【戦うことは「悪」ですか】
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が2002年9月、日朝首脳会談で、残虐非道な日本人拉致を認めて謝罪してから、来年で20年になる。ところが、被害者5人と家族が帰国しただけで、横田めぐみさん=拉致当時(13)=をはじめ、多くの被害者の帰国は実現していない。岸田文雄首相は6日の所信表明演説で、「拉致問題は最重要課題。すべての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、米国をはじめ各国と連携しながら、あらゆるチャンスを逃さず、全力で取り組む」と決意を述べたが、長年解決を妨げてきたものは何なのか。予備役ブルーリボンの会幹事長で、ジャーナリストの葛城奈海氏が核心に迫った。
今週末の10日から16日までは、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」だ。大変残念なことに、02年の被害者5人の帰国以降、拉致問題は一歩も前に進んでいない。日本政府が「北朝鮮による拉致だ」と認定していて、いまだ帰国が実現していない被害者は12人。このほか、警察によって、「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない」とされている行方不明者は873人に上る。これだけ多くの同胞を長い間拉致され続けながら、救出できずにいる理由は何か。
政府は長年、「対話と圧力」と言ってきたが、効果が出ない最大の原因は、「圧力」不足、つまり「拉致被害者を帰国させなければ、タダじゃすまないぞ」と思わせるような威力、すなわち「武威」の欠如だ。私が幹事長を務め、元自衛官と公募予備自衛官からなる「予備役ブルーリボンの会」(荒木和博代表)では、「拉致被害者救出に自衛隊の活用を!」と訴えている。
しかし、そうした声を上げると、「憲法の制約があって…」という首相を筆頭に、「情報もないのにできるはずがない」「自衛官の命をなんだと思っている」と否定的な意見が寄せられる。元陸上自衛官で、精鋭集団「第1空挺団」などに所属した飯塚泰樹氏は著書『平成の自衛官を終えて』(幻冬舎)の中で、米国留学時代の次のような経験を告白している。
各国から集まった留学生たちの前で、自国と他国との間にある軍事的問題についてディスカッションすることになり、拉致問題を取り上げた。するとクラスメートから「それで拉致された日本人を助けたのか?」と聞かれ、飯塚氏が「助けていない」と答えると、「助けには行ったのか?」と尋ねられ、「行っていない」と返すと、「なぜ、行かないのか?」と質問されたという。飯塚氏が「法的制約のために命令が出ない」と答えたものの、あきれ果てたような反応が返ってきたうえに、クラスメートから「侵略の被害に遭っている国民も助けに行かないなんて、お前たちの存在価値はどこにあるのか?」と批判され、立つ瀬がなかったという。これが、世界の常識だ。
窮地に陥っている国民の救出を阻む法律は早急に変えるべきだ。いや、ことの緊急性を考えれば超法規的にでも救出を目指すべきだ。40年もたって「情報がない」などと言っている時点で、政府の本気度を疑う。危険を承知で任官している自衛官の命を心配する前に、被害者の命をこそ心配すべきだ。いずれにせよ、どんなに自衛官が士気高く優秀でも、事前準備なしに救出はあり得ない。彼らが鋭意準備にとりかかれるよう、「自衛隊による拉致被害者救出」を国会という責任ある議論の俎上に乗せることを望む。
■葛城奈海(かつらぎ・なみ) やおよろずの森代表、防人と歩む会会長、ジャーナリスト、俳優。1970年、東京都生まれ。東京大農学部卒。自然環境問題・安全保障問題に取り組む。予備役ブルーリボンの会幹事長。著書・共著に『国防女子が行く』(ビジネス社)、『大東亜戦争 失われた真実』(ハート出版)、『戦うことは「悪」ですか』(扶桑社)。
拉致被害者救出に自衛隊を派遣すると言うが、まずどこに拉致被害者がどの程度いるのか、正確な情報が必要だろう。その上でどの程度の部隊をどのような方法で派遣してどうして日本まで連れ戻すかを考えないといけないが、他国の領土内に武装した部隊を派遣すると言うのはもうすでに戦争ではないのか。隠密裏に居場所が分かっている数人を救出すると言うなら可能性はあるんだろうが、どのくらいの人数が拉致されてどこにいるのか分からないのでは話にならないだろう。大体米国が脅しても言うことを聞かない北のバカ大将だから日本が圧力をかけても全く効かないだろう。ら飛された可能性が高いという被害者が国内でけっこう発見されているので政府も拉致の全貌と誰が北朝鮮のどこで生活しているのか把握されていないのだろう。後は両国のトップ会談だが、拉致被害者の開放を条件に核を放棄しない北朝鮮に多額の援助をするのは国際社会で問題にされそうだし、なかなか難しいだろう。結局は地道に交渉を働きかけるだけと言うことになるが、いつになったらテーブルに着くのか分からない北のバカ大将なので当面は八方塞がりだろう、‥(^。^)y-.。o○。
Posted at 2021/12/11 18:36:18 | |
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