• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2020年04月22日

ブルーバードのサファリ連覇を阻んだものは?

ブルーバードのサファリ連覇を阻んだものは? 技術の日産



こう呼ばれる様になったのも、ラリーで培った技術の裏付けがあったからでしょう。

そのラリーとは・・・

灼熱のアフリカ大地を5000kmに渡り疾走する、サファリラリー。

そして、その名声を盤石にした功労者は、言うまでもなく、このクルマでしょう。





510型ブルーバード


デビューは、1967年。

SOHCエンジン、4輪独立サス、ディスクブレーキ・・・

当時の先端技術を、惜しみなく投入しています。

先代410型と比べると、飛躍的な変更ぶりです。

これは「進化」と言える様なものではなく、名前以外が全て変わった「変革」だとも言えるくらいの変貌です。

これだけの性能を有する510型ブルーバードですから、ラリーでの活躍は想像に難くはありません。








日産のサファリチャレンジは、1963年から。

312型初代ブルーバード、G31型初代セドリックでの参戦でした。

合計4台が参戦し、結果は全車リタイヤ。

以降は、1966年の411型ブルーバードSSによる、総合5位、クラス優勝が最上位でした。

この時の参戦記が、その後、石原裕次郎さん主演映画「栄光への5000キロ」の原作となっています。






そして、1968年。

満を持しての510型ブルーバードの参戦です。

この年はH130型セドリックと参戦し、セドリックは完走するも、ブルーバードはリタイヤ。

翌1969年は総合3位に入り、クラス優勝、チーム優勝の2冠を獲得します。


そして1970年・・・

フォード エスコート、ポルシェ911と死闘の末、遂に総合優勝獲得。

念願の3冠に輝きました。

これは日産初の快挙ですが、サファリ史上でも初の完全制覇となったのです。






510型ブルーバードの優勝は、以上です。





えっ? ちょっと意外です。

あの名車510型ブルーバードは、サファリで優勝を1回しかしていないなんて。

後年、PA10型バイオレットは、1979年~1982年まで4連覇を達成しています。

それなのに、いくらなんでも、これは少ないと思います。

一体、当時どんな強豪がいたのでしょう?

ブルーバードは、誰に連覇を阻まれたのでしょうか?











その答えは、サファリラリーの主催者、国際自動車連盟(FIA)です。

1970年から、サファリはヨーロッパラリー選手権(ERC)の1戦として、組み込まれていました。

当時のヨーロッパ勢は、フォード、プジョー、ポルシェ等の強豪揃い。

そんな中、アジアの島国から来た小さいクルマに、これ以上でかい顔はさせられないと。

ヨーロッパ勢が有利になる様、翌1971年にコース変更をしてきたのです。

主な変更点は、ラリーの高速化。

指示速度が100km/hに近く、時には160km/hにも及ぶ様なコースが、設定されていたのです。

ライバルのポルシェ、プジョーは、2000cc以上の大排気量。

フォードはブルーバードと同じ1600ccながら、ツインカムです。

こうなると、1600cc OHCと非力なブルーバードで対抗するには・・・

灼熱のサファリロード5000kmを、全域フラットアウトで駆け抜けなければなりません。

これもう、到底無理な話です。

結果、510型ブルーバードは、1971年の参戦を断念しました。

見事「日産封じは成功せり」、ヨーロッパ勢は、そうほくそ笑んだ事でしょう。







そして迎えた、1971年のサファリラリー。

連覇を狙う日産は、ここナイロビに降り立っていました。

必勝を期した、このクルマと共に。











フェアレディ 240Z


高速ラリーに生まれ変わったのならば、クルマもそれに対応させるまでです。

日産はブルーバードに代わる新兵器として、フェアレディZという隠し球を投入して来ました。

持ち込まれたものは、240Z。

シリーズ最高馬力を有するZ432ではなく、こちらを選択しています。

泥と砂埃のサファリでは、精密機械と言われる4バルブDOHCのS20では、耐久性に難ありかと。

そこで絶大なる信頼性を誇る、OHCのL24を選択しているのです。

奇しくもL24は、前年覇者L16とボア×ストロークが全く同じ。

4気筒だったL16に、そのまま2気筒追加したものとなっています。

何は無くとも、耐久性重視の選択です。

その結果、1600cc 130psから、2400cc 210psへとパワーアップしていました。







この年のサファリも、前年同様にポルシェとの一騎打ち。

そんな日産にも不安材料が・・・

過去の経験を生かした改造が施されているものの、初参戦ゆえの耐久性に不安がありました。

いきなり参戦して易々と優勝させてくれる程、アフリカの大地は優しくない。

それを一番分かっているのは、当の日産自身なのです。

しかし、日産にも抜かりはありません。

もしもクルマにトラブルが発生しても、それを迅速に対応出来る、優れたサービスクルーがいるのです。

ここには市販車生産の現場で蓄積されたノウハウも、生かされていました。

日本チーム特有のチーム力を持ってすれば、この難局も乗り切れると、考えていたのです。






日産は初参戦の不安を物ともせず快走し、ポルシェはその精密さ故か駆動系にトラブル発生しリタイヤ。

日産は1-2フィニッシュを達成し、見事連覇を成し遂げたのでした。




日産は、1991年を最後に、サファリから撤退しています。

そのサファリラリーも、2002年を最後にWRCカレンダーから外されました。

ですが、実は今年、サファリはWRCに復活しているのです。

7月開催の予定ですが、果たして開催出来るのか・・・

いずれは日産もWRCに・・・って無理だろうなぁ。
ブログ一覧 | 日産 | 日記
Posted at 2020/04/22 10:38:29

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

Let'sラジコン 1-2 購入編
ふじっこパパさん

回転寿司!^^
レガッテムさん

リアルハイタッチ^_^
b_bshuichiさん

週の真ん中、お疲れ生を〜♪
シロだもんさん

もし、俺がヒーローだったならぁ~~ ...
らきあ258さん

嫁さんとドライブしたら最後の最後に ...
エイジングさん

この記事へのコメント

2020年4月22日 12:55
こんにちは
ホンダは走る実験室といってF1に参戦。ニッサンの堅牢な車造りはより過酷なサファリで進化したのですね。6気筒は最終的に3.2までになったLの堅牢さにも驚きですが、その長寿にも驚きですね。
サファリもですが、ラリージャパンも・・・。
コメントへの返答
2020年4月22日 13:29
こんにちは。
コメントありがとうございます。

サファリには、80年代半ばまで多くの日本メーカーが、参戦していました。
トヨタ、スバル、三菱、ダイハツと。
90年代後半の頃から大幅に距離が短縮され、カーブレイカーラリーから通常のラリーになりました。

サファリは、性能よりも耐久性。
それはサスペンションにも表れています。
510、S30と独立だったリアサスを、PA10、240RSではリジットにしています。

トヨタも然り。
セリカツインカムターボ(GT-T)は独立で、Gr Bのホモロゲ車(GT-TS)は、リジットです。
2020年4月22日 14:06
こんにちは、最近あまりラリーも見てないかな。
モータースポーツは、ヨーロッパ勢が勝てなくなるとルールが変わるイメージですね。
ちなみに、PA10のファンです。私が見たビデオでは、160Jと呼ばれていましたが、この車両、模型があまり出てないよね。
コメントへの返答
2020年4月22日 18:52
こんばんは。
コメントありがとうございます。

最近のラリーは、まずドライバーを覚えるところからやり直しています。

モータースポーツ、そこはヨーロッパ発祥のものですから、アジアのメーカーが勝つのは面白くないのでしょう。
ホンダ第2期F1のターボ禁止も同じですよね。

私も歴代日産ラリーカーでは、PA10がベストです。
サファリ4連覇の頃は、多感な中学生の時代。
あの強さはカッコ良かったです。

なんと言っても、あのシェカーメッタが1982年参戦時、バイオレットGTS(S110 シルビアのLZ搭載車)を避けて、旧型のPA10で参戦し優勝したのですから、間違いなく名車です。
2020年4月22日 14:16
こんにちは
私が車に興味が出てきたのは
映画栄光への5000キロを見てからですね
510の活躍は短かったですが
後の240や710の活躍につながったんでしょうね
入社したとき
上司が510(4ドア)を30万キロ乗っていたのには
びっくりしました
コメントへの返答
2020年4月22日 19:01
こんばんは。
コメントありがとうございます。

あの映画の影響は、凄く大きかったでしょうね。
サファリ優勝の日産車といえば、正直なところフェアレディZよりは、510型ブルーバードの印象が強いです。

240Zは例外ですが、710型バイオレット、その前に参戦した610型ブルーバードUも、L型エンジン+リアセミトレの4独サス。
これは510が築いた基本形の発展ですからね。
やはり510は偉大です。

510の時代は、10万キロ走れば頑張った方でしたよね。
素性の良さもあるでしょうが、そこはメンテが見事だったのでしょうね。
2020年4月22日 16:06
こんにちは。
ラリーの日産、いいですね。

私は保育園か1年生の頃持ってた自動車図鑑でみた、バイオレットが印象深いです。

どこかで優勝したが改造されたDOHC4バルブヘッドが違反で失格になったと書いてありました。
多分LZ18か20のことだったと思います。
子供だった私はタコ足が4本の写真を見て4バルブだと思いこんでました。

510や240Zに続いて80年代になってからも名車揃いですね。ラリーの日産、ぜひ復活して欲しいですね。
コメントへの返答
2020年4月22日 19:11
こんばんは。
コメントありがとうございます。

90年代の日本車ばかりのGr Aも良いのですが、80年代サファリの方が、実は好きだったりします。

エンジンの件、よくご存知ですね。
1977年までは、Gr 2でもオプションパーツとして、DOHCヘッドは公認されていました。
それが1978年から廃止。
Gr 2のホモロゲしか取れていないPA10は、L20BのOHCエンジンしか使えなくなりました。

実はこれ、PA10対策ではなく、フィアット131アバルトを有利にする為のストラトス潰しだったそうです。

Gr a時代は日産と提携していたスバルが参戦していたので、パルサーGTI-Rは新型になることなく撤退したそうです。

今はスバルとは関係ないので、参戦出来るのでは?

あっ、ダメですね。
今度は三菱が同じグループになっているので。
2021年4月19日 15:58
ブルからフェアになった理由が初めてわかりました!

突然の書き込み失礼いたしました
コメントへの返答
2021年4月20日 8:27
おはようございます。
コメントありがとうございます。

PA10バイオレットは、サファリ4連覇。
なのに510ブルは1勝のみって、不思議でした。

SOHCエンジン、4輪独立サスと、技術の革新性は日本のみならず、海外から見ても驚異的だったのでしょう。

240Zの優勝が見られて良かった反面、名車510の活躍が見られなくなったのは、ちょっと残念でした。

プロフィール

「@大都会パート12 さん ありがとうございます。
すみません、返事が遅くなりました。無事オフ会は終了して、帰路の途中です。残りは400km、月曜中に着けば良いので、のんびり帰ります。」
何シテル?   04/28 20:17
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/5 >>

   12 34
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

リンク・クリップ

エコからオフ in 呉 追加情報 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/10/06 17:02:28
【告知】令和5年、那須合同ミーティング開催日決定♪  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/02/27 12:42:29
ダァ〜イアトーン♬ ポップスベスト10っ♪ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/03/14 12:53:29

愛車一覧

ホンダ N-ONE ホンダ N-ONE
2019年購入 インサイトが追突事故により修理不能となり、代替えしました。 購入候補 ...
ヤマハ YSR50/80 ヤマハ YSR50/80
1999年購入 当時RZ250Rに乗ってましたが、ビビリィな私、とても性能を使い切って ...
スバル スバル360 スバル スバル360
2019年購入。 ヘッドランプリングの黒塗装、大型のテールライトから、1968年の52 ...
スズキ ジェンマ スズキ ジェンマ
2017年購入 「購入」と言っても、物々交換で入手しています、スバル最中と。 友人がお ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation