
余りアクセスの多くない拙ブログの中でも、未だにかなりの数のアクセスがある、技適の無いTPMSに関するエントリ。(下記、関連リンク)
そういった背景もあり、これ迄も関係機関に対し、ECサイト上に於ける実態等、情報提供・連携を続けて来ました。
その様な中、総務省で行なっている試買テストのページにて、(問題のある) TPMS製品 が記載・公表されました。
※タイトル画像出典
https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/monitoring/illegal/result/r02_02.pdf
誤解しないでいただきたいのは、TPMS (Tire Pressure Monitoring System、タイヤ圧監視システム) 自体が電波法違反な商品なのでは無く、電波法上、総務大臣の免許がなければ使用できない無線設備を TPMS に使用し、法令に詳しくない消費者に対し安価に売り捌き、利益を上げている者がいる、というところです。

ですから、無線を使った直接式のTPMSであっても、例えば私も使用している
オレンジ・ジャパンさんの製品 のように、しっかりと技適を取り、安心して使用できる製品も勿論あります。
なので、これはTPMSに限ったことでは無く、例えば、Bluetoothを使った自撮り棒ですとか、無線操縦のラジコンやドローン、赤ちゃんやペットの見守りモニターやチャイム、落とし物防止・発見装置など、世の中には様々な無線を利用した製品があって、その中にはかなりの数の問題商品がアマゾンなどで販売されていて、消費者はそうした背景も余りよく分からぬまま、購入し、使用し、ご本人も認識しないうちに電波法違反を犯している、という状況が見られることです。
話をTPMSに戻しますと、使用することが電波法違反となる恐れのある (問題のある) TPMSと技適回りについては、以下の4パターンを確認しています。
(1) そもそも
技適のないTPMS (←中華製で圧倒的に多い。)
(2) TPMS用として有効な技適があるが無線設備に
技適マーク・番号が表示されていない (←数は多くない感触。実際に電波を発射する無線設備そのもの技適マーク・技適番号を表示する(外箱や取扱説明書に技適マーク・技適番号の表示をすれば、無線設備への表示は免除する場合の例示として挙げられているものに、TPMSは馴染みません。) )
(3) 技適は確かにあるのだけど、その
無線設備の種別 (TPMSと言った用途) には使用できない技適 (←総務省の技適検索で確認することが出来ます。)
(4) 技適は確かにあるのだけど、
実際には異なる周波数を使用する製品(←測定器で実際に観測しない限り、総務省の技適検索をしただけでは商品の違法性を見破れません。)
※下に行くほど見抜くのが難しい。
このほど公表 (更新) された、総務省の試買テストのページから抜粋してご紹介します。
> 電波法に基づく免許等が必要な無線設備については次の(別紙)をご参照ください。
> 令和2年度掲載分(第2次)
(https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/monitoring/illegal/result/r02_02.pdf)
> 電波法に基づく免許等が必要な無線設備
|
> 整理番号 用途 型式・名称 記載されている製造業者等の名称 測定周波数【MHz】 測定された電界強度の最大値【μV/m】 基準値※【μV/m】 購入時期 JANコード
|
> R2-072 TPMS 記載なし 433.920 9,057.3 35.0 令和2年11月 -
> R2-073 TPMS Shenzhen
Jansite TechnologyCo., Ltd. 433.920 1,692.4 35.0 令和2年11月 -
> R2-074 TPMS 記載なし 433.920 9,057.3 35.0 令和2年11月 -
|
> ※「
R02-047、51、52、65、
73」
技適として認証されておりますが、認証された周波数と実際に送信されていた周波数は異なり、基準値を超える電波の発射を確認しています。
※赤字、下線は筆者による。
問題のあるTPMSをブログで、また、みんカラのまとめで記事として公開して以降、これまでにかなりの数のご参照をいただきました。
恐らく参考にしていただいたのだろうな、というYouTube動画なども色々な方がアップされ、この問題への理解が広まって来たことをとても嬉しく思っています。
そんな中、下記のブログを拝見しました。
ブログに記載されている内容から、インターネットで "TPMS 技適" 等で検索し、拙ブログもご覧いただいたのでしょう。
(2019/07/23)
TPMS(タイヤ空気圧監視システム)は違法? | ZIL520 CRUISEで日本一周
(2019/09/17)
TPMS(タイヤ空気圧監視システム)は違法? <追記> | ZIL520 CRUISEで日本一周
実は当方、無線設備等の点検を行なう際に使用する機材ですとか資格を有しておりますので、近県でしたらこちらから伺って、電波の発射状況を実際に見せていただいたり、キャンピングカーで全国を回られると言う事でしたら、お近くへお立ち寄りの際に確認作業をさせていただくこともできるかと思います。
※観測の結果によっては、使用されている無線設備を取り外し、電波を発射しないような対処をその場でお願いすることになるかもしれません…。
そういう訳で、今回、使用することが電波法違反の恐れのあるTPMSが公表されましたが、公表分以外にも公表されたものとほぼ同じようなTPMSがアマゾンなどで多数販売されています。
そうした問題のある製品を購入し、それこそみんカラ上で、パーツレビューやブログとして紹介されている方もいらっしゃいます。
無線従事者の資格や無線局開局等なしで使用できる無線設備とは、微弱な無線局か、特定無線設備などです。ですので購入の際には (微弱な無線設備に自主規制として付している) ELPマークが有るか、或いは、特定無線設備であれば、有効な技適マーク・技適番号の表示があるかを確認するようにしてください。
今回の公表分にあるような、技適マークもある、技適検索したら確かにその機種が出て来る、技適検索で表示された (無線設備の) 種別も問題ない、けど実際に出る周波数は技適に記載されたものとは異なるなど、こんなもの、
詐欺行為でしかないのですが、しかし測定器をお持ちでなければ、それに気付くこともなく、詐欺行為もばれない、と、高を括っているのでしょう。
こうした悪徳業者・悪質セラーがほぼ野放しとなっているのが、今のアマゾンや楽天・Yahoo!をはじめとした日本のECサイトです。
なので、「ん~、これ、なんか怪しいな」と思ったら、セラーに問い合わせる、或いは信頼できるセラーからのみ購入する、などされると良いのではと思います。
「既に注文して届いちゃった、使っちゃった、でも技適マークないんだけど…。」
「技適あったけど、このブログで名指ししてるブランドだった…。」
という場合、アマゾンからの購入であれば、
迷わず返品・返金の流れで。内容によりけりですが、(通常の) 返品期限30日を過ぎてしまっていても全額返金を受けられる場合もあります。
当エントリが皆様のご参考となれば幸いです。
関連リンク:
(2018/02/04)
「違法なTPMSが公然と売られている!」8086のブログ | Mitsubishi GALANT-E39A - みんカラ
(2018/06/18)
「433.92MHz」8086のブログ | Mitsubishi GALANT-E39A - みんカラ
(2018/08/05)
TPMS(直接式)の内、日本国内での使用が違法となる虞のある物のリスト|クルマいじり|まとめ|みんカラ - 車・自動車SNS(ブログ・パーツ・燃費・整備)
(2019/09/25)
「433.92MHz、再び」8086のブログ | Mitsubishi GALANT-E39A - みんカラ
検索用:
#技適厨 #工事設計認証 #技術基準適合証明 #相互承認協定 #MRA #RFID #433MHz #Jansite
Posted at 2021/05/27 16:30:44 | |
Parts of the cars | クルマ