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イイね!
2020年10月20日

30年前の未来のクルマ <トヨタ博物館企画展> 後編

30年前の未来のクルマ <トヨタ博物館企画展> 後編 トヨタ博物館の企画展、続きです。

まずはこのクルマから。






トヨタ MRJ


1995年のTMS出展車です。

当時はユーノスロードスターが発端となった、ライトウェイトオープンカーの大ブーム。

国内外から多くのフォロワー車を生み出す、一大ムーブメントとなりました。

まさか20世紀の終わりに、こんな古典的なオープンカーが大ヒットするとは。

当のマツダも予想出来ていなかったことでしょうね。

トヨタからの回答は、2代目 MR2をベースにしたミッドシップ。

これに+2ながらリアシートを追加した、4人乗りのオープンでした。

エンジンはMR2流用ではなく、1.8L NAの5バルブ DOHC。

絶対的な速さではなく、エンジンパワーをフルに使い、気持ちよく走れる爽快感を狙ったのでしょう。

このあたりは、ユーノス ロードスターと同じ方向性ですね。

MRJのデザイン、私はカッコいいと思います。

前後オーバーハングの強い絞り込みが重量感を打ち消していて、ギュッと凝縮した様に見えます。

ヘッドライトも固定式になり、表情が出てきています。

4人乗りとは言っても、間延びした様に見えないところも良いです。

もっとも、後席はかなり狭いのですが。

このデザイン、トヨタのヨーロッパ拠点発のものなんだそうです。



きっとTMSでの反応も良かったのでしょう。

このクルマは後に市販化されます。






トヨタ MR-S


ミッドシップ、NAエンジン、オープンカーは、MRJより継承。

4人乗りだったものは、MRS同様2人乗りになりました。

あと、大きく変わったのは、デザイン。

前後の絞り込みが、なくなってしまいました。

衝突要件をクリアさせる為でしょうか。

それとも幅広感を出して、より低く見せる演出なのでしょうか。

MRJがカッコいいと思っていた私は、ちょっと残念に思ってしまいました。






トヨタ セラ


このクルマは、なぜか市販バージョンだけが展示されていました。

セラは、一度購入を検討したことがあります。

ライバルは、ユーノス ロードスター。

幌を下げて季節感を満喫する、オープンエアーか。

片や天候を選ばず景色を堪能出来る、グラスキャノピーか。

結局は、更にスポーツドライビングも楽しめるという事で、ロードスターを選んでしまいました。






セラにも、アドバンテージはあったのです。

それは、スーパーライブサウンドシステム

トヨタと富士通で共同開発した、DSP(Digital Signal Processor)です。

このオーディオ、とにかく凄いとの前評判が。

「音場コントロール」なんて言う、聞いたことのない単語が出て来ます。

これがどんなものか体感したかったのも、セラ購入要因のひとつでした。






スピーカーの構成も見事なものです。

フロントには、当時はまだ珍しかったセパレート2ウェイ。

中央にある丸いのが、センタースピーカーです。

ここで残響音を再生します。

残響音とは、音源から出る直接音とは別に壁などに反射してから聞こえてくる音です。

残響音の遅れ時間、長さで、空間の広がりを演出しているのです。

スーパーライブサウンドシステムそのものは聴いたことないのですが、会社の後輩で富士通DSPを付けたプレリュードに乗っていました。

それを聴かせてもらったのですが、もう感動的でした。

特にコンサートホールモードだと、もの凄い広がり感があります。
(定位ボケボケとも言えなくもないですが)

私も結局、富士通DSP買いました。

もちろん、ロードスターには付けていません。

オープンカーだと、分かりにくいでしょうからね。






セラの元となったコンセプトカーは、このAXV-Ⅱ。

会場とは別の場所に展示されていました。

このドア、厳密にはガルウィングとは呼ばないのだとか。

ガルウィングの意味は、「カモメの翼」。

クルマを横から見て、ドアが垂直に上がるものが本来のものなんだそうです。

セラの様にドアの支点がAピラーにあり、横から見ると斜め上に向かってドアが開くものは「バタフライドア」なんだそうです。






トヨタ e-com


1997年のTMS出展車です。

全長2.8mと、軽自動車よりもコンパクトな車体の2人乗り電気自動車です。

所定の駐車場に置いてあり、ネットで予約してからICカードを使って借り出します。

航続距離は約100km、都市内移動が主なので、これで十分です。



この企画展で一番現代に近いのは、実はe-comなんじゃないかと思います。

他のクルマには懐かしさを感じるものの、e-comにはそれがありません。

このクルマだけは回顧ではなく「イマ」なんです。



クルマは個人のものではなく、公共のもの。

所有はせず、使用のみ。

全てのクルマがこうなるとは、まだ思いません。

ですが、こちらが多数になる気がしています。

電動化、自動運転化。

今の技術開発は、確実にこの方向へ進んでいるのです。



30年前のコンセプトカーは、個人所有を前提にされていました。

速く快適に遠くて行きたい、青空の下で季節を感じながら走りたい。

そんな思いを応えてくれそうなクルマを、みんな購入していたんです。

それが今では、クルマはいずれ公共インフラの一部に組み込まれるのはないか。

そんな予感さえもしています。



いろいろな夢をカタチにしてきた、コンセプトカーの数々。

その中で現代への解になっていたのは、この小さな電気自動車だったとは。

血中ガソリン濃度の高いシロクマには、一抹の寂しさを感じてしまった、今回の企画展でした。
ブログ一覧 | トヨタ | 日記
Posted at 2020/10/20 10:10:36

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この記事へのコメント

2020年10月20日 10:24
オーディオマニアだったのに セラ のサウンド 聞いたこと無かった・・・ 残念!  数年前でしたが スバル感謝祭でDIATONEのレガシィだったか 聞きましたが がっかりでした 音を吸収するものの多い 車内では弦の響きは難しいんでしょうね うちはTVもDOLBY Surroundですが 最近接触不良で・・・
コメントへの返答
2020年10月20日 11:44
こんにちは。
コメントありがとうございます。

オーディオマニアだからこそ、聴かない方が良いかと思います。
私の友人に、原音再現主義の方がいまして。
その方には、非常に不評でした。
「定位もなにもなく、子供のオモチャ」と酷評されました。

原音再現には、非常に厳しい環境の車内。
ガラスは反射し、シートは吸音。
おまけにリスニングポジションは、極端な右寄りと。

であれば、DSPを使って定位がぼけていても、バリバリ残響音で音場コントロールも、それはそれでアリなのかとも思います。
2020年10月20日 11:48
これからの自動車に求められるもの(こと)。

いろいろな考え方があるとは思いますが。

まずは、自分の行きたい場所へ、行きたいと思ったときに、そして、一人、もしくは連れだって行きたい人と…
いつでも行くことができるクルマ、と考えたいです。
お気に入りのクルマで。
(時間と先立つモノの余裕があれば…なんでしょうが)

シンプルに。
コメントへの返答
2020年10月20日 12:01
こんにちは。
コメントありがとうございます。

移動の自由は、そんなに制限はされないでしょうね。
自動運転車の予約さえ出来れば。

ただ「自ら運転する」というのは、変わってくるのだろうなぁと思います。

一番の危惧は、「自動運転車は事故が起こらないのに、人の運転するクルマは事故が多い」なんて事を、高級車の後席でふんぞり返っている先生様が言い出したりしないかと。
2020年10月20日 12:48
{血中ガソリン濃度の高いシロクマには、一抹の寂しさを感じてしまった}全く同感です。
 先日、地元で開かれたオールドカーフェスティバルなるものを見学してきました。コロナ渦でこのようなイベントはなかなかできなかったようですから、楽しめました。私らから見たら、えっこれがもう?例えばマークⅡ3兄弟とか。そんなに時がながれたのかと。果たしてこれから30年後このようなイベントが成立するのでしょうかね。
コメントへの返答
2020年10月21日 8:19
おはようございます。
コメントありがとうございます。

今年はクルマ関連イベントが、壊滅状態です。
結局、私は1度も出掛けていません。
折角公道復帰を果たしたスバルですが、参加する機会も今年はなさそうです。
最近のイベントは昭和縛りでなく20世紀縛りのものも出て来ました。
となると、対象車は1999年まで。
初代プリウスや元愛車のインサイトも対象になります。
20年だと、まだどうなのかなぁ、という思いがあります。

今から30年後ですか・・・
残念ですが難しいのかなぁと思います。
2020年10月20日 13:07
今の推移を見るに、自動運転はまだまだ先の話しと思っているにゃwww

何故?って??

現在発売されているブレーキサポートシステムはどれも衝突の危険が生じたギリギリまで作動しません。

本当に自動運転の足掛かりとして開発しているのなら何故安全車間の保持を基本にしていないのでしょうか?

レーダーやカメラで距離を測り、車速から安全に停止できる距離は算出出来ます。
なのに何故危険が明らかな距離まで放置プレイなのでしょうか?

そもそも自動運転なんて眼中に無いとしか思えないと感じるのはオイラだけ??

コメントへの返答
2020年10月21日 8:32
おはようございます。
コメントありがとうございます。

基本のシステムは、概ね確立したのかなと思います。
あとはデータの蓄積からの精度アップかなと。
障害物か否か、その判断がまだまだなのではないでしょうか。

実際、社用車の現行フリードでも、ちょっと幅の狭い右コーナーをセンターラインキープしたにもかかわらず、外側のガードレールとの接触警報が鳴ります。

あとメーカーの考え方もあるかもしれません。
以前JAFの講習で、アイサイトの体験をしました。
その時言われたのは「ステアリングから手を放す事」。
わずかでもステアリングに入力があるとドライバーに回避意志があるとして、作動しないのだそうです。

スバルはドライバーの意志を尊重しています。
ドライバーに操作を委ねても接触回避が出来ない、そうクルマが判断したら作動させるという事は現状ない(出来ない?)みたいです。
2020年10月20日 23:15
とても、考えさせられる文章です。

時制に従えば、電気自動車。税金安い。維持費がかからない。自動運転。若者買う。経済周る。でしょうね。

しかし、車を運転する人ののロマン、と言いますか、「こだわり」に着眼したコンセプトの車が存在しない(少ない)。というのもまた事実。

ドライビングプレジャーというものは、環境規制に勝てないのでしょうかね。

悲しいものです
コメントへの返答
2020年10月21日 8:38
おはようございます。
コメントありがとうございます。

本当は前半だけにして、30年前の価値観からくる未来だけで終わりにしようかと思っていました。
ですが、小型EVを出されてしまっては、これが実は未来の本命?と、思わざるをえません。

残念ながら、現在はクルマ好きよりも興味のない人が多数派です。
そこに対して「クルマ好きになってもらう」というアプローチよりも「クルマを意識させない移動手段」としてセールスした方が効果あり、というのがメーカーの考え方なんでしょうね。
ゴーンさんも日産在籍中に、これを言ってました。

EVにドライビングプレジャーはあるのか?
これも大きな命題ですね。
となると、ドライビングプレジャーをどこから感じ取るのか? そういう問題も出て来ます。

EVならまだいいです。
自動運転だと、それすらなくなってしまいますからね。

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「@中島乗り さん プリンスのプリンスたる所以を証明する1枚ですね。」
何シテル?   06/02 00:29
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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