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■2025クラゴン部屋開催日程■ ※途中です

 1月 8日(水) 筑波1000稽古(午後)
 2月 4日(火) サーキットのために其之壱in筑波(1日通し)
 2月 9日(日) 筑波弐千稽古(午後)
 3月 4日(火) サーキットのために其之壱in筑波(1日通し)
 4月予定     クラゴン部屋 春場所(3日間予定)
 6月24日(木) 筑波雨錬(1日通し)
 6月予定     クラゴン部屋 夏場所(3日間予定)
 7月       暑そうなのでお休み
 8月       とても暑そうなのでお休み
10月予定     クラゴン部屋アレ場所(3日間予定)
12月予定     鈴鹿稽古(午後)

もてぎロードコース、SUGO、鈴鹿などまだ追加します。

エントリー、詳細はこちらへ⇒ドラテク鍛錬場クラゴン部屋

クラゴン親方のブログ一覧

2009年05月06日 イイね!

「ブレーキを残す」という都市伝説

「ブレーキを残す」という都市伝説前の都市伝説から2か月も開いてしまいました。久しぶりの都市伝説です。

今回のテーマは「ブレーキを残す」について。

コーナー進入で曲がりやすくするようにフロントに荷重を移すために使う、とされているポピュラーな手法のようです。それが果してホントにいいかどうかっちゅー話ですな。

この手の話の前提条件としてはちゃんと速く走れる人が言っていることであること。遅い人が「ブレーキを残すのがいい」といっても、ブレーキ踏んでばっかりだから遅いでしょ、という話になってしまいますので。ちなみにレースの世界では地方選手権のチャンピオン程度では速いとはいいません。

ブレーキを残す効能とされるものについてまとめてみましょう。
・フロント荷重になる。
・フロントタイヤのグリップが上がる。
・フロントの反応が良くなって曲がりやすくなる。

こんなところでいいでしょうか。

ところが…です。


■摩擦円
タイヤの能力には限界ってもんがありまして、ブレーキを残す=コーナリング中にブレーキを使うと、タイヤの曲がる力をブレーキに使われてしまうんですよ。これを摩擦円理論といいます。

だからブレーキを残している時点で限界のコーナリングは不可能です。

ブレーキ→コーナリングに移行していくに従って、ブレーキを弱めてタイヤの力をコーナリングに使えるようにする。摩擦円でいえばコレが正解です。


■フロント荷重
フロント荷重っていうものアヤシイ話で、フルブレーキングが出来ていればもう前荷重になっているはずです。ブレーキングにタイヤの力をフルに使っていれば、そこからコーナリングをするためには、「ブレーキを抜く」方向の操作しかできません。

ブレーキを残したことで曲がりやすいと思った経験がある人は、まずフルブレーキングが出来ていないんじゃないですかね。


■クルマの安定度
クルマ全体の挙動で考えても、コーナリングとブレーキングを同時にするというのはとっても不安定な状況です。

ブレーキを残すというのはわざとその不安定な状況を作って曲げるというテクニックらしいので、コーナリングの成功率は下がりますよね。それを毎回成功させられるからプロなわけで、普通の人がチャレンジするにはハイリスクでしょう。

そもそもクルマが不安定だと高い速度でコーナーに入っていけないから、それだけでも遅いと思うんですけど。


■実はただの旋回制動
あとはただ単に旋回制動をしていることを「ブレーキを残す」と言っているような気もします。

レースをやってる人なら、人よりもいかに遅くブレーキを踏むかはとっても大切。その遅く踏んだブレーキの帳尻を合わせるのが旋回制動なんですよ。腕の差が出るところでもあるので、強調して説明する人もいるでしょう。そこを真に受けると「ブレーキを残すのが速い」みたいな話になっちゃうんじゃないかな。

ここでのブレーキを残す=「減速」です。荷重のコントロールがメインじゃありません。レイトブレーキングが前提の話なので、もちろんハイリスクです。

速度と荷重の両方のコントロールをしてるのに「ブレーキを残す」だけで片付けちゃうのはあまりにも雑な話だとオレは思います。


■フロント荷重にしないでアンダーは出ないか?
コーナリングの失敗は、ほとんどがオーバースピード。その次がステアリングの切り遅れ&雑なステアインによるスリップアングルのつきすぎ。速度とターンインのポイントを誤った自分の判断を反省しましょう。


■まとめ
いやいや素晴らしいまでの見事な都市伝説っぷりじゃないですか。あんまりホントのこと過ぎてコメントが少なそうですが(笑)。

好き勝手に書いておりますが、ドライビングスタイルは千差万別で、例えば2006年のF1でミハエル・シューマッハとフェルナンドアロンソが全く違う乗り方をしていたように、唯一無二の正解はありません。

そのアロンソは、タイヤがブリヂストンになったマクラーレンでは、ミシュランだったルノーとは全く違うドライビングをしてました。どっちもこの目で観たから間違いありません。

クルマによってドライビングが違うのは当然だし、タイヤやセッティングによってもドライビングは変えるべきものです。


クラゴン部屋で指南しているドライビングは、クラゴン自身が過去4年間で5回ニュルブルクリンクに挑戦し、そのレースではじめて乗るマシンで大雨でも夜でも一度もクラッシュせずに、クラス準優勝を獲得したドライビングです。

今がベストだとは全く思いませんが、ローリスク+ハイリターンなドライビングは、けっこう得意な方だと思いますぜ。

ブレーキを残す、なんてやってたらニュルなら4キロ地点でアウト。1周なんて無理ですよ。そのへんまで含めて、自分に必要なドライビングを考えてもらうといいんじゃないですかね。

「ブレーキを残す」だとか「バランススロットル」だとか、安易な小手先のテクニックひとつに頼ったところで、本質から遠ざかるばかり。そういう意味では「ブレーキを残すってホントのところどうなんですか」という弟子が増えてきたのはとってもウレシイことです。

ブレーキを抜いて曲がるあの感じを体感してもらえば、一発で迷いがなくなることでしょう。

こればっかりはクラゴン部屋に来ないとわかんないけどね。
Posted at 2009/05/06 16:00:25 | コメント(7) | トラックバック(0) | 都市伝説 | クルマ
2009年02月27日 イイね!

ハイブリッドの都市伝説


ハイブリッドカーといえば話題のアレ。ナウなヤングにバカウケの売れ行きだそうで、クルマ関係は景気の悪い話ばっかりだったことだし、いいことじゃないですか。

でも目玉の燃費がハイブリッドシステムだけのおかげかというと、ちょっと疑問なんだな。

まず「燃費がいい」というのが前提のクルマだということ。各誌のレポートで仕事で乗ってるみなさんは燃費を良くする乗り方を知ってるはずだし、普通の人でも燃費を気にして丁寧にアクセルを踏めば、それだけで燃費は向上するもんです。

「少し荒く乗ればリッター20kmを切る」という話をオレは聞いています。誰も言わないけど。

それに空力が良ければ燃費は良くなるし、タイヤの転がり抵抗が少なくなっても燃費は良くなる。摺動部のフリクションをなくせばやっぱり燃費は良くなるわけで、クルマ全体で燃費を稼いでいると考えるべきでしょう。

空力とフリクションはともかく、タイヤなんてグリップしなきゃしないほど燃費がいいんだから、燃費と引き換えに危険なクルマになってるんじゃないかと心配です。乗ったことないから知りませんが。

この時代に売れるためだったらそこまでやるでしょ。

いつか来るバッテリーの処理は? ハイブリッド車を1台造るのにCO2がどれくらい出るのか? それは燃費の良さで取り返せる数値だろうか? ガソリン代の話じゃありません。環境の話です。

もしかしたら、リッター12km走るインテRに乗り続けたほうが、環境への負荷は少ないんじゃないか、なんてことも思うのですよ。ボロくなったパーツを交換して、サーキット走ってオイルも換えればタイヤも買うんだから、経済的にも貢献しまくりじゃないですか。

そもそも環境をウンヌンするんだったら、みんな黙ってマニュアル車に乗るべき。2ペダルMTとも呼べるごく一部のオートマ車をのぞいて、マニュアル車に乗り換えるだけでCO2の排出を減らすことができます。みんな言わないけどさ。

ニュルに行ったとき、個人所有のクルマはもちろん、空港のレンタカーまでマニュアル車ばっかりで、現地の人に聞いてみたんですよ。

そしたら「マニュアル車に乗るのは環境にいいからだ」と言われました。ドイツ人はすごいね。オートマの自走式物置が溢れる日本は恥ずかしい。自分の都合しか考えていません。

だから燃費のいいマニュアル車に長い間乗り続けると、環境にもいいってことにな………らないかなあ(笑)。


今はエコが商売になる時代です。エコだといえば、何でも許されるほどの流れが来ていると思います。エコという免罪符を振りかざす企業の言うことが本当かどうか、真贋を見極める目と知識を持たないと、エコ商売にひっかかることになるでしょう。クルマだけの話じゃなくてね。

まあ自己満足に金を使うのは勝手だけどさ。


エコは専門分野じゃないからまあこんなもんでいいでしょう。

個人的な意見としては、オレは自動車のパワーソースが電気化していく(妙な表現だな)のに賛成です。地球の高温化は予断を許さず、ハイブリッド車は誰でもエンジンをかけた瞬間から貢献できる。素晴らしいことじゃないですか。

そしてインサイトが売れれば、さらに次の技術を開発することもできるでしょう。ハイブリッドは現在一番環境に貢献できそうというだけで、過渡期の技術のはずです。

みなさん意外だと思うけど、オレは電気モーターには全く否定的じゃないんですよ。だってもともとラヂコンやってたから(笑)。

エンジンから電気モーターになることで、ドライビングプレジャーが損なわれることはありません。こうなると、モーターってだけでエコのチンタラ走るイメージがつくほうが後々困ることになると思うんだけど。

実際に電気自動車を使うとなると充電をどうするとかあるけど、そんなのはそれこそ技術者が考えることだから。ガッツリ考えてもらいましょう。プロにおまかせです。

だからハイブリッドでエコだエコだと言ってないで、とっとと電気だけで走るクルマを作ってほしいな。エコなんか気にしないでいい、モーターの持つスポーツ性を最大限引き出したクルマが出ることを祈っています。

もちろん前が見えるクルマでよろしく。


関連情報URL : http://kuragon.net
Posted at 2009/02/27 01:09:58 | コメント(2) | トラックバック(0) | 都市伝説 | クルマ
2009年02月21日 イイね!

ベストラップの都市伝説

ベストラップの都市伝説

ちとやることが多くて時間が開いてしまいました。みなさんお待ちかねの都市伝説の時間です。今回の都市伝説はベストラップ、広い意味ではタイムの向上について。現役ドライバーだからこそ言える都市伝説をお届けしましょう。

「ベストラップ更新した」「タイムアップした」その反対も含めて、サーキット走れば良し悪しは別にしてタイムが出て、そのタイムで一喜一憂する人は多いでしょう。オレもニュルに行けばそういう立場です。


タイムっていうのは本来とっても判断が難しいものです。サーキットは地球にあって、地球には環境の変化がある。雨も降れば風も吹くし、気温の上下もクルマに大きな影響を及ぼします。というのが大前提。

レースの話をすると、レースでは多くのマシンが一度に走ることで、路面のコンディションが良くなって、練習では全く出なかったようなタイムが出ます。いわゆる「路面にゴムが乗る」というヤツです。

そんな千変万化していく環境の中で可能な限りマシンの限界を引き出し、同じレギュレーションで人よりタイムを出すからこそ、レーシングドライバーなんてプロ制度もないアヤシイ職業がみなさんに認めてもらえるわけです。

だから同じサーキットでも日によってタイムが違うなんて当たり前。タイムの上下がそのまま上手い下手の差だと思っているなら、それは間違いです。

レースでは練習で何秒出そうが、順位のつく予選と決勝で人より速くなきゃダメ。それはイコールコンディションでなければ意味がないとみんな知っているからです。雨が降ったらベストラップは当然更新できないけど、ウエットのポールポジションはドライ以上にオトコの証明だったりするし。

真夏のレースなら当然タイムは出ないし、仙台ハイランドは路面の影響で予選よりも10秒近く遅いペースになったんだけど、無線で「これ以上プッシュするとタイヤが終わるんですけど」「みんなこんなもんだからOK」なんてことがあったなあ。

レースでの速さとは同じルールかつ同じ環境で人より速いことなのですよ。


一方、走行会などでのタイムとは、大まかに「運転技術向上の目安」でしょう。

タイムが上がるのはうれしいことだし、サーキットで出来た友人とタイムを競うのも楽しいでしょう。「レースがはじまったのは、この世に自動車が2台できたときからだ」(出典忘れました)なんて言葉もあることだし。

たーだーし! 「タイムだけ」を追いかけてはダメなんですよ。それはつまり上に書いたように「環境」が変わるから。前提条件が違えばタイムもヘチマもありません。タイヤが減っても気温が変わってもタイムは変わります。タイムなんてそんなもんですよ。

そこんところを無視して「ベストラップ更新」なんて喜ぶのは有害あって一利ナシ。ただの勘違いです。気のせいです。

そもそもベストラップ自体がいい加減な場合もあるんだよね。

例えばコーナーひとつでコンマ2秒の誤差がある人の場合、1周で10個のコーナーがあるとしたら、10個全部イマイチだったら2秒のロスで、5個イマイチだったら1秒のロス。

でも5個イマイチといっても、毎周同じコーナーってことはありません。1コーナーは上手くいったけど2コーナーは失敗したとか、次の周はその反対に1コーナーは失敗したとか、毎周誤差があったりなかったりしながら、1周のタイムとして数値化されるわけです。

そーすると、いい走りをした周にタイムが出たっていうよりも、いっぱい走った中でたまたま失敗の少なかった周がベストラップってことになりませんか。それじゃ実力というよりも確率の問題じゃん。数撃ちゃ当たるってことね。

そんなんで喜ぶのもアレだし、何よりタイムが出なかったときに落ち込むのがもったいないよね。もともと走るだけで楽しいはずなのに、タイムが出なかっただけで全部否定されちゃうなんてアホな話です。

なぜそうなるかというと、それこそが数字という「記号」が持つ魔力、まさに魔の力なんですよ。

人間はハッキリ白黒出るだけで、それがいかにも論理的で正しいモノのように感じてしまうものです。タイムアップとスキルアップを混同している人は、そんな記号の魔力にとらわれてしまっているのですよ。

サーキット用のサスキットやSタイヤを買う財力を自分のドライビングスキルだと勘違いして、行きつく先は高すぎる維持費と、しかもサーキット以外は不快で走れないクルマです。だからバランスを考えない軽量化もダメだし、エアコンを外すなんてもってのほか!

だいたいクルマを速くしてタイムが上がるのは当たり前じゃん。タイムが出なかったら恥ずかしいだけ。喜ぶとかいうレベルの話じゃありません。

クルマは物理の法則にしたがって走るもんですから、モノのタイムアップはいずれ限界が来ます。最初のうちはタイムが上がるとしても、いずれ頭打ちになります。際限のないタイムアップは100%あり得ません。

頭打ちになったところで維持費がツラくなるか、無理してタイムを出そうとしてクラッシュして終了。よくあるパターンです。それってクルマを楽しんでるとは言えるんでしょうか。

タイムに捕らわれずに「楽しい」とか「乗りやすい」とかを一番大切にできるのが、自分のクルマでサーキットを走ることのメリットだと思うんだけどね。レーシングカーに乗ってるオレが言うんだから間違いないって。どうでしょうかみなさん。

だからクラゴン部屋でいつも言ってるのは、タイムアップはドライビングで。スキルアップの結果としてタイムは自然に出るものです。

上手くなるってのは、つまり高いコーナリングスピードでコーナーをクリアできたりすることでしょ。ブレーキだって短時間だパシッと決められれば、早く加速に移ってタイムが上がると。

無理をしなきゃ危なくもないし、何よりチューニングと違ってドライビングを変えるのはタダだから(笑)。

好きで始めたクルマ遊びなんだから、長く楽しくやりましょうってことで。タイムだけでクルマをウンヌンする人の話は、人面犬もしくは口裂け女の話だと思って聞き流すのが吉です。

関連情報URL : http://kuragon.net
Posted at 2009/02/21 02:18:37 | コメント(2) | トラックバック(0) | 都市伝説 | クルマ
2009年01月27日 イイね!

若者のクルマ離れという都市伝説

FRの都市伝説は過去最高のアクセスをいただき、なかなかの反響でした。

都市伝説といいつつ、そういえばオレが乗ってるロードスターもBMW318CiもFRでした(笑)。さすがオレ。でも別にFRだから選んだわけではなく、それぞれ目的があって、その中で操縦性がいいのを選んだらFRだったってだけなんだけどね。だから書いた通り駆動方式としてのFRの優位性は間違いありません。

でもやっぱりFRなら何でもいいとは思わないな。実はロードスターと318でもまたちょっと違うんですよ。


さて、今日の都市伝説は若者のクルマ離れという都市伝説。

同じ意見の人は多いと思うから、あんまり面白い話にならないかもしれません。まあとりあえず行きましょう。都市伝説というよりも実際にはもう離れてるのが事実かもしれません。ただ、若者が勝手にクルマに対する興味を失ったような雰囲気に見えるとしたら、まさに都市伝説といえるでしょう。

興味を引けるようなクルマを作れなかった、金と時間を使って維持するだけの価値を提示できなかった、その結果として興味が他のものに移るのを止めることができなかった。そこを考えないといけません。自分の価値観を押し付けるだけじゃ「最近の若いモノは」というお年寄りの文句と同じ。問題を解消するには世代間格差を考えることです。

じゃあ何が問題かというと、単純にクルマが高価になったことが大きな原因ではないかと思うんでございますよ。

○F9(1989年)…155万円 1010kg
○G6(1991年)…162万円 1050kg
○K4(1995年)…169万円 1080kg
○K9(1997年)…199万円 1070kg
○P3(2001年)…220万円 1190kg
○D2(2007年)…283万円 1270kg

あるモデルをこうして並べてみると、○F9の155万円なんて激安ですな。○K4までと比べたら○K9は高いけど、ここからがタ○プRです。○K4を買ってチューニングすることを考えたら○K9の199万円は超お買い得だな。そこから○P3を経て現行の○D2に至ると。

ここで考慮しなきゃいけないのは、対衝突安全やボディ剛性を上げるために車重と経費が増える要素があるということ。だからとにかく軽くて安きゃいいというのはとっても言いにくいことではあります。質を高くするには金がかかる。そしてクルマには携帯電話とは違って、高い安全と質が要求される。大変な話です。これがクルマを作る側の話。

一方、買う側の話もしなきゃいけません。オレもクルマを買う側です。

果たして今のワカモノのバイト代は、20年前よりも100万円高いモノを買えるだけ上がったか。新入社員の給料は上がっているか。そこが問題です。ご存じのようにごく一部の例外をのぞいて思いっきり下がってるわけで、○D2に限らず諸費用入れて300万円の買い物を多くの若者にしてもらえるかというと、いくら質を上げているといってもちょっと無理だと思いませんか。

衝突安全もボディ剛性もつまるところクルマを作る側の話です。ユーザーのために造ったものであっても、それをいくらで売るかはメーカーが決めることです。一方、持ってる金を携帯電話に使おうが、カノジョとのデートに使おうがそれは消費者の自由。今はゲーム機もあるし遊びには事欠きません。若者がロックンロールとバイクを目指した頃と違って、今はクルマにとって強力なライバルばっかりなんですよ。

高い値段で手が届きにくい存在にしておいて、さらに家族向けを強調する実質移動式物置ばっかり造って、しかも他に遊びはいっぱいあるのに、若者がクルマに興味を持つと思ってたらそりゃ馬鹿にしすぎってもんでしょう。

ちょっとがんばれば手が届いた世代が、自分の若い頃を思い出して若者のクルマ離れが、なんて言っても残念ながら無意味なんですよ。今はそうじゃないんだから。

ではどうすればいいか。

軽くて衝突安全をクリアして、しかも安いクルマを作る技術を開発する。そして若者の収入に合ったクルマを造る。その結果として発生する乗り越えなきゃいけない問題は、技術者のみなさんに知恵をふりしぼって乗り越えてもらおうじゃありませんか。それが仕事なんだから。初乗りマシンで1周目からニュルを全開で走って、しかも地元のドライバーとタイムを比較されるよりは無理難題じゃないでしょ。

カッコだってスポーツカーじゃなくていいけど、例えばインテやシビックくらいはスポーティに見えないと。ハッキリ言ってコンパクトクラスなんか若者が乗るカッコじゃないので、FィットとかVィッツとかMーチとかDミオは安いじゃんなんてくっだらない意見は却下。

クルマにしかない魅力は間違いなくあります。今大切なのは手が届くようにすること。こんな時代だからこそ、今までにない手法で取り組むべきだとオレは思います。

欲しいクルマを買える値段で出してくれれば、好きなヤツは勝手に遊び始めるんだから(笑)。

クラゴン部屋には若者はいます。資金も時間も制限される中、出来る範囲でクルマを最大限楽しんでいると思います。オレにできることは走る場所を提供すること。走るクルマはメーカーに提供してもらわなきゃ。

現在唯一の解決法が中古車を買うことです。

インテR、シビックR、ロードスター、RX-8もいいな。NCのロードスターなんて現行型なのに150万円以下ですぜ。S2000だってちょっと古いのなら200万円で買えます。実はZも200万円でギリギリ行ける…のもあるかも。

こういうのをディーラー系の中古車屋さんで買って、延長保証を3年くらいバリッとつければ(付くんですよ)、クルマ離れしない程度の予算でクルマ遊びをできることでしょう。

Posted at 2009/01/27 01:14:58 | コメント(8) | トラックバック(0) | 都市伝説 | クルマ
2009年01月11日 イイね!

「腕を磨くにはFR」という都市伝説

「腕を磨くにはFR」という都市伝説ひさしぶりに都市伝説の時間です。

今回はDPCOTYに関連して「腕を磨くにはFRという都市伝説」にしましょうか。ミニバン…の都市伝説にはけっこうなアクセスをいただき、みなさん楽しみにしていただいてるようですし。ひひひひひ。

腕を磨くには、練習をするにはFRというのは、一度は聞いたことがあるでしょう。そして実際にそう思って選択肢からFFを外した人もいることでしょう。というオレ自身もそうで、最初のクルマはMR2でした。ミッドシップだけど後輪駆動ってことで。

だけど今となっては全くそんなことは思いません。それについて解説しましょう。

FRには、ミッション&デフの搭載位置による重量バランスの良さ、アクセルでリアの滑り(=ヨーレート)をコントロールできる、というメリットがあり、一方FF車は、重量物がフロントの車軸より前になりやすいため重量バランスが悪く、しかもフロントタイヤが駆動も操舵もしなきゃいけないので、不用意にアクセルを踏むとアンダーになりやすいなど、デメリットが多いです。これは事実。現実から目をそむけてはいけません。

だけど、それと腕を磨くのは別。FFのアンダーステアがイヤでFRのオーバーステアはいいの? どっちもアクセルワークが雑なのに? それじゃあ上手くなるわけがありませんな。

まあFRが有利だというのはいいでしょう。WTCCだってBMWはウエイトを重くされています。これはそのまんまFRの優位性と考えてもらっていいと思います。

が! クルマっていうのはそれだけじゃありません。ボディ剛性だったりサス剛性だったりジオメトリーだったり、そもそも重心、車重、全長、全幅、エンジンまでぜーんぶ影響があるわけで、駆動方式だけでクルマを論じるのは無理です。

ダメなFRと良く出来たFFだったら絶対に良く出来たFFのほうが上手くなります。ダメなFRを具体的に書くのはアレだから知りたい人はクラゴン部屋で。乗ってる人がかわいそうだから。ハンドリングが悪くて剛性がなくて重くてエンジンがオタンコナスでギアレシオがマヌケなクルマが、FRってだけでドライビングを磨けるとは完全無欠に思えないな。

そんなことよりもレスポンスのいいクルマに乗ることです。ドライビングの良いところ、悪いところ、どちらもキッチリ反映してくれるクルマに。操作に対する反応が良ければ、クルマの挙動を感じやすく、結果としてクルマの挙動を感じようとするようになります。反対に、反応が悪いと相談する気がなくなるのが人間だから、運転はどんどんヘタになっていくと。


■FF究極のドライビング
あとは乗り方でしょう。FRの乗り方でFFを乗ろうとすると、ただのアンダーステアで終わります。そのへんをつかめないとね。具体的にいうと、ヨーを多めにつけてコーナーに進入し、アクセルONでわずかなアンダーを出すことでヨーを収束させつつ維持し、ゼロカウンターのまま立ち上がればバッチリ。ヨーの出にくい低速コーナーでは、立ち上がりでステアリングを切っても大きなロスではないでしょう。要約すると進入でオーバーステア気味に入れば、立ち上がりアンダーで帳消し。要約しすぎた。

つまりFFの方が修正が効かないぶん、進入速度や姿勢にシビアで、よりピンポイントなドライビングを要求されるということです。このヨーコントロールができない人が「FFはダメだ」と言っていたら、その人がFFを乗りこなせないだけ。意見を聞くに値しません。

FRのほうが自然に、あるいは直感的に乗れるといえるかもしれませんが、ドライビングっていうのは、走れば時速30kmしか出ない人間が1トン以上の物体を高速で動かす、非常に高度なコントロールです。FRだったらできるとか、FFだったらできないとか、そういうレベルの話でもありません。

本当に上手くなりたい人は、ぜひイバラの道を選んでください(笑)。インテRは修行に最高ですぜ。実際にクラゴン部屋でもインテRを手に入れてグッと伸びた弟子が何人もいます。


FRがいいっていうのは、ドラテクを伝える立場の人が、年代的にFR世代っていうのもあるのかもしれません。例えばKPスターレットやハチロクが入口だったりするわけじゃないですか。そうすると「やっぱりFRだよ!」となりやすいのかも。

オレ自身はカートからミラージュカップ→シビックレースときて、S耐のS2000で初めてのFR車だから、特に苦手意識もなければ、どちらかが得意だとも思っていません。好き嫌いがあっちゃプロとはいえませんが。

パーフェクトに乗りこなす難しさはどちらも同じだし、大切なのは駆動方式じゃなくてクルマとしての良さ。それにFRが好きならFRでいいし、FFが好きならFFでいいじゃないですか。自分はFFでもいいのに、どーでもいいヤツに「練習にはFRだよ!」とかいってカスみたいなクルマを買わされちゃう人がかわいそうでさ。

都市伝説に惑わされずに本当に欲しいクルマを買いましょう。
Posted at 2009/01/11 00:15:55 | コメント(3) | トラックバック(0) | 都市伝説 | クルマ
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「NDロードスターRF乗った http://cvw.jp/b/450001/48584939/
何シテル?   08/06 15:23
趣味はドライビング鍛練、特技はドライビング指南のクラゴン部屋親方です。 ※「クラゴン/KURAGON」はクラゴンの登録商標です。 主な実績 ■シビ...
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