180度V型と水平対向

昨日好きな車で上げた、フェラーリ512BBのエンジンは｢180度V型｣スバルやポルシェのエンジンは｢水平対向｣(ボクサー)。
同じく水平方向にピストンが動くエンジン、しかし何が違うのか？と疑問に思い調べてみました。
まず、ピストンの動き方が違います。
両方とも6気筒エンジンと仮定します。真上から見た図と思って下さい。
水平対向の場合
　←　→
　→　←
　←　→
こういう風に、上死点側に向かい合う両サイドのピストンが動き、下死点側に両方のピストンが戻ってくると。これがボクサーです。
180度V型ではこうなります。
　←　←
　→　→
　←　←
向かい合うピストンの片側が上死点側(外側)に動くと、反対側のピストンは下死点側(内側)へ、こういう動き方をします。
これが最大の違いです。わかりにくかったら画像を参照で。

機構的には、コンロッドのクランクシャフトの取り付けかたが違います｡
水平対向6気筒ならば、クランクシャフトジャーナル部が6つあります。180度V型6気筒ならば、クランクシャフトジャーナルが3つとなります｡ つまり、一気筒あたりにジャーナルを一つずつが水平対向、二気筒に一つが180度V型です。
それぞれにメリット、デメリットがあります。
水平対向はバランサーが不要なぐらい、理想的に振動を打ち消し合います。デメリットは上記の通り部品点数がV型より多く、重くなりがちです。あと、高回転は比較的苦手、元々はプロペラ機の空冷星形エンジンが元になっていますから、プロペラ機の場合は極端な高回転は不要なので。エキマニの取り回しが比較的に不自由というのもあります。
180度V型は、メリットはボクサーよりショートストローク化が可能で、高回転型に作れます。また、水平対向よりかは軽く作れてクランクシャフトも短くできるので剛性も高いと。ただし、打ち消しあわないので振動が起こりやすいというデメリットがあります、バランサーが必要なのです。
両方に共通のメリットは低重心化が可能となります。
他にも細部で違いがありますが。なるべく簡単に、わかりやすい所で説明してみました。
似て非なる物、つまりこういう事ですね。