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イイね!
2010年12月19日

E3の実証実験、宮古島バイオエタノールPJ

こんばんは。朝晩ぐっと冷え込むようになりましたね。クリスマスシーズンの今、街はイルミネーションやクリスマスの飾りで華やいでいます。そうそう、17日(金)は、カービューの忘年会でした。ほとんど初めてお会いする方ばかりでしたが、「あ、松本さんですよね。ブログ見てますよ。」と声をかけていただいたり、楽しい時間を過ごさせていただきました。初対面のみんカラの編集部の方も何人かいらっしゃったので、ご挨拶させていただきました。うっかりその時の写真は一枚も撮らなかったんですよね。残念・・・。

さて、先月下旬に訪れた宮古島。一番の目的は、宮古島で進むバイオエタノールプロジェクトを見学することでした。写真で綴ってご紹介しますね。



宮古島バイオエタノールプロジェクトは、内閣府、経済産業省、農林水産省、環境省、国土交通省、消防庁のあわせて1府5省の連携事業で、E3の実証実験も2007年から行われています。



このE3の実証実験は、2011年度までの予定です。E3専用ローリーには、 ”糖蜜からのエタノール燃料は、地球環境と宮古島のサトウキビを守ります!”の文字。



E3というのは、プラントで製造されたバイオエタノールをガソリンに3%混入させた燃料のことです。宮古島では、さとうきびから砂糖を生産した後に残る糖蜜を原料にしてバイオエタノールを生産しています。このプラントでのバイオエタノールの生産能力は、年間90日稼働して、一日あたり1トン。年間生産量は6000Lです。

地産地消で、地球温暖化防止にもつなげる事業として注目されていますが、宮古島のさとうきび農業の基盤の強化と増産をはかることも大きな目的です。エタノールを製造する際に発生する残留残さ液や醗酵残さ酵母も、肥料や飼料として使うといった技術も開発され、バガス(さとうきび搾汁後の残渣)は燃料利用にと、バイオマスの利活用がくまなく進められています。

この宮古島でのバイオエタノールプロジェクトを遂行している事業者は、株式会社りゅうせきです。このプロジェクトの責任者の新崎さんにレクチャーを受けて、設備を案内していただき、説明していただきました。原料の糖蜜タンクです。年間24トンの糖蜜を使用しています。
 


下の写真は、膜脱水設備(ゼオライト膜)です。これで99.5%以上の無水エタノールが製造されます。最先端のナノテクノロジーを活用し、分子のレベルでエタノールと水を分離することができます。これで大幅な省エネが図れたそうです。



できたバイオエタノールはこちらのタンクで貯蔵。



タンクローリーで、バイオエタノールをE3製造所へと運びます。



E3製造所(E3燃料ブレンダ―)は、ここから20分離れたところにあるそうですが、今回は時間の都合で見学できず残念でした。作られたE3燃料ですが、E3・E10の専用給油設備で販売されています。宮古島では4か所のE3の給油所があります。



E10も製造されていますが、実際に走行しているのはE3燃料車がほとんどです。現在レンタカーを含め約1000台の車がE3燃料で島内を走っています。



E3についてもう少し説明すると、ETBE方式のバイオガソリンとは違うものです。日本でのバイオエタノールの自動車燃料としての使用は、E3とバイオガソリンの両方が並行して進められています。世界では、ETBE方式はフランスやスペイン、ドイツなども採用していますが、E3などの直接混合方式のほうが主流となっています。

ちなみにブラジルでは、E100の車も走っています。フレキシブル燃料車のFFVが販売されてから、市場がさらに伸びているようです。 当面日本では、E3とバイオETBEの両方の施策が並行して行われると思いますが、政府がバイオエタノール燃料を本気で普及させていく姿勢を明確に打ち出すならば、事業が黒字化するのを支援するためにも補助金を何らかの形で継続させる、または燃料税の軽減などの税制優遇措置といったインセンティブも必要になるのではないでしょうか。

宮古島の基幹産業であるさとうきびの廃糖蜜からエタノール燃料を生産し、E3燃料を製造供給し、宮古島で消費するという持続可能な社会循環システム、これからどのように発展していくのか楽しみです。

12月2日に訪れた北海道清水町のバイオエタノールプロジェクトは、ETBE製造に使用されるバイオエタノールを生産しています。このプロジェクトについては、次回書きますね。
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Posted at 2010/12/19 22:34:59

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この記事へのコメント

2010年12月19日 23:06
松本さん、こんばんは。

宮古島でこんな大掛かりなバイオエタノールの実証実験が行われていたとは知りませんでした。
2007年からですから、何らかのレポートも出ているのしょうか?
また調べてみようと思いますが、ご存知でしたら教えて頂けるとうれしいです。

最近日本ではハイブリッド車や電気自動車が話題で、バイオエタノールはあまり注目されてないような気がします。もっとこういう取り組みが注目されてもいいかも知れませんね。



コメントへの返答
2010年12月22日 15:56
katsutaさん、こんばんは。

すみません、体調についてお気遣いをいただいて、ありがとうございました。
昨日から急に体調が悪くなり、きょうは病院へ行って、一日ほとんど寝ていました。
どうやら流行りの胃腸炎をともなう風邪のようです。
だいぶよくなってきたので、お返事しますね。

宮古島のバイオエタノールプロジェクトについてのレポートですね。
ウェブ上からダウンロードできるのは、宮古島プロジェクトについてのパワーポイント資料や環境省のE3実証実験関連の資料があります。
事業者の(株)りゅうせきのバイオエタノールプロジェクト推進室に問い合わせると、りゅうせきで作成した資料をいただけるかもしれません。
推進室の連絡先は、明日大学に行けばわかりますので、追記しますね。

はい、日本はバイオ燃料は欧米に比べると生産量も少なく、遅れている状況です。
燃料の多様化という意味で、理解が広がるといいですね。

追記:
(株)りゅうせきバイオエタノールPJ推進室
TEL:0980-76-4011
FAX:0980-76-4011
E-mail seigou_arasaki@ryuseki.co.jp
担当者 新崎 盛剛 様
(※新崎様のメールアドレスは、データベースにも掲載されていますので、記載しました)
2010年12月19日 23:11
真由美さん、こんばんは。

さとうきびの残りから作るバイオ燃料ならかなりエコでしょうね。

問題は、供給場所や供給量といった設備関係なんでしょうね。
コメントへの返答
2010年12月21日 22:42
cedcedさん、こんばんは。

はい、さとうきびから砂糖をとった後の廃糖蜜を利用しているので、エコですよね!

宮古島バイオエタノールPJでは、宮古島で生産したさとうきびを原料に、近い将来、宮古島全島の3万5000台の車にE3燃料を供給する構想です。
地産地消の循環型ですね!
2010年12月19日 23:26
こんばんは(^-^*)/

宮古島のプロジェクトがなんで紹介されないのかな?

温暖化防止の一貫としてイイことなのに!

うまくアピールして行きたいですね
コメントへの返答
2010年12月21日 22:47
ER33RB25さん、こんばんは(*^_^*)

そうですね、宮古島のプロジェクトについて、あまり知られていないのは残念ですよね。

E3の実証実験が進んでいるので、車好きな方にも注目してもらいたいです。

2010年12月19日 23:47
こんばんは。

確かサトウキビもバイオだった記憶です。普通より子株が多くより多くのサトウキビが収穫できる・・・とビデオで放映していましたよね。

ビデオ制作当時からそれ程向上していないようですが短期間ではそれは期待できないのかな。
コメントへの返答
2010年12月21日 22:57
Gen1さん、こんばんは。

宮古島のさとうきびを原料としたバイオエタノールPJは、平成23年度までの実証実験事業ですが、パイロットプランの時期からは進展していると思います。
この生産設備は今年できたばかりです。
E3やE10の製造所もできているので、設備としては整備されてきています。

技術開発についても地道に取り組んでこられたそうですが、短期間で大きな成果を出すのは難しいかもしれませんね。
積み重ねでしょうか。
2010年12月20日 2:34
こんばんは~

日本ではエタノール車広がらないですね。
原油が高騰したとき注目されてよく報道されてましたが、研究まだ続いてるのですね。
石油がなくなるとこれが当たり前になりそう。
コメントへの返答
2010年12月21日 23:01
ovartarさん、こんばんは。

そうですね、石油代替としてのバイオエタノールもこれからの時代は考えたいですよね!
世界の流れも見つつ、日本型のバイオエタノールの活用をしていきたいですね。
2010年12月20日 9:23
バイオエタノールが注目集めた時…自動車メーカーがバイオ燃料が原因でトラブルになった時に保証しないって公表したからじゃないでしょうかね


まあアルコール燃料で安く注目を集めましたけど淘汰されてしまいました。


E3もE10も性能に影響及ばさない実証と値段が同等もしくは、安く出来るなら…若しくはガソリン税をかけないで生産コストを上乗せして少し安く出来るなら絶対に流行ると思います。


結局政府の胸三寸じゃないでしょうかねぇ~バイオ燃料は、非課税にしてしまえば精製コスト分の手間隙を差っ引いても安くなるんじゃないかなと
コメントへの返答
2010年12月21日 23:24
三希野美依子さん、こんばんは。

なるほど・・・。
日本では、自動車業界はバイオエタノールの導入には慎重ですね。

E3についてはエンジンなどへの影響はないとされていますが、(E10までなら問題なしというレポートもありますが)蒸気圧の上昇やエミッション増加の懸念があるなど、エタノール直接混合ガソリンについては、エタノールの混合割合によって車側の対策も必要になってきますね。

たしかに車の性能に影響を及ぼさないという安全性リスクについて、実証実験の中でしっかり確認してほしいですね。

コスト、大事ですよね。
ガソリンと比較してバイオエタノールの熱量は34%低いので、販売価格としてはそのあたりも考慮しなくてはなりませんね。

再生可能エネルギー発電やバイオ燃料がオ広く普及するためには、政府がどういう施策をとるのかの姿勢が問われますね。
2010年12月21日 0:05
松本さん、こんばんは。

体調不良なのにお詫びのコメント、痛み入ります。ありがとうございました。
気になさらずに、とにかくゆっくり休んで下さい。
早くお元気になって頂けるほうが私もうれしいです。

コメントへの返答
2010年12月21日 23:02
katsutaさん、

お気遣いに感謝です(*^_^*)
ありがとうございます♪
うれしいです。
2010年12月21日 0:26
コメント入れようとしましたが、日を改めます。お体お大事に。無理をなさらない様にして下さい。
書きたいことは一杯ありますので、また時間のある時にコメント入れます。
コメントへの返答
2010年12月21日 23:04
元CIVICの狼さん

お気遣いをいただいて、すみません。
だいじょうぶですよ。
よかったらコメントをしてくださいね。
バイオエタノールの活用については、賛否両論さまざまな意見がありますから。
2010年12月22日 23:51
先日TVでキューバの製糖工場を紹介していました。本場は凄いですね、砂糖が小山のようでした。さて絞りカスですが、肥料にするのではなく、乾燥して燃料(石油か石炭かは紹介していませんでしたが)に混ぜて工場用に発電し余った電力は周辺の家庭用に使用していました。乾燥した絞りカスでもかなりのエネルギーがあると言う事ですね。 サトーキビは太陽光量などの問題はありますが有望なエネルギー源だと思います。   でももう少し北の方の海底を掘る方が、安定して大きなエネルギーが得られると思いますが←マァこの話がこれくらいにして。
E3.E10の問題ですが、数年前にガソリンに工業用アルコールを混ぜ、安く且環境に良いって業者が一般に売り出しましたが、大変なことになりました。H社の○○○○○やT社の○○○○はガソリン系統の部品内部が溶け出して事故寸前でした、 普通は純粋のガソリンしか使わない事が前提なのに、テストも無しに混ぜ物を使ったのですから当然ですね、先日コメントに書かせていただいたのは、この件です。政府が指導して進めているプロジェクトですのでこの点は抜かりはないと思いますが、各自動車メーカーはどのように対応しているのですかね、知りたいことです。 基本的にバイオメタノール プロジェクトは賛成ですが、慎重に進めてもらいたいです。
先日の太陽光発電の実験施設ですが、沖縄電力のHPに写真が載っていました、5度の角度はほとんど水平ですね、あれなら角度を付けない方が設置が楽で費用が掛らないのではないのかな?と
それと、あれだけの施設を造るのであれば太陽熱発電の施設も一緒に実験するべきです。太陽熱の先進国はスペインですが、すでに火力発電所並の規模の工場を稼働させています、是非一緒に実験してもらいたいですね。

私も3日前から風邪です。昼間は大丈夫なのですが、明けがたの咳で寝不足です。お互い気の合う事ですね   ( 笑 )
コメントへの返答
2010年12月24日 16:49
元CIVICの狼さん

メリークリスマス~☆
いろいろ情報をありがとうございます!

テレビでもキューバの製糖工場について取材していたんですね。映像的にもかなりすごかったんですね!さとうきびの絞りカスのバガスは燃料として発電に使われているんですね。
宮古島PJでも同様に活用していますが、キューバは周辺の家庭にも電力を提供しているとは!バガスの量も半端でないほど多いのでしょう。貴重なバイオマスエネルギーですね。

E3、E10の問題として、以前そうした事故が!
ガソリン系統の部品内部が溶け出してしまったというのは問題ですが、テストなしにやってしまったのも問題ですね・・・。この時にどれくらい工業用アルコールを添加したんでしょう。3%~10%でそういう事態になったのでしょうか??気になるので、私も調べてみたいと思います。

宮古島PJをはじめ、現在のE3実証実験PJは、時間をかけて、エンジン系統へのエタノールの影響も含めて、いろいろ検証しているので、レポート結果が待たれますね(^.^)

宮古島のメガソーラーPJのことですね。
水平でもいいのではないかということですね。
たしかに5度ではあまり大差ないかもしれませんね。5度と水平ではどう発電に変わりがあるものなのか、うちの研究室の先生に聞いてみようかな。

メガソーラーに太陽熱発電の併設ですね。
宮古島ならばさんさんと太陽が降り注いで、よい環境ですものね。太陽熱は日本では最近それほど話題に上らず、もったいない状況ですね。

数日前から風邪ですか(>_<)流行りの風邪、つらいですよね。無理せず、お大事になさってくださいね。
2010年12月26日 22:50
↑ E3・E10 の件、業者は確か、京都の業者です。何パーセント混入したは不明ですが、1L当たり10円位安かったと記憶しています、大体の割合が推測出来ますね。私が聞いたのは工業用アルコールとの表現でした、今回のバイオエタノールと同種かどうかも不明です。 最初はエンジンが掛りにくとの事で調査したら燃料の問題でした。 最悪火災の危険性があった問題でした。
コメントへの返答
2010年12月26日 23:21
元CIVICの狼さん

こんばんは。
追加の情報をありがとうございます。

そうなんですね・・・。
工業用アルコールで。
添加するエタノールの品質や種類、また添加の割合によってエンジンに影響が出るわけですね。

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こんにちは。松本真由美です。 エコやエネルギー問題についてのさまざまなこと、大学での雑感、プライベートの出来事、ご紹介したい人、講演やイベントについてなど...
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