以前、ヤマハの

SRV250(S)を紹介したときに、似たような成り立ちのバイクがホンダにもあるよと書きましたが、今回はその似たようなヤツをホンダから。
【HONDA VRX Roadster】
「ホンダ VRX ロードスター」です。
「ホンダ VRX400 ロードスター」とも表記されますね。
覚えてますか?このバイク。
1995年のデビュー、レーサーレプリカはナリを潜めネイキッドが台頭し、更に各社から本格的な邪メリカン達が販売され人気を得ていた頃に

そんな時代にVRXは突如として生まれました。
スペック
水冷V型2気筒SOHC6バルブ、排気量398cc、最高出力33馬力です。
このエンジンは同じホンダの

スティードのエンジンです、はい、このVRXもアメリカンのエンジンを流用したバイクなのです、だから成り立ちはSRVと似たような感じなのです。
排気の見直しやバランサーの変更で最高出力はスティードより3馬力ほどアップ、低速での鼓動感を高めつつ高速で伸びるエンジン特性となっています。
つまり、スティードよりかはスポーティーな味付けのエンジンなのです。
ホンダとしては、大人のためのスポーティーなオールラウンドバイクとして世に送り出した訳ですが・・・。
それは、SRVもそうでしたがある意味全てにおいて「中途半端」になるという罠ががががが・・・。
正直、スポーツと言うには重すぎ、乾燥重量で200kgの大台です。
最高出力は高められていますが、活発に回る訳ではなく正直遅いバイクですね、2000~3000回転あたりで法定速度域でドコドコ流すのが正しい乗り方です。日常的な範囲で楽しめる、それがこのVRXというバイク。
しかし、このあたりのバイク界は邪メリカン花盛り、そういうユルいのは邪メリカンで良くね?となってしまうのです。

邪メリカンのように改造パーツは無くて、いや、これは邪メリカンにはハーレーという絶対正義なお手本があるのでそれをなぞればそういうスタイルが出来る、つまりイメージをしやすい訳ですな。
しかし、このVRX、当時はある意味カスタムの前例が無いのです、こういうジャンルが無かった訳ですからイメージのしようが無いということ。
よってアフターパーツも少なくなり人気の方もスティードが全部持って行ってしまうという悪循環に陥る、つまり「売れなかった」のです、実際不人気車種でした。

1996年にメッキ類を廃して黒で統一したスペシャルブラックを追加してテコ入れを図りましたが・・・やはり売れるのはスティードばかりなり(実際当時にVRXはなかなか見かけなかった)、1999年まで細々と生産されましたが、後継車種も無く生産中止となりました。
しかし、取り回しは確かに重いバイクですが、シート高も低めで出力もマイルド、ポジションの自然さもあり女性でも(重さ以外は)扱い易い、ポジションが自然ということは長距離も疲れないということでもありますからね。
ただ、スタイル重視なタンクは容量が11リットルという泣き所もありますけど。
ホンダ的には不本意だったかもしれませんが、新型で販売された時にはネイキッドのバイクとしてひとくくりにされてしまったのが不幸の始まりでした。
このVRXというバイク、わかりやすく言えば

スティードのスポーツスターだと思っていただければ良いかと。
ハーレーのスポーツスター系はFL系やFX系に比べると一体型のトランスミッションでダイレクト感が強くてスポーティーです。フォワードコントロールでは無くてミッドコントロールですし。
つまりスティードがFL系だとすればVRXはスポスタということ、だからVRXをイジるならスポスタのカスタムを参考にするとキマります、ダートトラッカー系や流行りのスクランブラースタイルですね。

これ、VRXなんですよ、モロにスポーツスター化しています。

セパハン装着のカフェレーサースタイルも可能。

これもカフェ風改、かなりキマりますね。

ボバースタイルだって可能ですよ。

ダートトラッカー、良い感じです。
さて、中古事情ですが。
正直売れていなかったのでタマ数は少なめ、しかし、無茶な使い方をされたのは少なく走行距離も1万~2万キロあたりが主流、価格は30万円あたりからカスタムされた物で60万行かないあたりと、この年代のバイクとしてはお求めやすいと思われます。

販売された頃は、まだ世間がこういうスタイルに追い付いていなくて、正直販売面は苦戦、ひっそりとフェードアウトしていったのですが、その素直なポジションや穏やかなエンジン特性で扱いやすく、そのまま旅の足としても良し、プレーンなスタイルからカスタム素材としても、様々なカスタム手法が確立した現在なら良い素材にもなれる、それがホンダ VRX ロードスターです。
所有するならやはり前後のタイヤをブロックパターンにして、アップ二本出しマフラーでスクランブラースタイルにしたいですね、ハーレースポーツスターの純正タンクを流用したいところです。
ホンダさん、そしてヤマハさん、今こそこういうVツインのスポーツ系バイクが認められる時では?、カスタムスタイルも邪メリカンが流行っていた頃より様々なスタイルが確立していますし、400~250クラスのVツインエンジンを復活させてみてはどうかなと、車両本体60万円以内なら売れると思いますけどね。
こういうユルいツインのプレーンなバイクをまた出していただきたいです。
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Posted at
2021/01/16 07:45:28