学んだ。とくに算数に秀で、測量の権威でもあり、幕府海軍としては勝海舟と同期であった。

継之助は、

--- 長崎での案内者は矢田堀だ。

と、最初からきめてかかっていた。横浜での案内者が福地源一郎（桜痴）であったように、未知の世界への案内者はつねに一流の人物をえらばねばならぬと継之助はおもっている。

「いや、家老ではござらぬ」

と、継之助はいった。

（家老でもないのに）

と、矢田堀は不審であった。家老でもないのにわが藩の指針をきめるために長崎をみにきた、というのはどういうことであろう。

「いやさ」

継之助は軽くいった。

「将来、拙者が家老になりましょう。藩にはそれほどの人物が、不幸にもおりませぬ」

「ははあ」

矢田堀は毒気を抜かれた。継之助のいうところでは、将来結局自分が藩の運命をになわされざるをえないから、そのときこまらぬようにいま自分自身を育てている。この遊歴も、このたび長崎にきたのも、それが目的でござる、というのである。

「どこを、ご覧になりたい」

「一つは軍艦を拝見したい。いまひとつは、洋人の屋敷を訪ねたい。そのふたつでござる。」

矢田堀は、承知した。





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