私の手元から六代目フィエスタGHIAが去っていくまであと少しです。私がこの車を手にしたのは2014年とまだそれほど前のことではありませんが、車としてのデビュー自体は2001年のフランクフルト・ショーだったから、もう20年近く経つわけです。そのデビュー当初のプレス写真を見て「なんと見事なスタイルの小型車なのだろう!」と唸らされたことは今でもよく覚えています。
2000年台の初頭、アウディの初代TTや二代目A6に代表される幾何学的に整序されたカースタイリングが一世を風靡していた中で、それらに共通する要素がありつつも、さらに先鋭的な表現の「ニューエッジ・デザイン」で、文字通りエッジの立った存在感をアピールしていたのが欧州フォードの各車です。私もまず初代Kaで「!」とさせられ、続く初代フォーカスで「!!」となり、そのエッセンスをフォーマルなサルーンへ応用した二代目モンデオに「!!!」、それらに続いて満を持して登場した六代目フィエスタには「!!!!」でした。もっとも大衆に近い位置付けの車として、ニューエッジ・デザインの持ち味を極限まで洗練させつつ、同時に親しみやすいキャラクターが達成された手腕に心底感心しました。
そんなフィエスタを実際に愛車としてきて、使い勝手の良さと合理性の高さ、乗り手や走る場面を問わない普遍性を大いに実感することができました。六代目フィエスタは、スタイル(形)+ファンクション(機能)+キャラクター(個性)が高度にバランスされた、私にとってのグレイト・デザインな存在です。
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Fiesta | クルマ
Posted at
2020/03/07 22:49:28