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2017年01月08日

「童夢 ”ゆめ”を”かたち”に」展

「童夢 ”ゆめ”を”かたち”に」展 来年の話をすると鬼が笑う、と申します。

昨年の話をすると、鬼に怒られてしまうのでしょうか。


昨年11月に、名古屋市にありますアウトガレリア ルーチェで開催された、童夢の展示を見て来ました。

この企画展では、林ミノルさんがレースの世界に足を踏み入れてから、童夢-零 発表するまでの足跡が紹介されています。

まず初めは、林さんが最初に手掛けた車です。




カラス(ホンダ S600 レーシング)

1965年、レーシングドライバーで有名な(豪快な生き様でも有名な)浮谷東次郎からの依頼で、製作されました。

ベースは、ホンダ S600。

これをGTカーに改造する、といった依頼でした。

限られた予算と時間の中で、行われたこと。

それは空力ボディの製作と軽量化でした。

改造部分は2つ。



ノーズコーン

既存のボディはそのままで、上から被せています。

ライトカバーから見えるフロント部は、グリルを外しただけのノーマルボディが見えます。




ハードトップ

トランクリッドを外したボディに、こちらも上から被せています。

その為、トランクリッドがあった部分には大きな穴が開き、ハードトップと隙間が出来ていますが、そのままです。

ハードトップ後端には、スポイラーも付いています。

当時、「勝てるマシン」を作る為に、空力に着目するのは非常に稀有なことでしょう。

そんな空力の概念が確立していない時代に、整流の為にスポイラーを付けているとは。

林ミノルさんの非凡な才能を、感じずには入られません。



ハードトップの中を見ても、そのまんまS600のボディが見えています。

車が完成したのは、レースの前日。

しかも、車は他の改造も施す為に作業時は現場になく、形状確認も出来ていませんでした。

当然、形状が合うはずもなく、当日は現物合わせで、無理やりリベットで取り付けしたそうです。

なので、完成後の仕上がりは・・・

そこで、少しでも見栄えを良くしようと、無限(現M-TEC)創業者、本田博敏さんのアイデアで、つや消し黒に塗装されました。

それが元で、この車は後に「カラス」と呼ばれることになりました。

この黒塗装、私は黒板の塗料だと聞いていました。

ですが最近では、ストーブの耐熱塗料だという記述が多いのかな?

実際はどちらなんでしょうかねぇ?

この車を駆って参戦した鈴鹿クラブマンレースでは、車の効果かドライバーの腕か、見事デビューウィンを飾っています。




童夢-零

1978年に発表されました。

カラス以降もレーシングカー製作をしていましたが、なかなか事業として成功せず。

ならば!と一気に市販ロードスポーツカーへと舵を切ったのが、この童夢-零です。

その年のジュネーブショーに出展したところ、大盛況。

その後も市販化に向けて、開発が進められました。



あっ、このステアリング、覚えています。

これは、車両より先行して、単品で市販されていましたね。


公道走行可能な車として販売するには、型式認定が必要です。

当時の担当は、運輸省。

日本では、型式認定が取れれば販売可ですよ、と表向きにはなっています。

しかし、既存の自動車メーカーでない企業が、ゼロから開発した車の型式認定を取得するのは、非常に困難です。

最近になって、なんとか光岡自動車が可能にしたくらいですから。

これが30年以上前の話ともなれば、その壁がどれほど高かったか、想像に難くないです。

童夢も、この壁にぶち当たりました。

当時の運輸省は、申請を受理する気など全くなかったのでしょうね。



童夢-零といえば、先程のシルバーのイメージが強いのですが、赤もあったのですね。

実はこの赤い車、単なる色違いではありませんでした。
(私は色違いだと思っていました)



童夢 P-2

日本で型式認定が取れないのであれば、アメリカで取得して輸入車にしよう、と計画変更されたのです。

その為には、童夢-零をアメリカ法規に対応させたのが、P-2です。

この車では、バンパーが大型化されています。

また法規対応で、高さも上げられています。

ただ大きく高くすると、ボディデザインも大きく変わってしまいますよね。

そこで全体のイメージを変えない様に、ボディデザインを変えているのです。

実はそっくりなこの2台、共通部品はほとんどありません。

今度は、こちらの車でテストを重ねて、市販化に向けての開発が進められました。



そんな中、童夢に思いもよらない話が舞い込みます。

童夢-零の商標権です。

そのデザインを使用した、モデルカー、文具等の関連商品が販売されたことで、多額のロイヤリティーが支払われたのでした。

私も、色鉛筆だったかな? 購入して貢献しましたよ。


その収入で開発も加速するのか?と思いきや、これになりました。



童夢-RLのルマンチャレンジです。

根っからのレース屋さんである林さんは、それを資金にして元に戻ってしまいました。

童夢 P-2の市販化計画は、そんなことで 立ち消えに・・・


あの頃、大ブームを起こした日本のスーパーカーが、こんな幕切れだったとは。

ショッキングな結末を知った、驚きの1日でした。
ブログ一覧 | イベント | 日記
Posted at 2017/01/08 10:21:12

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この記事へのコメント

2017年1月8日 13:02
こんにちは。

童夢、いいですね!!

黎明期の日本のレースシーンに
林みのるさんは挑戦者として
いつも何か関わっておられるので
気になります。

バブルが弾けてオリジナルF1計画も
頓挫するのですが、もしエントリー
していたらと、考えてしまいますね!!
コメントへの返答
2017年1月8日 18:01
こんばんは。
コメントありがとうございます。

黎明期のレースシーンと言えば、童夢−零の開発メンバーも、すごいものがありました。

林さんを筆頭に、マキF1の三村建治、コジマF1の小野昌朗と、とんでもない方々が名を連ねていました。

童夢のシャシー+無限エンジンでしたから、純日本製のチームになって、楽しみでしたね、参戦出来ていれば。
そういえば、HKSでもF1エンジン作ってましたので、その組み合わせでもアリですね。
2017年1月8日 19:25
くまとっどさん こんばんは。

童夢-零 実は一度コクピットに座った事が有ります。
デビューした1978年に近くのダイエーでイベントが有り、子供はコクピットに座る事が出来ました。尻下がりで低いシートに座ると、もちろん前なんぞは全く見えず、目の前にはあの特徴的なステアリングが。
その晩は興奮して眠れなかった事も覚えています。
現代なら親が携帯で写真や動画を撮っているんでしょうけど、私の記憶以外に何も残っていないのが残念です。
コメントへの返答
2017年1月8日 20:07
こんばんは。
コメントありがとうございます。

ええっ!! そんなことが出来たのですか!
デザインコンセプトが「世界一低い車高」だったそうで、車内は相当狭かったでしょうね、子供とはいえ。

当時は、まだスーパーカーブームの頃でしょうから、落ち着け、という方が無理ってもんです。

プロフィール

「スバル360のブレーキシューを組み上げ、シュークリアランスも調整終了。
なのにエアが抜けない・・・。
そういえば、以前も結局4輪やらないとダメだった様な。」
何シテル?   04/17 18:01
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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