
インターネットの「教えて下さい」系サイトをのぞくと、時々ハッとする質問を見かけることもあります。例えば・・・
「進化論が正しいのなら、なぜ、ウイルスや細菌などの下等な生物が生き残っているのでしょうか?」
この質問は2つの点で決定的な誤解があります。
一つ目は・・・そもそも、
進化論では「高等」「下等」ということで生物を区別していません。(進化論のみならず、現代ではそういう区分をする「科学」はありません。)
単純な(構造の)生物と複雑な(構造の)生物、という目安はあるかも知れませんが、単純=下等といった認識は「世界を人類が征服している」という誤解(あるいは願望)に基づく18世紀的な生命観で、それを打ち破ったのが進化論そのものです。
進化論では、生命の複雑さや意識の有無にかかわらず、ただ単に「環境により適応したものが生き残る」と言っているだけです。下等であれ何であれ適応しているか否かを問題にするだけで、下等生物→高等生物→人類(さらに→特定の人種)というヒエラルキーに沿って生き物を並べる説ではありません。
二つ目・・・・ウイルス(
ウイルスが生物であるかどうか、はまた別の議論として)や細菌が、生命誕生以来絶滅に瀕したり、苦戦をしてきたという兆候はありません・・・むしろ大いなる成功を収めてきた、と言った方が良いくらいに繁栄しています。肉眼では見えないサイズなのに、一説では地球上の彼ら(
モネラ界の生き物)の総重量は、他の生命の総重量を凌駕するとすら言われています。
(※ちなみに私達の腸内細菌の総重量については衝撃的な事実があります(笑))
なので、件の質問に対する答えは、
「あなたが下等だと言う生き物が繁栄している事実こそ、進化論が正しいことを証明している」 となります。
・・・もちろん、だからといって、ウイルスや細菌達に特別親近感を持つわけではありませんけど(笑)
やっぱりウヨウヨ増殖する様は不気味だし、「いったい何のために増殖するのだ?」という戦慄をともなった疑問も感じるわけですが(笑)
ああ、でも、例えば隣の銀河から眺めれば、我々人類だって「いったい何のために増殖してるのだ?」ってことになるんでしょうね(合掌)
Posted at 2010/06/13 23:03:26 | |
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