
少し前のブログ、
高速での合流、「ジッパー法」って知ってますか? に
頂いたコメントへの返答 で、
> ジッパー法、これが皆さんにどんどん浸透して、JARTICのサイトの、首都高の合流箇所にだけ現れる赤線を見ないで済むようになるのが夢です!
と書きました。
今朝、題材としてちょうどよい状況がありました。
タイトル画像、首都高C1内回りと2号の合流する一ノ橋JCTにご注目ください。
一ノ橋JCTを先頭に、C1内回りは混雑(橙色、緑線で(1)の箇所)、2号上りは渋滞(赤色、緑線で(2)の箇所)しています。
一ノ橋JCTでの合流を済ませたC1内回り(緑線で(3)の箇所)には、混雑も渋滞もありません。
前回同様、(粘性や圧縮を排除した) 単純な流体モデルで考えてみます。
C1内回り、(1)の箇所は2車線あります。
便宜的に、1車線当たり、1秒間に最大1台通過できるとすると、
2車線では最大2台/秒の車両が通行できます。
2号上り、(2)の箇所は、C1内回りへ合流するのは1車線です。
便宜的に、1車線当たり、1秒間に最大1台通過できるとすると、
1車線では最大1台/秒の車両が通行できます。
C1内回り、(3)の箇所は2車線あります。
ここは、一ノ橋JCTでの合流以後となります。
C1の車線数は合流前と変わらず2車線ですので、
最大2台/秒の通行ができます。
面白いのはここからです。
一ノ橋JCTへの流入・流出の、車線数による最大スループットは、
(1)最大2台/秒 + (2)最大1台/秒 = 最大3台/秒 > (3)最大2台/秒です。
JCT前の方が通行が可能な最大スループットが多いのに混雑・渋滞があり、
それよりも最大スループットの少ない筈のJCT通過後は混雑も渋滞もないのです。
混雑してたり、渋滞してたりした車が、JCTからどこかへ消えてしまうことはありませんから、このJCT前の混雑・渋滞は、単に合流がスムーズに出来ていないことが原因です。
つまり、本来であれば、JCTに近づく前に、各車が適切な車間距離を保ち、秩序正しく、ジッパー法で合流していれば、発生しないはずの混雑・渋滞なのです。
追記:
一ノ橋JCTへの流入・流出台数は (車が蒸発しない限り) 一致します。(当たり前)
以前のブログでも書いたように、流体では、Q:流量 A:断面積 V:流速に於いて、Q=A・Vですから、一ノ橋JCTへの或る瞬間の流入は、合成車線数で(2+1=)3車線、流出は2車線で 流量:Qは合流の前後で変化しません。
若し、車線数が2/3に減ったら、その分、速度を3/2に上げれば、流量:Qは変わらない、ということです。
そして、首都高の、この一ノ橋JCTの合流後に、2車線で渋滞が発生しない交通量しかない(まだ飽和してない)のに、JCTの合流で混雑・渋滞を発生させてしまうのは、この時に、この箇所にいたすべてのドライバーによって生成される「仮想ドライバー」が下手糞だということで、その下手糞ドライバーを構成しているのは「一人一人のドライバー」だということです。
だから、一人一人が今よりも車間距離を取るだけで、仮想ドライバーはうまくなり、混雑・渋滞は解消できるのです。
それから、ここを良く通られる方はよくご存じだと思いますが、この一ノ橋JCTは第2(右側車線)に合流します。右側の方が早いと思って飛ばす方も多いのでそこに合流することになります。
タイトル画像の、JCTに流入するC1内回り(本線)は橙色、2号上りは赤色です。日々の状況から推察するに、2号上りはほぼ停止状態、C1内回りは左車線は少し流れ、右車線は2号上りと同じ速度まで実効速度が低下という状況でしょう。
この箇所での渋滞解消には、C1内回りを進行する車は事前になるべく、第1(左車線)を通行するようにする、第2(右車線)を進行する車は、車間距離を広めにする。2号上りから合流する車は、C1内回り(本線)の車列の間隔を見て、十分加速しながら、間に合流する。
このとき、C1内回りも2号上りも、ジッパー法で、秩序正しく、1台ずつ、交互に合流するようにする。
これで本来、発生させなくても済む、混雑・渋滞は解消できると思います。
Posted at 2015/09/08 03:30:47 | |
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