日本は歯舞・色丹返還を目指せ

過去に南樺太および千島列島全域が我が国の領土であるという主張をした。

＞＞千島列島、南樺太～わが国固有の領土


これは、間違いではないが、正解とも言えない。微妙な論旨となるｗ

来月にロシアのプーチン大統領が訪日し、安倍総理と首脳会談をすることになっている。

この場で北方領土返還がまとめられるとも思えないが、樺太はともかく、千島列島全域を返せという主張では、決裂するのは火を見るより明らかである。

千島列島が他国の領土ならばロシアはオホーツク海の海路を断つことになってしまい、戦争をするならいざ知らず、ロシアが受け入れるはずもない。

ここは四島一括返還の交渉をすべきであると、昨日の小欄で主張した。


その一方で、辛坊治郎氏の歯舞・色丹の二島返還を目指すべきであるという記事があったので紹介したい。

１１月２６日（２５日発行）
【甘辛争論～辛坊治郎】


確かに根拠のある正論で、国後・択捉は放棄した千島列島に含まれるが、日本の赤化を懸念した米国が領土主張をさせたとある。
しかし、どうだろう。

二島返還で妥協した場合、国後、択捉は放棄したとみなされ、日本の領土主張が形骸化してしまうのではないだろうか。
当然、ロシアは返さない。
そして、南朝鮮には竹島を返さない口実を与え、支那には逆に尖閣諸島の領土主張を強め、隙あらば上陸して軍事的に実効支配する口実を与えてしまうのではないか。

そして、この記事・・・

ロシアが北方領土に地対艦ミサイル配備、実効支配誇示狙いか

インタファクス通信は２２日、ロシア軍機関紙の報道として、ロシアが実効支配する北方領土の国後島と択捉島に地対艦ミサイルが配備されたと伝えた。いずれも沿岸防衛に利用され、海上から接近する艦船などへの攻撃に使われる。

　プーチン大統領は２０日、ペルーでの会見で、北方領土をめぐり「ロシアに主権がある」と明言するなど、１２月の日露首脳会談に向けて領土交渉の進展を目指す日本側を牽制する発言を繰り返した。ミサイル配備の公表も、北方四島への露側の実効支配を誇示する狙いがありそうだ。

　国後島に配備された地対艦は「バル」で、択捉島に配備されたのは「バスチオン」。ショイグ国防相は３月、これらのミサイルを年内にクリール諸島（千島列島と北方領土）に配備する計画を明らかにしていた。露太平洋艦隊は７月、「バスチオン」の試射に成功したと発表していた。

　露軍は現在、北極海での権益維持などを目的に周辺地域での軍事力整備を進めている。国防省は昨年、露極東の沿海地方から北極圏までをつなぐ沿岸防衛システムの構築を決定しており、ミサイル配備もその一環とみられる。

モスクワ＝黒川信雄

領土交渉において主導権を握ろうとする意図はわかるが、ちょっと露骨過ぎるだろ。
少なくとも、国後と択捉は返す気がないな。
それとも、そうしなければならないほど、ロシア経済は困窮しているのだろうか。