3月14日、3月にしては暖かい陽気でした。
クルマの温度計を見ると、外気温15℃前後。
天気が良く、穏やかな一日と言いたいところですが、震災後の緊張感は今日も緩めることができません。
計画停電の影響で、出勤時間は10時半、営業時間は11時~16時でした。
計画停電によって鉄道も大きな影響を受けたようで、道路も混雑が予想されました。
いつもよりだいぶ早めに家を出て仕事場に向かい始めたのですが、クルマを走らせて5分もしないうちに渋滞。地元の道路がこんなに混雑するとは、夢にも思いませんでした。
「こりゃ仕事場に行くこと自体が危ういな・・・」なんて思いながら、現状を上司に電話で連絡。
ところが、この渋滞の原因は、遥か先にあるガソリンスタンドで給油を待っているクルマの列であることが判明。1キロ以上手前から並んでいるとは・・・。
すぐに列を追い越すようにクルマを走らせると、そこから先はどうってことなく仕事場へ向かうことができました。
開店前のモールの入口には、スーパーと電気店(←当方の勤務先)で買い物をする人の列が既にありました。
11時、開店。
単1乾電池と懐中電灯と耐震マットとラジオとガスコンロとガスボンベと乾電池タイプの携帯電話チャージャーが売り切れで、配達手配ができない、修理訪問の日にちも目処が立たない、しかも16時に閉店するという非力な電気店ですが、多くのお客様が乾電池等を買いに来てくれました。
やはりこの仕事は、ライフラインの一端を担っていることを肌で感じました。
16時、閉店。
ラジオが完売すると、ラジオ機能が搭載された家電製品が売れていました(ラジカセ等)。それらの商品を売場に補充し終え、計画停電とガソリン給油に備えて早々に退社しました。
クルマのガソリンは、まだ3/4近く残っていましたが、給油できるときにしておこうと思い、仕事場から近いガソリンスタンドで、多少待ってでも満タン給油することにしました。
腹をくくってガソリンスタンドに並び・・・1時間半待ちでした(汗) しかも待っている間に「(レギュラーは品切れで)ハイオクだけになっちゃいますけれど・・・」とスタンドのあんちゃんによるアナウンス。暫定税率の騒ぎよりもクルマが長蛇の列になっていたのですから、仕方がないです。
まぁ、ハイオク車に乗っているので個人的には問題なし。
「給油は30Lまで」という制限もありましたが、元々3/4あったガソリンに追加給油しただけなので、無事満タン給油ができました。
家に着く頃は停電しているだろうと考えながらクルマを自宅へ走らせたのですが、フタを開けてみると停電はしていませんでした。
計画停電を発表しておきながら停電しなかったことに、文句を言う人がいるそうです。
一日だけであっても多くの地域の停電を回避したことは、なぜ評価されないのでしょうか。
たしかに、走らせることができた鉄道が意味もなく運休したことに憤りを感じる人もいると思います。
だいこんの親父もその影響をもろに受け、夜勤明けで帰宅する予定でしたが帰ることができず、結局職場に連泊することになりました。
家族が帰ってこない不安もちょっとはありますが、果たしてそれは電気が止まったときの不安感以上なのでしょうか。
愛聴しているラジオ番組「GROOVE LINE Z」が、14日から再開しました。
その中でピストン西沢は「みんなの震災」というメッセージを訴え続けていました。
彼は「計画通りに停電しなかったことに『あのときは何でうまくいかなかったのだろうか』と論じることがそのうちあるかもしれないが、果たして今それを論じる必要があるのだろうか。」という内容のコメントをしていました。
誰もが初めて経験する大災害ですから、全てがうまくいくわけがないでしょう。
現に、大津波対策の堤防も原発の事故も、その筋の専門家が想定したものよりも地震の力の方が遥かに大きかったわけです。
しかし、そんな中でも引き続き自らの危険を顧みずに救助作業に携わっていただいている方、原発事故を最悪の事態にしないために身を挺して作業にあたっている方が、今もいるのです。
だいこんは、電気を作ることもできないし、現地入りしての救助作業もできないし、原発事故防止の力にもなれません。
綺麗事かもしれませんが、これらのことに関して今だいこんができることは、その世界のプロフェッショナルを信じることと、応援する気持ちを持ち続けることだと思います。
だいこんは、電池や懐中電灯やラジオを売ることくらいしか災害に対する社会貢献ができていないかもしれません。
親子連れでご来店。笑顔を絶やさない小さなお子様が電池をレジに持って来て、会計を終えて商品を手にする親御さん。
どんなラジオを買えばいいかわからないお客様から要望を伺って、適切な商品をお薦めして、買っていただく。
こういった場面でお客様が見せる「有り難う」という表情。
今のだいこんは、お客様の表情に救われています。自称「音速のレジ師」ですが、レジでの僅かな時間のコミュニケーションも忘れていません。と同時に、忘れてはいけないと思っています。
電車が止まったり、停電がするかしないかハッキリしなかったり、原発に不安感を持ったり、電池や懐中電灯がが品切れだったり・・・苛立つ気持ちはわかりますが、第一線で災害に対して働いている人がいることを、どうか忘れないでいただきたいと思います。