
皆さん、バイスタンダーってご存知ですか?
バイスタンダーとは、救急現場に居合わせた人のことです。
私は今日、
JMRC東京ラリー部会 主催の上級救命講習会で、東京消防庁の救命講習(自身は再度の講習)を受けました。
上級救命技能認定証には、「救命技能を維持向上させるためには定期的な講習が必要です。3年以内に再講習を受講してください。」とあります。
実は、2009年の暮れ、自宅のすぐ下の交差点で尋常ではない大きな音がしました。通路から外を覗くと、交通事故が発生していました。(この事故は死亡事故となった)。私は、自宅玄関にいつも張り付けてある人工呼吸用のマウスピースと携帯電話を持ち、防寒着を着て、すぐ道路へ下りました。この時点で、バイスタンダーとして居合わせた訳です。それでも事故発生から既に2分は経っていたと思います。
すぐに119(イチ・イチ・キュー)番通報、タクシー後部座席でシートベルト未着用の乗客、2名が傷病者。1名は意識あり。1名は事故の衝撃で後部座席から前方に投げ出され、フロンロガラスに頭部を強打して、意識無し、自発呼吸も無し。
この自発呼吸無しの傷病者を、事故当事者の内の1名であるタクシー運転手さんと2人で車から降ろし、すぐにCPR(CardioPulmonary Resuscitation:心肺蘇生法)を開始。
※ガイドライン2010の出される前の出来事です。
すぐ後に、たまたま通勤途中に通りがかった看護師さんも駆けつけてくれ、2人でCPRを継続。その時、現場には多くの見物人がやって来ましたが、中には「おい、動かさない方がいいぞ」「触らない方がいいわよ」と言ってくる人はいても、傷病者を蘇生しようとしている私たちに、「胸骨圧迫を交代しましょうか」「何か出来ることはありますか」と声を掛けて来るような人は誰もいませんでした。遠巻きにひそひそやっている人が殆どです。(後で、あれが現実か、と思った。)
救急車到着までの間、CPRを継続します。でも救急車がなかなか来ない。
※この日は、1年のうちでも特別な日ですから、救急車の出動も多かったと思われます。都内には救急車が、一体、何台あるかご存知ですか? 実は思ったほど多くないのです。ですから、不要不急の状況での救急車派遣要請は止めましょう。
今迄に救命講習を受けた事のある方はお分かり頂けると思うのですが、若しこの救命講習で学んだことがなければ、恐らくあの場で私は、何も出来なかったと思います。それでも、果たしてあのときの自分の対応は十分だったろうか、もっとこうすれば良かったのではないか、と、後で思い悩むことも多かったです。
2011年の講習会が震災により中止、2009年の講習から3年目となる講習会はどうしても日程調整が出来ずに受講出来ませんでしたので、その後は、youtube動画を繰り返し見て、「ガイドライン2010」を反映した処置を反復学習していました。
その様な訳で、今回の講習は、何としても受講したかったのです。
上級救命講習は、普通救命講習とは違って、丸一日掛かりの講習にはなりますが、今回は今迄に上級救命講習を受講したことのある参加者(再度の講習者)が多く、より実践的な講習となりました。やはり、こうした手技は、仮に知識として知っていても、それを実際に現場で、迅速に、適切に対応出来るかは別問題だと思いますし、この様な機会を継続的に与えて下さる、JMRC東京ラリー部会には本当に感謝しております。

なお、今回より、前回までの蒲田消防署に代わり、文京区の小石川消防署が会場となりました。
貴方が、そして貴方の大切な人が、いざという時に生きるか死ぬか、後遺障害が残るか否か、それは、その場に居合わせた人が適切な処置を即座に出来るか否かにかかっています。
一人でも多くの人が、当然のこととして BLS(Basic Life Support:一次救命処置)を行なえるようになる事を願ってやみません。
Posted at 2013/03/24 23:58:34 | |
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