
先週ですが仕事で愛知県の知多半島方面に一泊二日で出張し、二日目の午後に時間がとれたので、あまり期待せずに2時間ほど
常滑市を探索しました・・・が、しかし予想外に興味深い町、人気(ひとけ)のない平日の昼時、のんびりと嬉しい誤算の小さな旅でした。(ギャラリーは
こちらから)
ご存じのように常滑市と言えば古くから焼きものの街として知られていますが、一口に焼きものといっても、伊万里、備前などとは違い、あくまで日用品としての焼きものを多く産した土地です。また近世には、水道管として使う土管や、焼酎の発酵・熟成用の瓶などを作っていたそうで、市内の小高い丘に密集するように、多くの窯があったそうです。今回は「
焼きもの散歩道」というモデルコースに素直に従い(笑)その丘を
周回する小道を2kmほど歩きましたが、軽自動車でやっとという狭い道を挟むように、黒板塀の木造工場が数多く見られました。
散歩道をしばらく行くと、白漆喰の建物群が見えたので、取りあえず寄ってみます。「
廻船問屋瀧田家」という復元建物ですが、知多半島から上方や江戸への廻船問屋・・・つまりかつての超お金持ちの邸宅なのですが、先日立ち寄った
金沢の武家屋敷跡の豪商宅と比べると、しっかりしていながらも簡素なたたずまい。
さらに進むと、巨大な登り窯がありました。(ここら辺からは
こちらのギャラリーをどうぞ)登り窯自体は栃木の馬頭(
小砂焼き[こいさごやき])で、実際に焼く場面に立ち会ったことがあるのですが、常滑の登り窯は「窯」というより「工場」という大きさ。昭和にはいると窯も重油を燃料にしたため、煤煙がひどかったとか・・・常滑の窯はある意味、産業遺産ということも出来そうです。今でこそ黒板塀は情緒があるのですが、かつては煤煙によって黒くなった、ということもあったのかも知れません。
コースも残り1/4ほど、時間は13時・・・木造工場を活かした雑貨屋+カフェがあったので、そちらでランチとしました。
カフェギャラリー「風」という店でしたが、普段「カフェ文化」に疑惑のまなざしのおやぢでも、のんびりひっそり(ちょっと寂しくw)ランチを楽しめました。偉大なるかな時間を経た木造建築の優しさ、という事でしょうか。
常滑という街、たった2時間ですが撮った写真は100枚以上・・・懐かしくもあり、少し侘びしくもあり・・・いい旅となりました。
Posted at 2007/04/10 23:29:26 | |
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