バシケンのブログ一覧

父は、普段はモノを買う事が少なく質素な生活を送っておりました。
ただし、いざ買う段階になれば、中途半端なものを買うな、という人でした。
その昔、バイクを手にしたときに、4万円差で新車のバイクと中古車のバイクがあり、どちらにするか迫られた時、色を理由に中古車にしたのですが、父の本音はそうでは無かったと聞きます。

さて、手にしたオメガですが、ジュネーブと言うモデルで、手巻きの機械式時計です。
今は廃止されたシリーズらしく、1960年代から70年中ごろまで販売されたもので、父は60年後半に購入したらしい。

僕自身は、時計は本当を言うと興味があるものの、クルマを趣味にし、家庭のオーディオもある程度お金をかけているから、時計だけには手を出しちゃいかん、と思っております。
今も時計は趣味に出来ませんが、この時計は綺麗にオーバーホールしてお出かけ用に使いたい。
修理前の状態ですが、社外のバンドは分解していますし、ケースのくすみも大きい。
なによりも、ぜんまいを巻いても全く動作しません。


修理から戻ってきたジュネーブは一新したバンドと共に、見た目も華やかになりました。


劣化していた風防。
傷だらけで一部割れもあったようです。


風防は新品に交換。
全くキズが無い風防って、なんて気持ちが良いのだろう。
よく見ると、指針の中心の風防に小さくΩのマークがあります。


ケースも長年の使用と保管で変色が認められます。
ケースは、新品交換が必要かな？と思っていましたが、修理に至る事情を知ったスタッフさんの意見としては、可能な限り綺麗にして、残った傷を含めて受け継ぐのが良いのでは？とのアドバイスにより、部品自体は残すことにしました。


こちらも、ずいぶんきれいにしてくれました。オールド物のメッキは厚さがあるのだそうで、磨きやすいとも聞きます。


裏面ですが、こちらもケースの変色がかなり進んでいます。


こちらも、本当に綺麗になりました。


バンドは、ヒルシュのモデナ。オーストラリアのメーカーです。


交換した部品は、ぜんまい、風防、りゅうずの3個。
ただし、フルオーバーホールの作業なので、清掃・調整作業にそれなりな金額を必要としました。


それでも、家族の思い出の品ですし、50年前の機械時計が今でも蘇ることが出来るのは素晴らしい事だと思います。
この時計はいつの日か子供に受け継ぎたい。ものを大事にすることの意味が伝わると思いますので。

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