
オーダー中古車のアウディTTSです。
6速DSGやハルデックスセンターデフなど鬼門を抱えるVW/AUDIグループのお車ですので御納車前にエンジン、トランスファー、DSG、ハルデックス、リヤデフとオイル交換を実施します。
先ずはエンジンオイルを抜き取りました!
ディーラー推奨インターバルで交換していたと思われる酷い汚れ具合です。

続いてはフロントエンジンから出力された動力をリヤに伝達する4WD車特有の装備であるトランスファーオイルの抜取りです。

トランスファーオイルは外部汚染が無いのでそんなに汚れていない様に見えますがこれはかなり古いオイルで劣化していると思われる時状態です。
トランスファーオイルの規定量は0,9Lとなります。

こちらはフロントから出力されたリヤへの駆動力をコントロールしているVW/AUDIグループが言う所のハルデックスと言うセンターデフのオイルを抜き取ったモノです。
ハルデックスセンターデフの規定量は0,85Lです。
新車時から1度は交換されている雰囲気の廃油です。
ハルデックスセンターデフのオイルは純正とフックス、SWAG以外は使用可能な製品がまだ見つけられておらずとても残念ですが純正+SODー1でメンテします。

続いてはリヤデフギヤオイルです。
トルクベクタリングなどのヨーコントロールデバイスは持ち合わせておらずGL系の通常のギヤオイルが封入されており規定量は0,95Lとなります。
こちらも新車時から1度は交換されている雰囲気です。

最後はこの車両を楽しむうえでもポイントとなる6速DSGのフルード交換となります。
排出されたオイルを見ると新車時から一度も交換されていないか、良くても一回交換されて居るかどうかと言う様な微妙な状態の汚れたフルードが確認されました。

VW・アウディの6速DSGはミッション上部の水冷オイルクーラー横に交換可能なオイルフィルターが備わっておりますので今回もこちらのフィルターを交換します。

左が取り外した旧フィルターで右が新品ですが、新品も一度でもオイルが通ると旧フィルターと同じ様になるので色だけでは汚損の度合いは判断できませんが、旧フィルターに異物や鉄粉が散見されないかどうかをしっかり確認する事が重要です。

作業工程最後のDCTフルードの補充とレベリングは適正油温にて調整が必要となります。
R35のGR6やエボⅩのSSTミッション同様にロイヤルパープルのシンクロマックスを使用できるのがとても有難いミッションで有ります。
トルクコンバーターを使用したATにはシナーレックが入ったオイルはクラッチが滑る為に使用出来ないのですが、湿式多板クラッチであるDCTにはギヤへの保護性能、潤滑性能が極めて高いシナーレックが添加されたシンクロマックスと言うATF並の低粘度オイルが使用可能であるためR35もエボⅩもVW・アウディのDSGも驚くほどミッションのフィーリングがスムーズでシームレスに変化します。
とあるR35のお客様にはなんか普通のオートマミッションみたいな感じになってせっかくのDCTのダイレクト感が薄れたと苦情を言われたことも有るほどにそのフィーリングは変化します。
R35もエボⅩもそうですがこちらのDSGもロイヤルパープル+SOD-1でフルード交換した最後の〆として各種診断機を使用してトランスミッション内部のクラッチ締結圧やシフトフォーク位置の学習値を初期化し再学習する事が最高のフィーリングを生み出すポイントです。
DSGフルードの全容量は6,9Lですがメンテナンス時の交換可能な油量は5,5L前後となります。
今回の作業はハルデックスセンターデフオイル以外は全てロイヤルパープルを使用してハルデックスセンターデフオイルも含めて全ての箇所にSOD-1を施工しました。
上記内容の場合の全オイル交換費用は概算で15万円ほどのメニューとなります。
クルーズ マネージャー Dai