Ｆ１のＰレリタイヤバースト問題を解説

Ｆ１フランスＧＰが終わったところでアゼルバイジャンＧＰの話です。

Ｆ１の話は別のところでアレしてるんですが、タイヤの話だからここがいいべ。

レッドブル・ホンダ優勝目前のバーストにぶるわあああああああ！ となった方もい少なくないでしょう。

タイヤのグリップの要素には粘着力、ヒステリシスロス、凝集力というのがあるそうで、この場合の問題はヒステリシスロスです。

ヒステリシスロスを要約するとタイヤの構造の変形によるグリップ。

タイヤの空気が少ないチャリンコで走るとペダルが重いじゃないですか。アレがヒステリシスロスです。

Ｆ１はとにかくグリップが欲しいから、空気圧をできるだけ低くして、タイヤのグリップを上げたい。

ただし、構造が変形し続けるといずれ破断します。

スプーン曲げじゃないけど、ああいうちょっと柔い鉄を折ったりするときって、ある方向に曲げて、逆方向に曲げて、というのを何度もやるじゃないですか。あの状態です。

なので、Ｐレリからはタイヤの空気圧を下げるなというお達しが出ていて、それは許容範囲を超える変形を避けるため。なのにバーストしたということでいいんですよね。



Ｐレリの発表はデブリを踏んだということで、まあ予想通りです。

構造に問題ありましたなんて言えるわけないべ（笑）。

が、デブリを踏んでいたなら、タイヤにダメージがある→空気が抜ける→変形が大きくなる→構造が破断という順序をほぼ通過します。

空気圧はチームでモニターしてるはずだから、空気が抜けていないなら、構造が突然どかーんと逝った方が可能性が高いんじゃないですかね。知らんけど。

以前から何度かこういう話はあるけど、基本的に構造が弱い。あるいは製品の誤差が大きいということで、メーカーとしては絶対に認めない話です。



ビードが外れそうなくらい変形してる。Ｆ１のアレはすごいですな。

変態のみなさんが縁石乗ったりコース外を走ったり、もう好き勝手やるわけじゃないですか。

メーカーとしては大変だろうけど、それでも何とかしてもらうしかないんですよね。関係者の安全に関わるので。毎回毎回デブリのせいにするんじゃねえ、というのがドライバーとしての意見です。

オレのタイヤがバーストしてから、同メーカーの全チームに空気圧上げのお達しが出たこともあったりしますので。

クラッシュもコースアウトもしないで普通にピットに戻って、みんな「どしたの？」って顔してたのウケる。いやタイヤバーストしてるから（笑）。