(今夜(3月25日夜から26日未明にかけて)は月齢9日です♪)
え~~、今夜の月つながりのお題は「月のうさぎ」♪
日本では昔から月にはウサギが住んでいるとされ、平安後期に書かれたとされる「今昔物語」では以下のような説話が伝えられています。
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『猿、狐、兎の3匹が、力尽きて倒れている老人に出逢った。3匹は老人を助けようと考えた。
猿は木の実を集め、狐は川から魚を捕り、それぞれ老人に食料として与えた。しかし兎だけは、どんなに苦労しても何も採ってくることができなかった。
自分の非力さを嘆いた兎は、何とか老人を助けたいと考えた挙句、猿と狐に頼んで火を焚いてもらい、自らの身を食料として捧げるべく、火の中へ飛び込んだ。
その姿を見た老人は、帝釈天としての正体を現し、兎の捨て身の慈悲行を後世まで伝えるため、兎を月へと昇らせた。月に見える兎の姿の周囲に煙状の影が見えるのは、兎が自らの身を焼いた際の煙だという。』
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これはインドの仏教説話『ササジャータカ』の話が日本に伝わったものだそうですが、私はこのエピソードを手塚治虫の大作「ブッダ」の中で読み、とても印象に残っていました。
このようなインド神話、仏教説話とは別に、うさぎと言うと日本神話で有名なのが出雲の大国主命に助けられた「因幡の素兎(白兎)」の話ですね~♪
出雲神話や八岐大蛇、須佐之男命なんて古代神話の世界も大変面白いのですが、また脱線しそうになるのでまた機会があれば・・・(^^;
それにしても、日本で月に兎が住んでいると言われるようになったのはいつ頃からなのでしょうか?
飛鳥時代、 推古天皇が聖徳太子の逝去を偲び作らせたと言われる国宝の「天寿国曼茶羅繍帳残欠」(奈良県斑鳩の法隆寺に隣接する中宮寺所蔵)には、月が描かれその中の左側に両手を上げた兎と中央に薬壺、右に桂樹が描かれています。

(「天寿国曼茶羅繍帳残欠」部分)
これは古代中国において、月で兎が不死の薬を搗(つ)くと考えられていたものが日本に伝わり餅を搗くと変化したしたものと言われているそうで、満月のことを「望月」とも言うのは、「餅搗き」が変化した言葉なのだそうです。
してみると、日本で「月のうさぎ」が言い伝えられるようになったのは古代中国から仏教をはじめ色々な文物が取り入れられるようになってからのようですね~♪
それ以前の、大和朝廷が歴史に姿を現す前の古代神話の時代には、人々は夜空に月を見上げてその模様に何を重ね合わせていたのか興味の尽きないところであります♪
余談ですがw、日本の国旗は「太陽」を示す日の丸でありますけども、砂漠で生まれたイスラム教を奉ずる国々には面白いことに「月」をあしらったデザインの国旗が多くあります♪
これは、灼熱の砂漠地帯では太陽よりも夜空の月と星の方に親しみを持ったからではないかと勝手に想像してしまいます(笑)。そう考えると、イスラム諸国がいまでも太陰暦を用いている理由も何となく分かるような分からんような・・・?www
追記:
らくださんからリクエストを頂きましたパラオ共和国の国旗は満月をあしらったデザインです♪
彼の国は歴史的に日本と縁も深く親日国家として知られていますが、上記の国旗たちはイスラム国の括りで纏めていたので同じ月のデザインではありましたが抜け落ちておりました・・・(^^;
最後に、日本をはじめ世界各地では月の模様をどう捉えているのか簡単にご紹介♪
他にも、
中国ではうさぎが薬草をついている、天女、桂の木とうさぎ等々
アメリカでは女性の横顔、ワニ、トカゲ
韓国ではうさぎの餅つき
インドネシアでは編み物をしている女性
ベトナムでは大きな木とその下で休む男性
モンゴルでは嘘をつくと月の犬が吠える
オーストリアでは男が住んでいて、灯をつけたり消したりしている
カンボジアでは菩提樹の木の根元に座ったおじいさん
ラオスではおばあさんが足で踏む米つきでお米を挽いている
などなど、世界中の民話や神話と結びついて見え方も随分と変わるのですね~♪
そういえば、ウチの近くにある「調(つき又はつきのみや)神社」は狛犬の代わりに兎があることでも有名ですね~。調(つき)は昔の租庸調の調、貢ぎ物という意味とも「月」から来てるとも言われていますが、「ツキ」にあやかってギャンブラーの隠れたパワースポットなのだとか・・・(笑)

(「調神社」の狛犬ならぬ狛兎♪w)
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月・その神秘なるもの | 日記
Posted at
2010/03/25 00:36:40