
土壁に日本瓦。
ぼくが高校生になる年に新築した実家も、耐震強度にものすごく不安があり、58年にして建て替えることになりました。
25年前、築90年で建て替えた生家の方が思い入れがあったせいか、この家に長く住みながらあまり愛着はありません。
建てた両親には申し訳ないけれど。
業者は60年保証の会社。
新築するにあたり、着工の日までもめにもめました。
他の業者と契約を交わす1時間前に、無理やりねじ込んできたのがスタート。
あれこれ値引きして安くすると言うのに乗った妹も悪いんだがね。
営業担当者がすべて対応すると言うことで任せたは良いものの、他の会社の価格にするためと称して出された提案は、備え付けの設備類を最低グレードに落とすこと。
素人でもできます。
間取りなど、基準が基準がと言いながら、提案された案では基準をクリアできないとか。
道を挟んだ向こうに排水を流すための追加工事が必要になったとか。
こちらで調べたら、何のことはない、今使っている排水口を使えば工事不要。
工事の日取りが決まる頃になって、
「地盤が柔らかいので、60年保証するために、最大700万円の追加工事が必要かも知れない。」
基礎工事費削減の提案は、外構を削るだの、一部を安い業者に頼むだの。
けっきょくコチラの財布の中身を右から左へ動かすだけ。
ぼくは身内に厳しく、どちらかと言えば相手を尊重するタイプだけど、マジでこいつ真性のバカか、客をバカと考えていると思った。
あまりの高額に、他の会社に聞いてみたところ、
「いくらなんでもそこまでの必要性はないと思います。」
「よかったら以前うちで見積もりいただいた際に地質調査した結果をお使いください。」
やはり、頼む先を間違えたな。
建築士と上司に会わせろと言うと、
「すべて自分が責任を持って窓口をしていますからできません。」
お前さんにそんな事を言うだけの能力はない。
ぼくは施工主である妹に
「違約金を取られてもかまわないのでキャンセルしろ。」
と勧めたのだけど、数百万の増額判断を数日の間に迫られパニクってしまい、けっきょくGoサインを出してしまった。
ということで、始まってしまいました。
解体が始まってからも、営業から
「大きなグリ石が下から出てきて、取り除くか切断するのに40万円ぐらいかかる。」
と連絡が入ったけど、現場の業者さんが即対応してくれて、費用はかからず。
営業はバカだけど、しっかりした作業監督さんに助けられている。
建て替え工事の間、仮住まいへ引っ越しをしたんだけど、営業から妹に
「手伝いに行きます。」
と電話が入った。
「来てもらってもジャマなだけだから断れ!」
と大声で言ってやったんだが、
「勝手に手伝いに来ました。」
とやってきた。
ただでさえドタバタして気が立っているのに、ぶん殴ってやろうかと思ったほど。
こんな会社に60年も世話になるなんて、妹も不憫だ。
スタートしてしまったのだから、
「快適な家に住むことができるんだから、完成を楽しみにしろ。」
と慰めの言葉をかけるしかない。
「運気は今年中」と占い師から助言があったらしい。
車の事故にしろ、家の建て替えにしろ、どうやって前向きに考えるか。
疑うなら最初から信じるな、信じるなら疑うな、だぞ。
愛着がないとは言え、崩されていく姿を見ると、これまであったことなどいろいろ思い出します。
更地になってしまった。

裏には大きな蔵のあるとんでもなく大きな古い家があって、おじいちゃんが一人暮らししていたっけ。
毎日のように祖父さんをたずねて うちにお茶をしに来ていた。
そのむこうは田んぼで、あぜ道とお地蔵様もあったな。
そんな景色も遠い記憶。
建つのは平屋。
どんな間取りになるのか知らないけど、たぶん快適な空間だろう。
真冬になる前には入居できるそうだ。
新築祝い、何が良いかな。
Posted at 2022/09/18 18:31:30 | |
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