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2012年03月18日

“良いクルマ”とは? その2 ~ヒトにとって気持ち良い、BMWとドイツ車~

この記事は、BMWの品質のお話。について書いています。

前回に続き、シリーズにして同じテーマでしばらく書いてみたいと思います。
今回も長いので、要点だけ知りたい方は一番下の太字をご覧ください(笑)


私が尊敬してやまないBMW。
それは何故かというと、“エンジニアの魂”をこれでもかと言うほど感じるからです。

それは、“Freude am Fahren(走る歓び)”という哲学と、それを叶えるための技術とこだわりです。

エンブレムにもなったエンジンもそうですし、最高のハンドリングバランスを示す50:50の重量配分もそう。どこまでもニュートラルステアで、微妙な操作に対してはスムーズに荷重移動し、オーバーステアも思いのまま。時代のニーズ&ランフラット採用により廃止になりましたが、E46までの前ロアアームボールジョイントという思い切りの良さもポイントです。(それについては過去の日記に書いてあるでよろしければ)

内装にもその精神は表れます。ドライバーオリエンテッドに配置された操作系もそうです。

各種スイッチ類の感触も良いのです。
…と思っていたら、トラックバック元の記事に有るように、明確に仕様が決まっていたようです。
スイッチ一つにもここまでこだわる当たり、BMWのエンジニア諸氏の魂を感じますね。



…さて、長い前置きを経てようやく本題に入ります。

上のスイッチの話は、「静的な定量値だけでなく、過渡特性を重要視している」といこと。
言い換えれば、“人にとっての心地よさを重要視している”ということ。

人は、“変化”を敏感に感じとり、時として不快に感じます。
ここが、BMWの“キモ”であり、“ドイツ車はやっぱり良いな!”と感じる根幹だと思うのです。

それを踏まえて前回のブログで取り上げた下のグラフを見てみましょう。

なぜドイツ車のアクセルが制御し易く感じるのか、明白ですよね?
人間の操作に対する、車の反応の“変化”が無いのです。

上のグラフはステアリングを回した時にも当てはまります。
ドイツ車は回した分だけ車がスムーズに曲がります。
一方で日本車は例外なく、途中から急に曲がる速度と手応えが速まり(上がり)“変化”します。

そしてこれは、乗り心地にも言えます。
特にGolfに乗ってらっしゃる方は感じると思いますが、小入力でも大入力でもスムーズにしなやかに「スッ」と衝撃を吸収してくれます。それがとても心地よい。一方で日本車の大多数は、ある時は「ガツン!」と強いショックが有り、ある時はブルブルと震える時も有り、有る時はヒョコヒョコフラフラ。乗り心地の“変化”も大きいのです。

この、“変化を抑えたスームズさ”が、日本車とドイツ車を大きく分けていると感じます。


しかし人間の感じる一定とは、上のグラフの直線の様な「物理的な線形性」とは異なるのです。「試験機にかけて直線のグラフを得られてオッケイ!」というワケにはいかないのです。そこが難しい。
だからこそ、そこに多くのコストをかけたかどうかで、車の良し悪しが決まると思うのです。

ですから「気持ち良いクルマ」を作るのに根本的に必要な要素は三つ。

①人間工学の観点から、「真の気持ち良さ」を追及する
②個々の要素において過渡特性を制御し“変化”を抑える
③個々を組合わせた車全体で過渡特性を制御し“変化”を抑える


この三つが重要ではないか、と感じる今日この頃です。


…ちなみに完全に私の主観ですので、「それはおかしい!」というご指摘等有ればぜひ下さい。

【関連記事】
“良いクルマ”とは? その1 ~代車を通して考える、日本のモノづくり~
“良いクルマ”とは? その3 〜本質的な良さ、ドイツ車〜
“良いクルマ”とは? その4 〜内装・メーターに必要な要素〜
ブログ一覧 | “クルマ”について考える | クルマ
Posted at 2012/03/18 20:47:57

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この記事へのコメント

2012年3月18日 22:18
長い。結論は先に書け。
コメントへの返答
2012年3月18日 22:27
すんません(笑)
ちょっと削りましたw
2012年3月18日 22:23
こんにちは。

私も
過渡特性は非常に重要だと考えます。

ステアリング保舵力、操舵力、ヨーレート、横加速度などなど、、、、、

ただ、最近の3シリーズは、横加速度がリニアではないように感じますね。
コメントへの返答
2012年4月14日 18:00
それは私も感じています。

BMWとしても凄く努力されてるのを感じますが、ランフラットが難しいのだと思います。

その乗り心地の硬さを消すために、ゴムブッシュを相当柔らかくよく動くようにしています。かつそのブッシュによるフワフワ感を低減するためにステアリングを重くしていました。

が、3シリーズも新しくなり、ランフラットも改良されてきているので、今後に期待したいですね!
2012年3月19日 1:22
E46って、見栄えという意味の高級車というよりはパーツにこだわりすぎて高くなっちゃった、的な車だと感じます。ZF,ゲドラグ、ザックス・・・そりゃ高くなるよね、と。
それが出来る故にあの精度感なのでしょうが。

あ、そうそう、ルノー良いですよ。
精度は絶対的に劣りますが、限られたコストの中で真面目に作ってあります。
ドイツと方向性が違って面白いですよー。足のストローク感がドイツと違う感じです。
カングーも良いし、おそらくスポール系も楽しいはず(こっちは固いでしょうが)。

プロとして是非評価してみてください。
と、E46乗りがなぜかルノーを推してます(笑
コメントへの返答
2012年4月14日 18:21
確かにその表現がぴったりですね。
内装・外装は特に煌びやかなデザインが好きな友人からは「カローラ!!」と言われてますが(笑う)、駆動系・足回りの剛性間と精度の高さ、正確無比な動きにいつでも感動しております。

フランス車も興味有るんです!楽しそうですよね!まだ乗れていないので、早く乗るようにしてみます。
2012年3月19日 19:29
勉強になります。

今度は、韓国車を評価して、
教えて下さい(笑
コメントへの返答
2012年4月14日 18:22
韓国車自分も乗ってみたいです(笑)。

でもヒュンダイもキアも、シンガポールでもアメリカでも沢山走ってました。タクシーで助手席&後席に乗った感じでは、悪くないですよ。内装の質もそこそこだし、日本車とほぼ同等に並んでると感じました。
2012年3月19日 22:12
①〜③まで言ってる事一緒だろ。
今の日本人にとって気持ちいい車はアルファードだよ。
どこでもドアが出来て初めて、車に求めるモノが運転の楽しさとかになるだろうね。
コメントへの返答
2012年4月15日 18:20
いやーちょいと違うんすよ。俺の言いたい気持ち良さってのは、便利さや楽しさとは違うんす。

②と③も地味に違ってて、②が達成されててもその集合となった時にトータルのバランスを考えた特性にせんと③にもならんのよ。

日本だとなかなか運転の楽しさって大切にされんよな~。
2012年3月19日 22:33
仰る意味はわかりますが、根本的という意味合いで言うと、過渡特性を生かし制御できるだけのベースがあるかないかが、大きな分かれ目なのではないでしょうか?日本車でも過渡特性の制御はしていると思いますが、制御しきれていなかったり、ごまかしの制御になっているような気がします。
欧州車には制御できるだけの骨太の骨格・素性の良い設計が根底にあるので、個々を組み合わせた時のバランスがとりやすいのだと思っています。
コメントへの返答
2012年4月15日 20:55
ありがとうございます。まさしくその通りと思います。骨太の骨格とベース、素性の良い設計が有るからこそ、過渡特性を緻密に制御ができる。

ですが、あくまでもそれは結果としてそうなっているのだと思います。「過渡特性を良いモノにするにはどうすべきか?」そこの試行錯誤の末に、素晴らしいベースが出来上がったのだろうなと。

逆を言えば、過渡特性を真に重要視していないからこそ、日本車はベースが脆弱なのだろうと…。
それはボディやアシに限らず、上記のようなアクセルバイワイヤの制御にも現れてるんじゃないかなぁと思うのです。過渡特性の制御を小手先の帳尻合わせとしか考えていないように感じるのです。。。
2012年3月22日 23:23
ゲインが高いってのはわかります
スロットルは小排気量ほど腹立ちます!!

代車に乗ってるときに交差点で前の車にカマ掘りそうになったのは内緒です(笑)
コメントへの返答
2012年4月15日 20:57
ですよね!
小排気量のクセしてやたら元気良いなと思ったらその後はアレ…?みたいな(笑)

自分も代車のアクセラ、最後まで発進に手こずり、ギャップを踏んだ拍子にアクセルぶれて加減速しまくりでした(笑)
2012年3月24日 20:34
BMWの動的性能の良さは際立っていますね。価格・居住性・部品のライフぐらいしか欠点が思いつきません。

けれどVWもアウディもFR作るとBMWのようになるのだと思います。

それは両者が同じ部品メーカーを採用していることが多いからで、最終セッティングは部品メーカーの意見を採用する傾向が強いことを意味します。

一番手を汚している人が直接クルマを評価する。このヨーロッパ的な職人気質の環境のもと、製造方法・材質・特性バラつきなどなど机上の検討では到底追いきれない経験がパーツメーカーにあり、完成車メーカーに指示をだせるぐらい技術力が高い。
部品の製造までは知見が少なく狙いの特性があったとしても作れるかどうか分からない完成車メーカーに対して、部品メーカーは今までの経験を体系的に理解して作れるもので最善の組み合わせを導き出す。特にダンパー&ブッシュなんて顕著ですね。


約50年遅れてスタートした日本の完成車メーカーはコストダウンだけ部品メーカーに指示をしてをカロッツェリアとしての素養を育てて来なかった。部品メーカーの経験からの生まれたてアイディアを汲み取らなかった。少なくとも自分の駐車場で試乗テストをしているダンパーメーカーにテストコースぐらい提供するべきだと感じています。
マレちゃんがあげている3つの優れた要素は部品メーカーが生み出した技術であり彼らが一番詳しいのかもね。けどまだ経験的に行き着いただけで理論的にやってないところだと思う。
ザックスとかゼットエフとかビブラとか、うちの愛車にも付けたいですね~
コメントへの返答
2012年4月22日 17:46
返信大いに遅れてしまいました!すみません!

とてもタメになるお話をありがとうございます。まさにその通りなのでしょうね。。。

部品メーカーの嘆きとして、「新しい技術を提案しても、メーカーはコストダウンの事しか言及せず採用してくれない」とか、ダンパーメーカーでは「もうあと40~50円コストを緩めてくれればザックスなどと並ぶ特性を出せるのに」という話が有るそうです。

もし日本の部品メーカーにも素晴らしい技術とノウハウが存在しているのだとしたら、それを引き出さず表に出さずのカーメーカーの罪は重いと感じてしまいますね。。。

ぜひまた詳しくお話聞かせて下さい!

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