2012年04月21日
最新ディーゼルの素晴らしさに感動した(笑)
結構時間が経ってしまいましたが、CX-5に試乗させてもらった感想を書いておこうと思います。
元々自分はディーゼルエンジンが好きなんですよね。
何故好きなの?と聞かれると困るんですが・・・強いて言えば太いトルクとあのディーゼルノック音、それと大型トラックに憧れてるので自然とそのパワーユニットに惹かれた・・・というトコでしょうか。
石原都知事の衝撃的なペットボトル会見から一転、国産ディーゼル乗用車はほぼ全滅状態まで追い込まれましたが、近年排ガス技術の著しい向上のお陰でポツポツ復活し始めたところ。
特に自分が気になってるのが日産のエクストレイルと最近登場したマツダのCX-5。
まずはマツダのDラーに向かい、CX-5に試乗。
相変わらず画像は一切ありませんが・・・
内外装は結構よく出来てる。 最安グレードだと200万少々のお安いクルマだけど、内装もそれなりに統一感があり、ぱっと見の印象は良い。 細かいトコはそれなりに手を抜いてあるものの価格を考えれば納得出来るレベル。
外装デザインに関しては正直いまいち好きになれない。サイドから見るとハリアー(現レクサスRX)のように見えるし、フロントマスクの目つきは全体のイメージから浮いている。
まぁこの辺は好みの問題なので・・・
いざ乗り込んでドラポジ調整。 着座位置が高いおかげで全体の見晴らしがいいのがまず好印象。
シートはリフターが備わっているが、そこまで低くはならない(←当たり前)けど特に気にならない。
ただ、ランバーサポートの張りが弱いので長距離走行はしんどそうなのと、座面の角度があまりついてないので腰がずれていきそうなのが気になる。
ステアも含めて割りとドラポジは合わせやすかった。
続いてリアシートの居住性&ラゲッジスペースの確認。
自分がドラポジを決めた状態でリアシートに移動・・・少々足元が狭い。 足を組もうとすると必然的にフロントのシートバックに干渉してしまう。 かと言って、リアシートは前後・リクライニング共に調整出来ないので我慢するしか無いのが残念。
ラゲッジスペースも狭い。
リアシートをフルフラットにすればそれなりに積めるが、そのままだとさすがに箱物程度しか無理。
リアオーバーハングを短めにしたお陰で見た目は軽快感が出たけど、積載量は確実に削られた。
この辺はデザインをとるか実用性をとるか難しいところだと思う。
エンジンを掛けてみると思った以上に静か。車外で聞いているとそれなりに「コロコロ・・・」と聞こえるが、欧州のガソリン直噴エンジンでも結構騒がしいのもあるので、それらに比べれば静かと言える。
試乗コースは営業マンの配慮で比較的長めにとってもらえました。
早速公道に出て少し踏み込んでみると「グアッ」と抑えめに吠えると同時にスルスル加速。
クルマの動きが軽いのにまず驚いた。
試乗に際してCX-5の事は全く頭に入れておらず、車両サイズや排気量(当然トルクや馬力も)がどれ位なのか知識は空っぽ状態。
同乗の営業マンに車重を聞くと、試乗車は4駆で1620kgだと言われた。
この時はよく分からなかったが、同格他車のSUVに比べても数十kgは軽い・・・ただ、この軽さは車重よりも2.2リッターで43kg近くトルクのあるエンジンと、いやにレスポンスのいい6ATのお陰か。
23号線に出てもう少しだけ踏み込んでみた。 先程同様「グアッ」と大人しく吠えるとグウッと加速。
それなりに他車の流れも速い中、一気に流れをリード出来る。 一言で言うとお世辞抜きに「速い」。
それにこのエンジン、妙に軽く周る。 レブはディーゼルにしては高めの5000rpmオーバー、しかもそこまで一気に回る。 さすがに4000rpmを超えた辺りから少し重くなってくるものの、従来のディーゼルエンジンとは別物。
試乗車はまだ1000km少々しか走ってないので念入りに慣らしをすればもっと軽くなってくれるかも。
アシは少々硬めだが、角は丸められているのでそんなに乗り心地は悪くない。 けど、やたらとバタバタするのが気になるので試乗後にタイヤサイズを確認してみると225/55/19と結構な大径サイズだった為、乗り心地優先なら敢えて18インチ位に抑えておく方がいいかもしれない。
先日の86同様CX-5も電動パワステらしいが、こちらも特に違和感なし。
最近の新型車は燃費面でのメリットがあるという事で油圧→電動にどんどん変わりつつあるが、新しいモデルが出る毎にどんどん自然な操舵感になっていくのが面白い。
ちなみに、試乗車の平均燃費は11.9km/L。 遠慮ない乗り方をされるクルマにしては良い方か?
ボディーも大きい割に結構強い様に感じるが、内装関連が少々ビビリ音が出ていたのは気になる。
総じて、とにかくエンジン&ATの出来の良さにビックリ。
ボディーやアシもそんなに悪い印象は無かったし、思い切ってこういうクルマでもいいかな・・・と思わず心にも無い事を考えてしまった(笑)
その後、ディーゼル同士で比較したくなり日産のDラーへ。 次はエクストレイルに試乗です。
しかし日産はディーゼルの試乗車が全然無く、色々探して桑名に1台だけあるという事が判明。
マツダは今回のCX-5で結構な台数のディーゼルをDラーで用意していますが、この辺の両者のスタンスの違いが気になります。
※日産は2008年に今回試乗したクリーンディーゼルを発売。当初は6MTのみで2010年に6AT追加。
登場当初はディーゼルの試乗車も多かったのかな?と思いましたが、営業マンのハナシでは当初から試乗車も殆ど用意してなかったそうで、今回マツダの姿勢に結構驚いている様子でした。
内外装は正直CX-5に比べると安っぽい。
デビューが早いというのもあるんだろうけど、元々このクルマのコンセプトが「シゴキ倒す道具としてのクルマ」だからある程度は割り切るべきか。
しかし、ドア内張りの肉厚が全然無くて一度試しに叩いてみたら「ベンベラベン」という音だったのにはちょっと参った(苦笑
ドラポジは割りと出やすい。 ボディーはスクエア形状で見切り良く、初めて乗るクルマだけど車幅感覚も分かりやすくていい。
運転席でドラポジ出してリアシートに乗り込むと、明らかにCX-5より足元が広い。 足組みもこちらは楽勝。 更にこちらはリクライニングも可能なので、リアシートはエクストレイルが圧勝。
ラゲッジスペースも広い。 その分リアオーバーハングは長めだが、自分は見た目重視のクルマより中身優先のクルマが好きなので全く問題なし。
リア周りのデザインも何となくレンジローバーっぽいデザインで自分は好き。
エンジンを掛けて車外で聞いてみると明らかにうるさい。 音質的には「ガラガラ」まではいかないまでも「カラカラ」という音が結構響く。
アイドル時の騒音ははっきりとCX-5の方が静か。
いざ試乗開始・・・で、いきなりクルマが重い。
CX-5同様エクストレイルもデータは全く頭の中に無いので、試乗しつつ同乗の営業マンに質問。
CX-5とは違いエクストレイルは4駆のみ、6ATディーゼル車は車重1690kg。
エンジンは2リッターでトルクは37kg少々と、CX-5に比べると少々重く少々トルクが細い。
今回は比べる相手が悪かった・・・エクストレイル単独であれば充分満足出来るレベルだと思う。
しかし、こちらもよく回る。 ちょっとだけ全開加速してみると「ムオッ」と唸ったかと思うと一気に5000rpmオーバー、回そうと思えばもっと回りそうだったがちょっとヤヴァイ速度まで達したので止めといた。
6ATもいいが、キレはCX-5の方が良かったように思う。
ただし、乗り心地やロールスピード等アシは全般的にエクストレイルが良かった。
走行中の車内騒音もエクストレイルの方が静か。 特にエンジン音は車外で聞いた音量が嘘のように静かになり、ディーゼルノック音も殆ど聞こえない。
CX-5は車外では意外と静かなものの走行中はそれなりに聞こえるのとは全く逆。 おそらくエンジンルーム・バルクヘッド周りの騒音対策の違いだと思うが、一般ユーザーはやはり走行中静かな方が好みではなかろうか。 ちなみに自分はどちらでもいい(どちらも好き)。
試乗車で走行距離は1500Km程、平均燃費はCX-5より更によく13.8km/L。
ただ、試乗コースはCX-5の時よりも更に長距離を乗れたのでその辺は多少考慮に入れた方がいいかもしれない。
残念だったのは試乗中絶え間なく内装類が「ギシギシ、ビリビリ」とうるさく、ボディーの剛性感が著しく低かった事。 もちろん生産車全てに当てはまる事象では無いと思うが、こういった部分はもう少し力を入れて対策して欲しい。 個人的には大幅減点。
考えてみればエクストレイルに乗るのは今回が初めてでしたが、今まで自分が抱いていたのは良くも悪くも「道具としてのクルマ」という印象でした。
試乗してみてその考えは間違ってない事が確認できましたし、決して悪いイメージでは無いんですが、強いて注文をつけるなら内装関連の建てつけ剛性を上げて欲しい・・・と感じました。
まぁ早いハナシが「異音・ビビリ音にもうちょっと気ぃ遣えよ」という事(苦笑
他メーカーのSUVがモデルチェンジを繰り返す度にどんどん大型化・高級化していくのに辟易しているユーザーにとって、エクストレイルの様な存在は大事だと思うので、これからも現在の価値観を大事にしていって欲しいと思います。
今回最新のディーゼル車に乗ってみたいという事で2台試乗させてもらった訳ですが、とにかく強く印象に残っているのは両車のエンジン&6ATのコンビ。
日産も良かったけど、特にマツダは近年では稀な位鮮烈な印象でした。
あの加速とエンジンの柔軟さは、一度体感するとなかなか忘れる事が出来ません。
しかもヘタなガソリン車よりもよく回り、思った以上にレスポンスもいい。
6ATはショックレスで至極快適、シフトダウンも瞬速。
あんまりにも印象が強烈で、未だに記憶を反芻しております。
ガソリン・ディーゼル問わず、あれだけエンジンの存在感を楽しめるという事は滅多にありません。
そういった意味でも個人的にこのパワートレインは「傑作」だと思います。
惜しむらくは現在マツダの新車ラインナップの中では、その傑作パワートレインをCX-5でしか味わえないという事。
これが残念でたまりません。
しかし、次期アテンザではおそらく最初からディーゼル仕様が出てくるであろう・・・というハナシを営業マンから聞いて少し楽しみが増えました。
個人的には現行のアクセラあたりに載せてみたらどうか?と思うんですけどね。
駆動はFFのままディーゼル搭載となると、現状で一番車重・前後バランスが近そうなのはマツダスピード(2.3Lターボ・FF)。
これが1450kgなので、もう少し重くなったとして1500kg前後か・・・さすがにフロントヘビー過ぎて前後バランスは悪そう。
4駆にすればもう少し前後バランスは良くなるだろうけど、当然車重も増える。
なかなか難しそうですね(汗
最後に・・・マツダはクリーンディーゼル売り込みの為か、CMで「欧州では環境の事も考えてクリーンディーゼルが選ばれています」と繰り返し強調しているが、そんな欧州=環境問題重視というスタンスは(特にクルマの場合)ほぼまやかしであった事はちょっと調べれば分かる事。
いいかげんああいった欧州に右倣え的な事は止め、せっかくの珠玉のディーゼルエンジンの魅力をストレートに伝えられる戦略に切り替えていって欲しいと感じます。
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Posted at
2012/04/21 11:59:43
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