例年なら年の瀬も押し迫ったタイミングで出会えたフォードの写真を掲載するが、今年は自分の2台である。自宅に駐車してある様子をこうして望遠気味に捉えると、まるでフィエスタの後ろからフォーカスが突っ込んでいるかの如し(^^;)今年はそれまでフォーカスのために借りていた月極駐車場を解約して、我が家の敷地内にこの2台を置くようになったのが大きな変化であった。
そして今年は春以降、ブログに対する態度が変わった。それ以前までの、我ながら呆れるくらい「フォード目線」で常に意識のどこかにブログのことがあるようなテンションを脱したら、不思議と街中でフォードに気づく機会がぐっと減少した。目に入ったとしても、ただ目で追うのみで「何シテル?」にアップするのが関の山である。
そうなったのは自分自身の私的な境遇の変化があったとともに、フォードをめぐる現況が大きく影響している。フォード、今年は果たして何台の新型車が登場しただろうか?全くのブランニューはマスタングだったが、実質的には先代のマイナーチェンジに見えなくもない。それ以外も既存モデルの安易なバリエーション追加でお茶を濁すような姿勢が目立った。
相対的に今年は、フィエスタがその長い歴史に終止符を打った年でもあった。それが示しているように、フォードが大衆や庶民に向き合うよりも、収益率が高いとされるSUVやライトトラック系に適当に付加価値を乗せて、手っ取り早く稼ぐ方向に走っているように感じられて仕方なかった。そうしたこともあって、フォードに対するシンパシーが薄れてしまったというのが、嘘偽らざる心境だったのである。
フォードだけでない。今は自動車というものが市民の手から離れた存在になりつつあるように感じさせられる。電動化と情報化への対応、世界的なサプライチェーンの変動などが車の価格をどんどん押し上げているし、特に著しい円安下の日本だと輸入車はかなり割高になっている。ごく一般的な暮らしぶりの人が買える車の選択肢が狭まってしまっているのだ。
車との関わり方は人それぞれだし、たとえ高額であっても最新のテクノロジーを駆使した付加価値の高い車に乗りたい(乗れる)という向きも当然あるだろう。しかし、車が生活の中で必要で、信頼の置ける車を無理なく入手できて、安心して乗りたいという人が圧倒的に多いはずだ。そういった人のことを対象としていたのが本来のフォードであって、車を求めるサイレント・マジョリティに対してレベルの高い製品を届けられるところにフォードの真骨頂があったのではないか。
残念ながらここ数年間のフォードからはそのような矜持があまり伝わって来ない。もちろん、それはフォードを取り巻くグローバルな状況-地政学的なこと・経済的なこと・環境保全的なこと・安全保障的なことなど-が作用しているわけで、ひとりフォードの企業姿勢ばかりが問題ということではないが、中韓を筆頭として世界に台頭してきた新勢力にただ市場を譲り渡すだけで、果たして良いのだろうか?
来年は、フォードのような車が本来の存在意義を取り戻して、より多くの人々の暮らしに受け入れられる社会であることを望みたい。
本年もブログを読んでくださりありがとうございました。皆様にとり来たる2024年が良き一年でありますよう。
ブログ一覧 |
Ford | クルマ
Posted at
2023/12/30 13:14:40