一日間が空いてしまいましたが、一昨日の続きです。
前回の最後に「理想のスポーツカー像」と書きました。
では一体「スポーツカーの定義」とは何なのでしょうか?
そもそも定義が必要なのか?とも言われそうですが、以外とこの事は皆さん色々考えてらっしゃるようです。
自分が初めてこの事柄に関して考えさせられたのは今から15年ほど前、たまたま買ったクルマ雑誌でスポーツカーの巻頭特集が組まれており、その中で触れられていたのがそもそもの発端です。
それまでは「スポーツカーとは何ぞや?」等と考える事もなかった自分が、えらく頭を悩ませて真面目に思いを巡らせたのをよく覚えています。
もう15年か・・・懐かしいね。
現在でもちょっと真面目なクルマ雑誌あるいはネット等で探してみると、色々情報がありますね。
様々な情報を整理してみると・・・
・ 駆動方式は後輪駆動である事。
・ 出来る限り軽量である事。
・ MTである事。
・ 2ドアである事。
諸説様々ありますが、上記に加えて重量は上限○○kgである・エンジンは2リッターが限界等々具体的な条件を提示されている事もあるようです。
自分はこれらに加えて
・ ドライビングポジション(シート・ステアリング等)は出来る限り幅広い調整機構を持たせてある事。
・ 誰が見ても実用性が悪そう、もしくは実用性を無視したデザインである事。
・ 可能な限り安価である事。
この3点を加えたいと思います。
ドライビングポジション(ドラポジ)がきちんとドライバーの体格に合わせて調整出来ないとそもそも運転に支障が生じますし、気持ちよく運転する事は無理でしょう。
デザインに関して言えば、スポーツカーというのは日常生活と切り離された世界のモノだと思うのでこのような表現になりました。
こう言っては何ですが、スポーツカーというのはそもそもが贅沢品です。
無くても生活は出来るし、あればあったで余計な出費のかさむモノ。
そういった不便な面を理解しつつ、それでも敢えて所有するクルマなんですから実用性を追及する必要はそもそも無い訳です。
不便さを楽しむというのもある意味贅沢ですからね。
安価であるというのも重要だと思います。
いわゆるハイパフォーマンスカーであれば価格の上限は必要ないと思いますが、あくまで自分の考えるスポーツカーというのは一般庶民が無理なく所有しつつ乗り続けられるレベルのものであると解釈しているので。
ただ・・・正直言って、これらの定義自体も考えれば考えるほど「あんまり必要ないかな?」と感じる時もあるのが本音です。
というのも、上記の条件に該当しなくても実際に運転して「楽しい!」と思えるクルマはいくらでもあるからというのがその理由。
「シビックはFFだけど、FRを追い回せる位速くて楽しい」
「ジムニーは遅いし重いけど、軽くて速いクルマに負けない位乗って楽しい」
「アコードはFFで4ドアで重いけど、快適でそこそこ速さもあるし、スポーツカーに負けず劣らず楽しい」
「ランエボは4WDで4ドアで重いけど、それを補って余りある速さがあって楽しい」
上げればまだまだキリが無いでしょう。
先に挙げた「スポーツカーの定義」なんて所詮今まで存在したクルマの中で、他よりもうちょっと出来の良かったクルマの特徴をまとめていくと結果的に残った条件に過ぎないのです。
条件に漏れたとしても、本人が乗って「楽しい」と感じる事が出来れば、そのクルマはスポーツカーと呼んでもいいのではないかと思います。
個人的にはトレーラーヘッドも立派なスポーツカーになり得るのです(笑)
「スポーツカーの定義」などと偉そうに語りながら平気でその定義自体を無かった物のように扱ったところで、そろそろ本題の「理想のスポーツカー像」について考えてみようと思います。
自分の考える理想は、上記に記した
・ 駆動方式は後輪駆動である事。
・ 出来る限り軽量である事。
・ MTである事。
・ 2ドアである事。
・ ドライビングポジションは(シート・ステアリング等)出来る限り幅広い調整機構を持たせてある事
・ 誰が見ても実用性が悪そう、もしくは実用性を無視したデザインである事
・ 可能な限り安価である事
この7点に加え、
・ 4輪独立懸河である事(最低限4輪ストラット・出来れば4輪ダブルウィッシュボーン)。
コレを是非とも付け加えたいと思います。
その見返りとは言いませんが、エンジンに関してはあまり拘りがありません。
一般市販車そのままのエンジンで充分です。
仮に2リッターなら140~150馬力、1.5リッターなら100~110馬力もあれば過不足なし。
レブリミットも7000回転程度回ってくれればそれ以上は望みません。
ただし、エンジン音・MTのシフトフィーリング等感性に訴える部分はしっかり拘って欲しいですね。
絶対的な速さは不要。
むしろゆっくり走った時に気持ちよく感じられ、素人の自分が運転しても程よく扱いきれる丁度いいサイズ・性能のクルマこそ、自分にとって理想のスポーツカーであると考えます。
これらの条件を重ねてゆくと、最終的にNA型ロードスターが残りました。
ドラポジ調整こそ制約が残りますが、他は上記条件によく当てはまります。
自分の希望する4輪独立懸河も見事に4輪ダブルウィッシュボーンと願ったり叶ったり。
絶対的な速さはありませんが、現実的なスポーツカー像としては充分過ぎるでしょう。
唯一の問題は・・・なかなか程度のいいNA型はもう残ってない、という物理的問題でしょうか。
今から本気で乗ろうとするなら、それこそフルレストア前提でベース車を引っ張ってくる位の気概が必要でしょうね。
適当に探してくると必ずといっていい程マイナートラブル・経年劣化に悩まされる事になるでしょうから、生半可な気持ちではなかなかしんどい事になると思います。
さて、ここで思い出したいのが前回少し触れた
マツダ・次期ロードスター開発の件。
正直この記事のトピックである
「車重800kgを目標に開発」
という内容は少々非現実的でそのままでは受け取り難いハナシですが、1000kg程度というなら多少は現実味を帯びてくるところ(それでもかなり無理があると思います)。
悪くても1100kg位で収まってくれれば御の字でしょう。
どちらにしろ、今まで代を重ねるたびに肥大を繰り返してきたロードスターがいよいよ原点回帰を目指しているのはおそらく間違い事でしょう。
現行型より大幅に軽量・コンパクト化を実現すれば、現在に蘇るNA型ロードスターといっても過言ではない気がしてきます。
マツダには今回の挑戦を是非とも成功させて欲しいと願います。
結局・・・自分にとって「理想のスポーツカー像」とはNA型ロードスターであり、「将来の現実的なスポーツカー像」とは近い将来登場するであろう次期ロードスターであるといって良さそうです。
絶対性能を考えれば同じくオープンスポーツであるS2000やRX-7もその範疇に含まれるのですが、自分にとって・・・と考えると、やはりロードスターが身の丈に合っている気がします。
休日にちょっとだけ時間を作って、だけど肩肘張らずに乗れる、少しだけ非日常的な存在。
今のところ、自分にとって理想のスポーツカーとはそんな存在のように思います。