少し前の話になりますが、たまたま通りかかったトヨタのディーラーに
IQがあるのを見つけて、何となく興味がわいて入ってみたわけです。
確かに小さいですね。
隣に置いてある
ヴィッツが大きく見えるくらいです。
何でもトランスミッションをエンジンの前方に移して、助手席の前にあるエアコンユニットをセンターコンソールの位置に持ってくることによって、助手席の前方スペースを運転席より前方方向に広く取れるようになっているのだそうな。
結果、助手席を運転席よりも前にスライドさせてもレッグルームは確保され、その分、後席のレッグルームも確保されるため、後席にも人が乗れるようになっているとのこと。
助手席に座った妻が、前に飛び出ていて、違和感を感じてしまいます。
マクラーレンF1の逆ですね。
こうまでして全長を縮めなければならない理由は何なのでしょう。
運転席に座った小生が思わず漏らした感想が・・・
「何かもっと広いクルマに乗っているみたいですねぇ」
営業マン氏、我が意を得たりとばかりに、室内スペースの広さは上級クラスに負けないと得意気です。
でも小生は褒め言葉としてそう感じたのではありません。
前方の見切りは良くないし、何とこのクルマにして
フェンダーポールがオプション設定されているではないですか。
ルームミラーを覗いても、後席のヘッドレストが邪魔で後方が良く見えないように思えるのですよ。
おそらく社外品のワイドミラーを買ってきて装着しても、室内が余分に見えるようにはなっても、後方の視界はあまり改善されないのではと思いましたね。
それにフロントウィンドーが傾斜しているためでしょうけれど、手が届かないくらい前方のダッシュは広いし、このスペースって一体・・・と思ってしまいます。
いやいや、決してこのクルマが良くないと言っているのではないのです。室内に仕込んであるという9つものエアバッグや室内の造作の質感、1トンを切る車重がもたらす経済性など、何だかんだ言って2人乗車で、それも所詮ちょい乗りシーンが多くを占める日本のクルマ環境を考え抜いて造ってあるのだなぁと感心した次第です。
昨日、ポル子で第3京浜を走りながら、先日に乗ったIQを思い出していたのですが、空冷911の見切りの良さと視界の良さは改めて素晴らしいと思いましたね。
例の太腿のおかげでフェンダーポールなんて要らないし、車体の四隅に手が届くような錯覚さえ覚えます。
何よりも秀逸なのがガラスにぺたんと直接貼り付けてある、一見手抜きとも思えるノーマルのルームミラー!
ミラーに映る像のほとんどを後方の景色が占めて、全くと言って良いほど無駄なものが映らないんですねこれが。
高速で立ち上がるリアスポイラーの上端が像の下端にちらりと映って、スポイラーがきちんと作動していることが分かります。
そして何よりも、このノーマルのミラー、鏡面を歪めて視野を拡げるようなことをしていないので、ミラーに映る像の見え味が素晴らしいんですね。
そうそう、両目を開けて見ても違和感のない
ライカM3のファインダーの見え味とでも表現したら良いのでしょうか・・・
何というか、高速道路を走行していて、非合法な速度でブッ飛ばしてきた後続車が急激に迫ってきても、その様子が、無理なく、とても自然に分かるのです。
慌てずに余裕を持って次の行動に移れると。
アウトバーンの国のクルマにとって、後方を確認するメインの手段であるルームミラーが、そうやすやすと社外品のワイドミラーに置き変えられるようなものであって良いはずがないですよね。
乗員をぐるりと取り囲んで展開するエアバッグも確かに安全のためには有効かもしれないけれど、視界が良くてクルマの周囲が良く見えること、見切りが良くて車両感覚を掴みやすいことは、もっと大切なのではないか・・・
そんな意味でも、空冷911は安全なクルマなのだと思った次第。
Posted at 2009/02/22 16:15:30 | |
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