KYBシザーズジャッキですが、どれだけしつこくエア抜きしても、パンタ部を掴んで持ち上げるとパンタが開いてしまいます。ということで、廃棄することにしました。残念ですが…。
故障の原因がわからないままでは気になりますよね?
Oリングからオイルは全く漏れていないので、本体内部の配管に故障の原因があるのだろうと考えました。KYBシザーズジャッキの内部構造がどうなっているのか調べたところ、KYBが申請したシザーズジャッキの特許がありました。特許の内容は、シザーズジャッキのオイルタンクとポンプ部の間に設置する特殊な弁です。特殊といっても、実際にはゴムに十文字の切れ目を入れたものです。
シザーズジャッキを箱に入れて運搬すると、ジャッキが横になったりひっくり返ったりしまよね? その際、オイルタンク内の空気がポンプ部に流れていきますが、弁があれば空気をポンプ部に留めておけるわけです。
わたしのシザーズジャッキは、この弁が機能しなくなったのでしょう。ジャッキのハンドルを持ち上げたときに異様に軽い。本来はオイルが弁を通過するので抵抗感があるはずですが、弁がないから軽いわけです。ジャッキのパンタ部を持ち上げるとそのままパンタが開くのも、同じ理由です。その弁を付け直したくても、ジャッキ本体の配管部分は溶接されていて修理できる場所じゃないので。単純にOリングの劣化であれば、ふつうにオーバーホールして直せたんですけどね…。写真もいっぱい撮ったし、工夫もしたんですけどね…。
オーバーホール時に必要な部品を記載しておきます。
シザーズジャッキのオーバーホール記事や整備手帳にそれっぽい型番が書いてありますが、実際に探すとちょっと苦労します。なぜなら、古いJIS規格の時代に書かれた記事のコピー&ペーストだからです。
いまのJIS規格だとこうなります。
■ポンプ部
▼Oリング
規格:JIS B 2401-1 P(固定用、運動用)
材料コード:NBR-70-1 (硬度:70、材質:ニトリルゴム)
呼び番号:P8 (線径1.9mm、内径7.8mm)
▼バックアップリング
規格:JIS B 2401-4
形状:バイアスカット(T2)
材質:PTFE
呼び番号:P8
■リリーススクリュー部
ポンプ部のOリングと同じ。
■本体部分
▼Oリング
規格:JIS B 2401-1 P(固定用、運動用)
材料コード:NBR-70-1 (硬度:70、材質:ニトリルゴム)
呼び番号:P30 (線径3.5mm、内径29.7mm)
▼バックアップリング
規格:JIS B 2401-4
形状:バイアスカット(T2)
材質:PTFE
呼び番号:P30
Oリングはホームセンターの水道用でも材質は同じなのでおそらく使えます。バックアップリングはホームセンターにはまずありません。全部を通販で買うと、200円で送料が600円ぐらいじゃないかな? ヤフオク!でオーバーホールキットを買うのだったら、通販で2個ずつ買って保管しておく方が良いと思います。
写真だけは大量に撮ったので、そのうち整備手帳に載せるかも知れません…。
Posted at 2018/06/06 22:26:14 | |
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