
台風直撃の夜・・・なのに関係なく道楽プラモネタをUPするマイペースさに、我ながらあきれますが(笑)今回は有名な世界初(同時に唯一)の実用ロケット戦闘機だった、独空軍メッサーシュミットMe163「コメット(コメート)」がロールアウトしました。(厳密には先週末出来ていましたが)
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この機体はヨーロッパ戦線で独軍の敗色が濃厚となった時期に、主に連合軍爆撃機の要撃のために実戦配備された機体です。新世代の戦闘機に相応しく(といっても真の新世代はこの機体ではなく、
メッサーシュミットMe262というジェットエンジン機の方なのですが)主翼には当時ドイツで研究が進んでいた高速向きの「後退翼」を採用、また水平尾翼がなく、胴体と主翼をなだらかな曲面でつなげた部分などに、新しさが見られます。
今回プラモデルを作って、初めて立体的に見てみたのですが、今までの平面図や側面図で見ていたのとはだいぶん違った印象を受けました。すなわち、合わせて2トン近い2つの液体燃料(濃縮過酸化水素と燃焼液)を納めるため、巨大なタンクをを収納した直径の大きな胴体が、立体的に見ると主翼となだらかにつながって、少し上から見ると、エイのような美しい形に見えます。今までは不格好だと思っていたのですが、今回認識を新たにしました。
強力な推進力を比較的シンプルな機構で得られるロケットエンジンの性能はさすがに凄まじく、上昇力は12000mまで3分30秒(最速のレシプロ機でもゆうに10分以上かかります)、速度は960km/h。実戦で初めてMe163に遭遇した米軍は
P-51をもってしても、その高速さに何も対応出来なかったようです。
しかしその反面、一挙に燃料を燃焼させるロケットの特性上、推力を得られるのはたったの7分30秒間・・・その後はグライダーとして滑空しか出来ません。迎撃機としてはその時間の中で離陸上昇、敵機の捕捉、攻撃、待避を行う必要があり、コメットが活躍出来るのは、配備された飛行場の周辺に(非常に狭い範囲で)限られました。連合国軍としてはその飛行場を避けるだけで、強敵を回避出来たわけです。
後に終戦直前、日本で試験飛行までこぎ着けた三菱の「秋水」はこのMe163の資料を基に開発されました・・・それについては、いずれ、また。
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2007/09/06 22:01:45