フィエスタのミニカーの中でも、1989年に登場した3代目BE13の世代をモデルにしたものはきわめて少ない印象があります。フィエスタ自体は、1976年デビューの初代や、私も愛用しているB299などは競技用車も含めて結構ミニカー化されていても、こと1989年から2001年に至るまでの3代目〜5代目に関しては、これまでミニカーとして商品化されたものは数えるほどしかない気がします。ま、それほどミニカーの事情に通じているわけではないから、ただ単に私が知らないだけかもしれないですけどね。
そんなおそらく珍しいであろうBE13フィエスタの中古ミニカーを入手しました。シャバクというブランドの1/43スケールモデル、ベースとなっているのはBE13フィエスタの高性能バージョンであるXR2iです。で、このミニカーがすごくいいんですよ。感心しました。
見るからに生真面目さが伝わってくる各部のディテールや、それこそドアもエンジンフードもリアハッチも、実車で開く部分はことごとく可動式で、開けると外から覗ける部分もちゃんと作り込んであるなど、いかにもドイツ製らしい趣が満載なのですが、しかし一方で最近のミニチャンプスみたいに、大人の鑑賞に耐えうる高精度を得た代償として、ケースから出して手を触れるのもはばかれそうなデリケートな扱いを求めることもありません。例えば子どもが多少手荒に扱ったとしても、どこかのパーツが脱落するようなヤワな作りではなく(ドアミラーも後付けパーツでなくドアと一体の金属成型)、心おきなく遊べそうなミニカーなんですね。
私も以前は、実車の3Dデータをそのままスケールダウンさせたかのような、リアルさを追求したミニチャンプスなどのミニカーに価値を見出していたのが、いくらかラフな再現度合いであっても手のひらに取り出して安心して触れて眺められるような、ハートウオーミングなミニカーの方がだんだん好みになってきました。その点で、このシャバクのフィエスタは、フレンドリーさと精巧度合いのバランスが実に絶妙なことに感心させられたのです。
我が家の玄関のマスコットである、リヤドロのBE13フィエスタと並べてみました。
勇ましいスポーツカーやスーパーカーでない、なんということのない市井の小型ハッチバックがモデルになった、えもいわれない愛らしさが魅力です。
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Fiesta | クルマ
Posted at
2021/10/27 23:59:37