
昨日のたま新で上げた、アルトターボRSのR06Aエンジンは、なぜK6Aエンジンに比べて回る感覚に乏しく感じたのだろうと疑問を感じたので色々と調べてみました。
まず、新型であるR06Aエンジン(画像)とは?、MRワゴンに初めて搭載されて以来、現在のスズキの軽自動車で逐次入れ替えが進んでいるエンジンです。現行アルトもこれですよ。RSはこれのインタークーラーターボ付きになります。
特性は、簡単に言うと「フリクションを小さくして、ロングストローク化(K6Aと比較して)を実施、高トルクで低燃費重視のエンジン」となります。
ただ、これは悪い事では無いのですが(どの会社でもやっている事ですから)、K6Aに比べると低コスト化(簡略化)も施されていますね。
例えばコンロッド。
明らかにK6Aより全体的に細くて、ベアリングキャップも薄いのです。剛性が足りなさげな感じです。この状態でK6Aのように高回転を目指したらどうなるか?、ピストンの慣性力によって生じる上下方向への力で、端部が変形してしまう可能性がありますね。それぐらい脆いのです。フリクション低減の面では勿論有利なのですが。
そして一番驚いたこと、それはピストンスリーブ。両方のエンジン共にアルミブロックなのですが、K6Aは一般的なピストンスリーブ(円筒形の筒、つまりシリンダーの内壁)を後から打ち込む方式です。RO6Aではなんとそれを「鋳込む」のです。つまり鋳造をする段階で、一緒に鋳込んでしまうというやり方ですね。これ、確かに製造コストを抑えられますし、エンジンを軽く作る事はできますが、チューニングのためにボアアップをするとか、オーバーホールをするとかの場合大変な事になりますよ。一応鋳込みでもボアアップは可能なんです、ただし、内部でスリーブが一体化しているわけですから、それらも一度全部ボーリングして削りとってしまってから、スリーブを新たに製作して打ち込み直さなければなりません。これはかなり面倒くさいですね。他にもチューニングするには不都合な部分が多いのです。
モータースポーツも視野に入れて作られたK6A型、低燃費、低フリクションで高トルクで軽量、街での使い勝手を重視したR06A型、勿論新型であるR06Aの方が街乗りには優れています、しかし、やはり「ワークス」の名を冠する車にはちょっと役不足では?と思うのです。
替えるのは難しいでしょうから、RSターボの名のままでMT化をして欲しい。
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2015/10/30 22:56:30