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2007年08月28日

▽N1K1 川西 水上戦闘機「強風」

▽N1K1 川西 水上戦闘機「強風」  今回はちょっと変わったキットを作ってみました。(実は8/19には完成していたのですがUPが遅れてしまいましたw)ハセガワの1997年の限定キットですが、水上機に透明レジンの水面(とフロート)をセットに、一部レジン製のパーツを追加したものです。水のジオラマということで「アクアラマ」と称していますが、これがなかなか良く出来ていて大変楽しめました。(ギャラリーもどうぞ)

 さて、キットの話は置いて、肝心の機体の話しです・・・この機体は後の陸上機「紫電」「紫電21型(紫電改)」の大元になった川西の水上戦闘機「強風(N1K1)」です。そもそも、「水上戦闘機(N)」というカテゴリーは当時日本海軍だけにしかなかったのですが、15試水上戦闘機として開発が始まったこの機体、大きなフロートをぶら下げるハンデを(当時手に入った)最も大出力のエンジンを積むことで何とか戦闘機としての性能を持たせようとしたものです。
 水上機(や飛行艇)に造詣の深かった川西ですし、先行していた高速水上偵察機の「紫雲」の経験の活かしながらの開発でしたが、同時期に開発された局地戦の「雷電」と同様、直径の大きなエンジンの抵抗を少なくするため、海軍技術廠での研究結果に基づいて胴体全体を紡錘型にまとめているのが一番大きな特徴です。また技術に対するチャレンジ精神旺盛なメーカーらしく、当初は二重反転プロペラを備え、主翼断面も層流翼という新しい技術を導入していました。(二重反転プロペラは不具合が多く量産機では普通の3枚プロペラに改められましたが)
 さらに後の「紫電・紫電改」で威力を発揮した「自動空戦フラップ」もこの機体で試行錯誤が行われ、水銀柱による旋回中のGの検出とフラップの自動調整という画期的な機構の完成を見ました。これは「強風」の試作機と二式水上戦闘機(「強風」の実戦配備が開戦に間に合わないため、急遽零戦11型を中島で水上機化した機体)との模擬空戦の結果、どうしても格闘戦(主に回転半径の小ささ)性能が劣っていたために講じられた対応策です。
 制定と実戦配備は日本が守勢にまわった後のため、常に戦線の先端に配備された二式水戦に比べると「強風」の実戦でのエピソードは少なく、むしろ紫電、紫電改の母体となったという点で記憶される機体となりました。
 大きなフロートを付けた水上機に陸上(艦上)戦闘機と同様の性能(実際の要求性能では速度は零戦以上)を求めたのは物理的に無理だったのですが、それに挑んだ川西の設計陣の挑戦には感服されます。

ライバルとでもいうべき二式水戦の同様な(いや、むしろより凝った)「アクアラマ」キットも手に入れてありますので、それもまたいつか作りたいと思っています。 

2012/8/16 追記---------
この記事は、三和模型、1/100、水上戦闘機 強風、にTBさせて頂きました。
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Posted at 2007/08/28 23:16:45

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この記事へのコメント

2007年8月29日 6:55
いいなぁ水上機、乗ってみたいな水上機。
アクアラマ、結構難しそうですね。作り手の手間がそのまま反映?
コメントへの返答
2007年8月29日 22:56
アラスカとかに行って、水上機でサーモンを釣りに行くのが夢です(笑)
アクアラマは、結構黄色味がかっていて、これでどうなんだろうと・・・と思った割には良い感じに出来ました。塗料の「光沢クリア」をはじめて使いました(笑)
2007年8月29日 20:09
水上戦闘機としては二式水戦に座を奪われた強風の一族が陸に上がってゼロ戦の後継機になったんですね これはとても稀なことでしょうね

紫雲といえば子供のころアオシマのキットを作りました。 
パッケージは青い塗装の機体でまるでSFみたいだったのを思い出しました。
コメントへの返答
2007年8月29日 23:14
陸上機化を海軍に説明する時は、何の資料もなくその場で絵を描いて試作許可を取り付けたとか・・・水上機に比べたら桁違いの生産機数になるので陸上機化は企業戦略だったようです。

青島の古いキットは2~3箱ありますが、箱絵は結構突拍子もない色です。P-36はグレー・黄・青の迷彩でした(笑)
でも1/72では貴重なキットもあるのでやっぱり買いこんでしまいますね。
2007年8月31日 17:48
今日は。
アクアラマというのはオリジナルですか?なかなかいいですね。
以前潜水艦を作ったとき、いいものが浮かばなくて紙粘土の上にクシャクシャにした青いセロファンを貼ったものを使ったことがあったのですが、ぜんぜんでした。
具体的には言えないんですが、作品を拝見すると何となく個性みたいなものが感じられますね。多分他の方が同じものを作って横に並べてみてもどちらがnakaさんのお作りになられたものかわかるんじゃないですか。空気感のようなものが個人によってそれぞれ違うんでしょうね。
イラストレーターの下田信夫氏の「Nobさんの飛行機グラフィティ」という本があってその中に書かれている飛行機のイラストを見た時の感じが、失礼ながら、nakaさんの今までの作品を拝見した時に感じた空気感と同じような気がするんですよね。イラストは結構デフォルメしてあるんですが、邪心がなくて、ただ好きなんだからしょうがないと言う感じで、私はこういうのって大好きなんです。(・・失礼しました。)
コメントへの返答
2007年9月2日 23:01
いえ、アクアラマは水面にある透明レジンのベースと、飛行機本体がセットになったキットです。オリジナルは一番下の木製のベースだけですw
さすがに水の表現は難し過ぎて、私には無理です~。

いろいろお誉め頂いて嬉しいやら恐縮するやらですが、もしも良い点があるとすれば、おっしゃって頂いたように、考証も何もなくキットをそのまま組んで、ただ楽しんで色を塗っている所だけです(あれ?それを美点とは言えませんねw)。塗装が上手くいかなかった時は汚してごまかすとかも「有り」ですし・・・もし個性があるとしたら、画像の色味とか撮り方のせいかもしれませんね。

「Nobさんの~」は中を見たことはないのですが、好きなものを描く(作る)時は楽しい事だけしたいなと・・・細部が分からないからとか、資料がないからとかで、製作が止まってしまうなんて考えられません(笑)
「邪心」がないというか、当時の本物を再現することにこだわりがない、ということでしょうね。

またUPしますので、見てやって下さいませ。
2012年8月17日 0:51
おおおっっー、

アクアラマですくわ、、良い感じですねー
こんな限定版があったのですねっー

すばらしいー完成度でありますー
コメントへの返答
2012年8月18日 22:44
はい、これと二式水戦にアクアラマがありました。二式水戦の方は、穏やかな海面で釣りをしているシーンです・・・凄惨な戦場での平和な一コマって感じで、なかなか味わいありますね。

ちなみに写真では分かりませんが、実物の完成度は低いんですよ(汗)

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「◎堂平山初登頂と荒サイグループライド http://cvw.jp/b/122372/46997535/
何シテル?   06/02 08:25
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