
あっという間に12月ですね。
年末年始に増加する犯罪として、ひったくりがあります。
ひったくり犯が犯行時に利用することの多いオートバイ(※)。
機動性も良くて犯行やその後の逃走には有用でしょうね。
ということで、どうしても年の瀬が押し迫る前に書いておきたかったブログをアップします。
(※)
4 街頭犯罪・侵入犯罪抑止総合対策
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h17/hakusho/h17/html/G3010400.html
> 大阪府警察では、府下で発生したひったくりの約7割がオートバイによる犯行であることから
一応自分もバイクに乗りますので、
「もし自分がオートバイでひったくりを実行するならば…」
という、犯罪者の観点から書いてみたいと思います。
(今後、自分もひったくり犯になります、とは書いていない。ここ大事!)

まず、バイクのスロットルは、右・左、どちらの手で操作するか、ご存じでしょうか?
ひったくるため、ターゲットに近づくとき、
ひったくった後、急いで逃げるとき、
スロットル操作が必要ですが、それはどちらの手でするのでしょうか?
バイクに乗る人には簡単すぎる質問ですね。
御覧のように、
スロットル操作は右手です。
だからこのブログのタイトル画像のように、右側を歩く歩行者にバイクで左側から近づくと、ひったくり直後の速やかな加速はできないんです!
バイクは速度が落ちれば直立しにくく、速度が出れば安定します。
ひったくり犯はできるならハンドルから右手は離したくない!
ひったくる左手の腕力に加えて、右手でバイクの加速力も使える。
なので、どうせ狙うなら、左側を歩く歩行者から奪う方が省エネです。
はい、ブログタイトル、
路地を歩行中にバイク使用のひったくりに遭うリスクを高める方法
とは、
路地の左側を歩行することです。
ひったくりに遭いたくなかったら、路地の右側を歩行しましょう。
特に、歩道・車道の間に縁石やガードレールや柵がなく、
路側帯がない、路側帯の線が引かれているだけ、なんて道路では
絶対に右側を歩きましょう。
もちろん、ショルダーバッグなどは車両の通るのの反対側の腕で。
つまり道路の右側を歩いて、ショルダーバッグはたすき掛けして右側に持つ。
道路交通法でも
「歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(略)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。」
と定められています。
路側帯がないか十分な幅員 (※) がない場合は法により、仮に十分な幅員があっても、前述のように路側帯の外側(つまり歩行者の歩く場所)へ容易にバイクが入り込めるような場所では、絶対に右側を歩きましょう。
なんでこのブログを書こうと思ったかっていうと、最近、そのような細い路地で、左側を歩く人が増えたように感じているからです。
某Yahoo知恵遅れでも「
道の左側を歩いていたら『歩行者は右側を歩け、法律で決まってるだろ!』って老婆にキレられましたが、そんな法律あるんですか?!」というようなのが少し前に少しだけ話題になりました。
いやいや、歩道車道の間に縁石がないような路地で左側歩行は危ないよ、後ろから脇見や居眠り、年末年始に増えそうな飲酒運転の車やバイクが近づいてきても、左側歩行じゃ、はねられるまで気づけないよ? っていう場面をよく見かけるようになったから。
この前なんか、都内某所、小学校の先生・複数人と思しき人が引率する、小学生の列(50名程度?)が反対方向から堂々と左側を歩行してきて、こちら (道路の右側端に寄つて通行) と次々とぶつかりそうになりながらすれ違ったんですけど、学校でいったい何を教えているんです? 交通安全教育しないの? って思うような場面がありました。
この道、老若男女問わず、なぜか左側通行の歩行者が圧倒的に多い。細い道だけれど、もちろん時々、自動車やバイクも走ります。
そこは縁石もない、ガードレールや柵もない、そもそも路側帯もないような、場所により幅員2.5~3.5mくらいの路地での話です。
こういう路地で夜になったら、バイクが (道路交通法に従って) 左寄りに走ってきても、何ら違和感を抱けないしょう?
それが例えひったくり犯のバイクであっても。
でも、もし右側を歩行していて、そこにバイクのヘッドライトが自分の歩く方を強く照らして近づいてきたら、「あれっ、何? なんか変だよ?!」って後ろを振り返ったりもするのでは? そうなればひったくりに遭わずに済むかも。
【実例】
日吉本町1丁目でバイク使った「ひったくり」発生、暗くなったら背後に警戒を | 横浜日吉新聞
> 港北警察署の発表によると、日吉駅から
道路左側を歩行中の被害者が、
右後方から接近してきたオートバイに乗車した犯人に
右手で持っていたバッグをひったくられたといいます。
というわけで、縁石もないような路地でバイク使用のひったくりに遭いたくなかったら、(道交法でも定めているように) 右側を歩きましょう!
以下は必要と思う人への便宜で引用したものなので、
基本はスルーで良いです。
道路交通法
> (通行区分)
> 第十条
> 歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。
(十分な幅員とは?)
道路交通法施行令
https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000270/
> 5 法第四条第一項の規定により公安委員会が車両通行帯を設けるときは、次の各号に定めるところによるものとする。
> 一 (略)
> 二 歩道と車道の区別のない道路(歩行者の通行の用に供しない道路を除く。)に車両通行帯を設けるときは、その道路の左側端寄りの車両通行帯の左側に一メートル以上の幅員を有する路側帯を設けること。ただし、歩行者の通行が著しく少ない道路にあつては、路側帯の幅員を〇・五メートル以上一メートル未満とすることができる。
交通規制基準
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/kisei/mokuteki/kiseikijun/240726kiseikijun.pdf
> 3 道路標示「歩行者用路側帯(108の3)」
> (1) 幅員は、原則として1メートル以上とし、道路又は交通の状況によりやむを得ないときは、0.75メートル以上とするものとする。
ひったくりへの対策|日本損害保険協会
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/bouhan/hittakuri.html
> ポイント バッグは車道の反対側(建物側)に持つようにしている
> 徒歩で被害のあった方の約6割はバッグ等を車道側に持っていました。*平成24年 警視庁データより
> バッグは車道と反対側(建物側)にしっかり持ちましょう。
>
> ポイント 肩掛け式のバッグは、たすき掛けにして持つようにしている
> 肩掛け式のバッグはたすき掛けにするか身体にぴったりと付けて持ち、ベルトを握りながら脇を締めて歩きましょう。
本ブログ内のイラストは
illustACさん に登録されているものから使用させていただきました。ありがとうございます。