
明日はどこ行こう。
どこでもいいんだけどね。
この半年ほど、躰のあちこちが痒くて痒くて。
皮膚科で診てもらい投薬も受けたんだけど、まるで効果なし。
ならば皮膚炎に効く温泉にでも。
何気なくネットを徘徊して見つけた釜沼温泉。
「大喜泉」さんは温泉療養宿で、日帰り入浴もできるそうだ。
場所は木曽。
近いじゃない…というのは勘違い。
若い頃、幾度となく出かけているので、感覚的に近いと思いこんでいる。
地図上で確認すると、片道130キロ。
それを見てもなお、もっと近いはずと疑ってしまう。
営業時間は13時から。
このところ、日が高い内に帰宅するようにしているけど、どう頑張っても帰宅は夕方になるな。
通勤ラッシュを考えると気が重いけど、たまには日暮れまで走るのもいいか。
ちょいと距離があるので5時半には出たい。
ただ早く着いても時間を持て余すので、周辺の道でも確認しておこう。
とかやっている内に日が変わってしまった。
寝なくちゃ。
4時半起床。
毎度のごとく、目覚ましの5分前に目が覚めた。
天気予報によれば冷え込みはなく、一日曇りで夕方から雨がぱらつくようだ。
もう春の格好でもいい気もするけど、山はまだ雪が残ってるだろう。
悩んだ挙げ句、シャツ一枚に冬のジャケットという絶妙な着こなし。
一旦はTLFを張り出したものの、距離+温泉で疲れるかも知れない。
軟弱にもXLRに変更。
このサイズがあれば快適だ。
けっきょくそれほど早くは出発できず。
05:45
いちおう地図は見たんだけど、方向音痴なのでかなりアヤシイ。
とりあえずは瀬戸方面に走る。

愛・地球博跡地。
ジブリパークがあって、客寄せのためか何かにつけてニュースで紹介される。
自分にとっては、ここは青少年公園。
近隣の林や池にはよく来たけれど、万博のせいで気軽に入れる場所ではなくなった。
自然との共存とか言いながら、食い物にしているだけだと思うな。
観覧車なんか必要だったのか?
この場を早く通過したい。
06:25

藤井聡太氏の出身地。
好きな街ではあるけれど、初めてのドライバーさんには分かりにくい道だね。
06:40
気温は4~6℃。
渋滞もなく、というか、平日でもこんな交通量なの?
土日のツーリングと変わらない。
XLRは楽チンでぜんぜん疲れないんだけど、3時間走っているので意識的に小休止。

道の駅 賤母。
08:45
しかし、岐阜・長野は道の駅だらけだね。
きっとガソリンスタンドより多いな。
4月5月の田んぼのイメージなんだけど、たくさんの若いツバメ(へんな表現だな)が飛び交ってる。
食用になる虫は、もういるんだろうか?

ここはまた大勢の人間に囲まれて慣れてしまってるんだろう、1メートルほどの距離でも動ずる様子がない。
トイレは近くなるけど、この先水分補給もしないだろうから、缶コーヒーを1本。
あ、コーヒーは利尿作用があるから水分摂取にならないんだって?
そんなことはないと思うんだが。

遠くの山並みは真っ白。
あのあたりは4月末まであの姿なんだろう。
名古屋から115キロ。
既に4時間近い。
13時に入浴して、14時に出て…
帰着は7時頃か。
目的地に着く前から、帰りのことを考えて憂う。
09:25
そろそろ国道を離れなくては。
あれは何だろう?
水でも渡しているんだろうか。

周囲に人影がなくて、聞くことができなかった。
気になる。
09:50
昨晩、地図で周辺をチェックしたはずなんだが、もうすっかり忘れてる。

いいや、この道 行ってみよう。
森林鉄道があるんだ。
09:55

雪が見えたので入ったけど雪の下は草と泥。
タイヤは虚しく空転するだけで、動けなくなってしまった。
周辺の雪を手で掻いて、なんとか脱出。

日向は春。
でも日陰にはまだまだ雪が残る。

通行禁止の道も多い。

ワダチを走れば大丈夫かと思いきや、その両脇は凍結していて、ついた足がズリズリと滑る。
1キロほど進んだけど、下手をすると帰れなくなるな。
引き返そう。
10:30

ここはどこだろう。
お地蔵さんがたくさん並んでいる。
長野の近くは地蔵が多いと聞いたことがある。
10:45

山並みが美しい。
温泉開業まで2時間か。
入浴後に食事していたら、完全に日が暮れてしまうな。
早めのお昼にしよう。
11:00
道路標識に「上松」と「福島」が見えた。
上松駅へ。

昔、王滝森林鉄道で使われていたディーゼル。
小さな車体が可愛らしい。
11:20
原付に乗った年配の…
自分が言うのはおかしいか、
と挨拶。
このあたりで食事できる所はあります?
あぁ、あそこ。 和み。
この時間営業している店は、あそこだけですよ。
道中 お気をつけて。
ありがとうございます。
11:30

間口は狭いけれど、奥に長い いわゆる「うなぎの寝床」でけっこう広いお店。
間口の幅で税額が定められていた時代の名残ですな。
日替わり定食を注文。

具沢山の味噌汁が美味しい。
お帰り気をつけて。
ここでも女将さんから言葉をもらった。
12:15

無給油では名古屋まで帰れそうにないので、ここで入れておこう。
この隣のガソリンスタンドは寝覚の床だそうだ。
道の駅より少ないな。
リッター190円。
内陸だということとフルサービスなので仕方ないけど、うちの近所は160~165円だから、けっこう高い。
おおよそ40km/L。
ツーリング燃費は安定して、常にカタログ値を上回る。
12:25

開業時間より早めに到着。
時間まで近所の川沿いを歩いたりして時間を潰そ。
12:30
開店時間には駐車場に車3台。
みなさん入浴するのかと思ったら、飲料用に温泉を買っていく人が多いようだ。
成分が良く(良いの意味は分からないけど)かなり遠方の県からも求めに来る人がいるのだとか。

ロビーに置かれている温泉を飲んだでみたけど、独特な味。
ちょっと炭酸っぽいような。
お世辞にもウマイとは言えないけど、病気が治ると聞けば飲める…そんな味。

温度の違う湯船が3つ。
冷泉を沸かしていて、いちばん暖かい浴槽でも40℃に届くか届かないぐらい。
きっと湯治する人にとって良い温度なんだろう。
最初は入った気がしないと思っていたけれど、これが思ったよりいい塩梅。
湯の感触は、よくあるお肌すべすべツルツルではなくて、家で入る風呂に近い。
きつい臭いもしないから、温泉感覚を期待する人はガッカリするかな。
愛知県の額田からいらした同年輩の方と、温泉の話、友人の話、仕事の話。
聞けばぼくが以前勤めていた会社の隣の会社にお勤めだそうで。
何度か見学させてもらったことがあるから、お会いしていたかも知れません。
いろんなことを話しながら、小一時間。

川の側にベランダがあるので出てみると、ひんやりした空気が気持ち良い。
ふと横を見たら、離れた所からオーナーさんが両手で大きなバッテンを作ってる。
あらら、駐車場からスッポンポンが丸見えなんだ。
「外に出ないで」の注意書が剥がれてしまったそうで、放送事故になるところだった。
14時か、、そろそろ帰らないと。
ご一緒した人が先に上がり、
気をつけて帰ってください。
と声をかけてくれた。
若いオーナーさんが頑張ってる。

温泉沸かす燃料費に労力を考えれば、日帰り入浴なんかじゃ、とうてい収益にはならない。
いつか泊まりで来よう。
バイク、気を付けて帰ってくださいね。
今日は大勢の人たちに見送ってもらったな。
こんなことはなかった気がする。
それだけでも、今日来た甲斐があった。
さて、名古屋に帰りますか。
14:15
運転疲れか、温泉疲れか、マブタがくっついてしまう。
朝 寄った道の駅で、10分ほど瞬眠。

瑞浪市に入ると、雨がポツリポツリ。
予報より降り始めるのが早いな
16:30
ほどなく雨脚は強まり本降り。
冬のウェアは雪には耐えても雨には弱い。
1時間もすると、体中がジワジワと濡れてくる。
スウェットスーツみたいに温度を維持しているようで、気持ちは悪いけど寒くはない。
みよし市に差し掛かる頃には すっかり暗くなってしまった。
シールドについた雨粒が乱反射して、前の車のランプが頼り。
覚悟していた通勤ラッシュは、どこでどうやって回避したのか、まるで影響なかった。
19時前に無事帰宅。

18:40
大喜泉さんの湯船は狭くはないけれど、一度に入る人数を4名に制限しているので、大勢で出かけるには向いてません。
オススメしたい温泉だけど、マスツーリングや客が多いだろう土日はご注意。
湯治向けの湯の温度も、駆け足の旅では寒くなるだけです。
本日走行:343km(GPS距離:340km)
消費燃料:8.5L
全工程
大桑~上松 周辺
釜沼温泉周辺
通行できるかどうか不明の林道
