11月に入りましたが、関東地方では暖かい日が続いています。太平洋沿岸では鰤が大量だそう。北海道や東北では熊が人里に頻繁に表れています。いよいよ、進行する地球温暖化への対処が、国境を越えて喫緊の課題になって来ました。
10月は当初は猛暑、中頃からやっと秋になりました。そんなまだ「猛暑」だった10月1日、こちらを訪れました。きっかけは地元にある旧家について調べていた時。その近くに、こんなお店があることを知ったのでした。
駄菓子屋「福ちゃん」。
茶畑と住宅ばかりのロケーションに、こんなお店がポツンとあります。
何とも暖かい薄紫の外壁、軒下のテント、開け放たれた片開のドア、店頭の長いベンチ…。62歳はたちまち幼児に戻ってしまい、いつの間にかスルスルと吸い込まれてしまいました(笑)。
一歩店に入れば、そこは「子供たちのワンダーランド」!お子さんを連れて来たお父さん、お孫さんに同伴のおばあちゃんも満面の笑顔!ボクも含め、おとなも子供に還っていました!
こんがりラスク40円。オランダキャンディー35円。
ボクが子供の頃、単価2円とか5円、高くても10円でした。
そもそも半世紀前の値段とは比較する意味がありませんが、それでも安い設定。
子供たちは目を輝かせながら、貰ったお小遣いの範囲内で買うものを選んでいました。男の子は割と大雑把な選び方。くじ引きができるガムを買い、箱から三角に糊付けされた紙片を取り出して開けると、果たして一等賞!!おもちゃの鉄砲を手渡され、満面の笑顔。ボクもそうでした。お菓子よりも、くじ引きがお目当て。一方、やはり女の子は堅実。ご覧のように、電卓を弾いています。この子、将来はきっと「良妻賢母」!
今もはっきり覚えているのは、
「今日はスーパージェッターのメンコが当たりますように!」
「ウルトラセブンのポインターが当たりますように!」
透明プラケースに、球状のガムが一杯入った器械がありました。
大半は「青」で、所々に「赤」。
器械の下部にプッシュボタンと取り口が。お店の方に10円をお支払いし、ボタンを押すと一つ出て来ます。「青」はハズレ、「赤」はアタリ!
祈りながら、胸をときめかせながらボタンを押します。
微かに「コロン!」と音がし、1、2秒後に現れます。
そんな刹那にドキドキしながら取り口を「注視、注視、注視…」。
「青」だと、無言のタメイキ…。おそらく、泣きそうな顔だったと思います。
「赤」が出ると、それはもう「狂喜乱舞」!「ヤッター!」の連呼で万歳!
お店の方が、レジの下から沢山の金属片が取り付けられた、A3サイズ程度の厚紙を目前に出してくれます。さあ、果たして何でしょうか?
正解は、当時のプロ野球12球団のバッチ!
厚紙に幾つ取り付けられていたのかは分かりませんが、目見当で半分は読売。残り半分が11球団で、阪神や南海は結構な数でした。逆に少なかったのが、広島と西鉄。一枚のボール紙に1つか2つ。売り切れてお店の方が新たに仕入れ、まだ全て揃った状態の時に遭遇した時がありましたが、この時のものには上記2球団のものは最初からありませんでした。昭和40年代の東京の下町では、遥か彼方の地の球団は、ガキンチョ達に馴染みが薄かったのでした。全くの想像ですが、大阪の駄菓子屋さんでは阪神や南海が半分、広島では広島東洋、福岡では西鉄だったように思えてなりません。
当時、東京は王子の小学生男児の間でのステータスは、黄色い通学キャップの円周に、12個全てを輝かせることでした。やはり入手困難だったのは、広島と西鉄。この二つを持っていた子は、ほんの僅かでした。ボクも入手できず、ロッテを2つ加えて無理やり「12個」にしておりました…(笑)。
「ブタメン」がありました。
要は小さなカップ麺。
最初の製品「カップヌードル」発売は、ボクが中学生の時。当時の駄菓子屋さんにはありませんでした。これは35歳になる息子の、幼少期の好物。当時住んでいた保谷本町の「いなげや」で、見つけるとニコニコしながらカゴに入れていましたっけ…。
酢いかと都こんぶ。
どちらも子供時代の「おやつ」の中の「主食」!
帰宅後に都こんぶを開けると、当時は銀紙に包まれていたけれど、ポリ袋でした。時の経過と自身の老いを自覚しました。
これ、ご記憶の方は多いのでは。
口の周りが赤くなる「梅ジャム」!
甘酸っぱい絶妙の味わい、当時から駄菓子屋で男女を問わず大人気でした。
ところが去年、東京新聞の記事で、製造元のご主人が高齢になったこと、設備の老朽化のため、既に製造は中止されたと知りました。何とも寂しい限りです…。
という訳で、「主賓」のこどもたちが帰ってから、自分用に買い求めました。これだけ求め、総額709円。ご主人は700円にして下さりました。
お会計の際、ご主人の背後の棚に、ツウ好みのCDが並んでいることに気付きました。少しお話しをしました。
ご主人は70代、ビートルズ世代真っただ中。
以来、様々な音楽を聴き続けているそう。
最も好きと仰ったのが、ホワイト・ブルース!
ポール・バターフィールド、アル・クーパー、クイックシルバー・メッセンジャーサービス、ブルース・プロジェクト、マーク・ナフタリン…。現代では「なにそれ?」で終わってしまうミュージシャンのことで、話に花が咲きました。
こどもたちが去った甘酸っぱい匂いの店内で、「前期高齢者」同士で楽しいひとときでした!
駄菓子や 福ちゃん
埼玉県入間市上藤沢234
04-2962-4057
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駄菓子屋さん | グルメ/料理
Posted at
2023/11/03 16:59:24