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Ｓ２０００の前に、コメントでいただいたポルシェ。ここでは９１１ＧＴ３の話をしましょうか。

ＧＴ３とはこの写真のレーシングカーではなくて、ロードバーションのＧＴ３のことです。

ポルシェ９１１は、素性はハッキリ言ってよくはありません。リアエンジン・リアドライブのディメンションで素性がいいわけがない（笑）。そこは素性がいいリストに入らなかったインテＲと共通する部分でもあります。

で、その素性のアレさを、クルマとしての完成度の高さで補っているのがポルシェだと思います。

特にこの写真の９９７型のＧＴ３カップカーは、「ポルシェ乗り」なんかまるで必要ないです。

もちろんリアエンジンだからちょっと挙動は違うんだけど、いわゆる「ポルシェ使い（遣い？）」を自称するみなさんがおっしゃるような、特殊なドライビングは不要でした。

ニュルブルクリンクＶＬＮレースで型落ちの０７型ＧＴ３カップカーで、変態ＳＰ７クラス準優勝したオレが言うんだから間違いない。

みなさんご存知のようにオレはポルシェ使い（自称）ではないので、オレよりもニュルで遅いのにポルシェ使い（自称）というのは、ちょっとよくわからないな。ポルシェ使い（メーカー公認）の方はもちろん別ですよ。

という人格の低い話はいいんですが、ポルシェは知る限り素性よりも技術の典型的なクルマです。

なぜロードバージョンのＧＴ３は素性リストに入るかというと、「このクルマは素性がいいんじゃないか」と思ってしまうくらいのクルマだから。

たぶんステアリングインフォメーションが質、量ともにバッチリなんでしょう。

大げさに表現すると挙動が出る前に対処できるというか、情報が事前に入るから対処しやすいというか、準備の時間ができるんだな。ちょっとだけ（笑）。

そのちょっとが、速さに対してドライバビリティが高いということにつながるんではないかと思います。つまり乗りやすいということね。

でも速すぎるから、やっぱりハードルは高いんですが。


ちなみにレーシングカーのＧＴ３カップカーは、「速すぎて乗れない！」という人のことはほとんど考えていないと思います。

「ポルシェのレーシングカー乗るんでしょ？　このくらいアクセル踏むのは当然だよね。」みたいなカンジで（笑）。踏めるドライバーしか相手にしていないクルマ。




ただオレの場合は、初ポルシェでニュルのジモティーの変態ポルシェ乗りのみなさんと勝負で、２回目で超大雨の中で準優勝なので、アクセルを踏まないという選択肢はないです。

だからもしかしたらペースが遅ければ、「レーシングカーなのに乗りやすい」という話にもなるのかもしれません。遅ければ。

一方でメルセデスＳＬＳ ＧＴ３は乗りやすいと言い切れます。空力もあるけど。レーシングカーにもいろいろあって面白いんですよ。

ポルシェＧＴ３カップカーと、アウディＴＴ－ＲＳワークスカーと、メルセデスＳＬＳ ＧＴ３マシンでレースした話をできるんだから、ファンキーなレーシングドライバー人生です（笑）。