
11月初旬にはじめ、週一ペースで製作という
怒濤の勢いの米海軍戦闘機シリーズ、最後の一機F6Fグラマン「
ヘルキャット」がロールアウトしました。米海軍艦載機としては非常に有名なこの機体、日本軍機を最も沢山撃墜した機体です。(
ギャラリーもどうぞ)
それ以前に制定されていたF4F「
ワイルドキャット」ですが、開戦と同時にその性能の限界が露呈し、後継機種の早急な登場が望まれる中、たった1年の設計期間で開発されたのがこの「ヘルキャット」です。(ちなみに初飛行
前にすでに大量生産の命令も出ています。)
ヘルキャットの特徴は2000馬力という高出力エンジンを備えた丈夫な機体ということですが、開発期間短縮のため、エンジンをはじめとする重量の増加分を、前作ワイルドキャットの機体サイズを拡大することで何とかまとめた、というものです。大きな機体の多い米軍機の中でも、結果的に機体サイズは、P47「
サンダーボルト」と並ぶ巨大なものとなりました。主脚の収納方法はオーソドックスなものになり、翼も低翼になりましたが、ワイルドキャットとヘルキャットは本質的には同じ系統の機体だと言えます。
この機体はよく
零戦の対抗馬として語られることもありますが、実際のところは零戦を研究して開発された訳ではなく、着艦性能に問題のあった「
コルセア」の穴を埋めるべく急遽開発された、いわばピンチヒッター的な機体でした。開発期間短縮のため、機体構造に余裕を持たせた設計としたため、逆に、少々の銃撃を受けてもビクともしないし、爆弾を抱えての運用も出来る汎用性の高い丈夫な機体となり、非常に高い信頼を受ける主力打者の地位を確立しました。
(ちなみに、零戦を研究した結果対抗馬として開発されたのは、F8F「
ベアキャット」です。高出力、軽量コンパクトな機体で、スピード、格闘性能、どれをとっても超優秀なものでしたが、配備は終戦間際になり実戦には参加しませんでした。)
最後に、グラマンの艦載機のニックネームについてですが、F4F「ワイルドキャット」→F6F「ヘルキャット」→F7F「タイガーキャット」(双発)→F8F「ベアキャット」となり、「キャットシリーズ」と呼ばれることがあります。
70年代に開発されたF-14「
トムキャット」については、このキャットシリーズにちなんで付けられたニックネームということになりますね。
というわけで、米海軍戦闘機シリーズもこの機体で(一応)完成となります。お疲れ様でした。
次は何を作ろうかなぁ・・・
Posted at 2006/11/26 17:53:33 | |
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