昨年から通勤ルートを、より朝の混雑度合いが低い路線に変更しました。さらに自宅から最寄りの駅までの間は、在宅勤務で不足しがちな運動量を少しでも稼ぐべく、自転車利用をやめて歩くようにしました。その徒歩で約20分少々の行程では、まずトップ写真のマスタングを見ることができます。2011〜12年頃のコヨーテ搭載GT、フロントの赤くカラーリングされたディフューザーが目を引きますが、それだけでなく、通常よりも明らかに落とされた車高とネガキャンがやる気を感じさせますよね。とはいえ、いつも同じ場所にこうして駐車されているのを見ているだけで、走っている様子などはまだ一度も目にしたことがありません。
このマスタングを通り過ぎて少し歩いた先の民家にいるのが、こちらのプジョー406クーペです。初期型ですね。ご覧のようにナンバープレートが外された状態なので、おそらく留置されているのでしょう。そして写真でおわかりの通り、シルバーの個体の後ろにもう一台、同じ406クーペの赤いのが、やはりナンバーなしで留置されています。この写真からだともうわからないのですが、後ろの赤い406クーペのさらに後ろにもう一台、なんと406クーペがあり、その隣には405ベルリーヌなんかも・・これはもう明らかに、ただの民家とは思えません。実は、この写真を撮ったお宅からほど近い地点に、プジョーのアフターサービスでは全国的に名が知れた専門店があるので、おそらくそこの経営者?など、関係者の方のお住まいなのではないかと想像しています。
プジョー406クーペを見るたび、造形の腕の冴えを痛感させられます。エレガントというに相応しいフォルムは、まさしく卓抜したデザイナーの造形能力があってこそ。だいぶ以前に、デザイナーの奥山清行さんと話していた際に、話題がプジョー406クーペのことになって、ピニンファリーナでこの車のデザインを担当したデザイナーを、奥山さんが実に優れた手腕であったと回顧されていたのを今でもよく覚えています。名匠ピニンファリーナで多くのデザイナーたちを束ねるディレクターを担っていた奥山さんをして、一目置かせた造形力の持ち主であったその方は、若くして病に倒れてしまったとのことで、奥山さんもその才能をしきりと惜しんでいたものでした。
マスタングと、プジョー406クーペと。朝の通勤路で出会う2台は、ともに4座の2ドアクーペという成り立ちで共通しますが、それであってもこの鮮やかなまでの印象の違いと、際立つそれぞれのキャラクター。どちらがいい悪いではなく、いずれもが確たる存在感をたたえていることに、クルマという表現の豊かさを噛みしめずにはおられません。
Posted at 2021/04/07 22:45:50 | |
トラックバック(0) |
Mustang | クルマ