北関東の養蚕と煉瓦をめぐる旅も、最大の名所、富岡製糸場に行けるのがいつになるのか分からなくなったので(泣)、もうひとつのテーマである、北関東小麦粉ツアーシリーズを先週末に再開しました。(そんなシリーズがあったんだ?)
自宅出発は土曜日の10時。今回の目的地、埼玉県館林市の日清製粉の「
製粉ミュージアム」に向かいました。我が家からは下道で一時間ちょっとですが、施設には駐車場はないとのことで、駅前の巨大なパーキングに車を停めました。人気のない駅前は一大駐車場地帯・・・やや嫌な予感はしましたが、まずはミュージアムです。
駅の階段を下りるとミュージアムの入り口です・・・もともと輸送のため館林駅に直結した工場があり、北関東一円で栽培された小麦をここで製粉していたとか。
土曜日とはいえ、時間はまだ11時過ぎ。当然ほとんど貸切り状態で展示された古い機械をゆっくり見ていきます。早くから最新の製粉機械を導入し、世界を視察するうちに製粉は事業規模の大きさこそが力である、という観点から、次々と日本各地の製粉会社を合併しながら大きくなっていったそうです。
古い看板。鶴と亀は日清製粉の前身「館林製粉」のトレードマークだったようです。
ミュージアムは新しい建物と、古い工場事務棟を移築改修した旧館で構成されていました。旧館は比較的質素ですが、要所要所に良い雰囲気のものも残っていました。
二階のバックヤード(?)出入り口の欄間部分には鶴亀の漆喰こて絵がありました・・・なかなかの立体ぶりですね♪
庭にはごっちゃりと沢山の鯉が泳ぐ池があります。そこには巨大な石臼が庭石代わりにおかれていますが、これは函館のトラピスト修道院で長らく使われていたものだそうです・・・これでバタークッキーの小麦粉挽いていた、ということなのでしょうか♪
旧館は、一番古い工場を解体したときに出た廃材を使って事務所棟として建てられたそうですが、横羽目板にえも言われぬいい色のブルーグレーに塗られた建物です。ミュージアムとして使われるにあたって、建物全体をコンクリートの基礎に載せ、それ全体を免震構造で支えるという凝った構造に改められたそうです・・・すごい、お金かかってます(笑)
企業ミュージアムとしては、規模は小さいものの整備具合などは飛びぬけてよく、お金を掛けているなぁという感じがします。企業、と言うより、やや創業家一族のミュージアムという気配もありますが、それとて、我妻にとっては「素敵♪」となるほど、流石は名家ということでしょうか。
←はお土産で頂いた(ちょっと詳しくアンケートに答えると頂ける)なぞの猫風キャラクターbyジブリと、お好み焼き粉です。お好み焼き粉、日清製粉の実力を来週末には試させて頂きましょう♪
製粉ミュージアムに満足した後は館林の街中を探訪します。ちょうど駅で配られていた「
館林まちなか散策」という推奨ルートパンフを貰ってそれにそって歩くことに・・・。駅前から歩き始めてすぐ気がつくのが街の荒廃・・・荒廃と言ってもいいほどの廃れ具合にややたじろぎました。地上げ結果の駐車場だけでなく、駅徒歩5分に太陽光発電のパネルが地面に並ぶ風景には驚きました。
「旧二業見番組合事務所」 かつて、芸者さんや料亭を取り仕切っていた組合建物だったそうです。破風造りが立派です。建物全体に対して屋根のボリュームが大きな、見栄張り建築ですね♪
かつて、館林城下にあった武家屋敷を再現した建物。茅葺屋根が質素な白壁のこじんまりとした建物ですが、ここでボランティアの方にこの藩の歴史などを教えていただき、かつ、冷たい麦茶も頂きました(感謝)。
時間はもう14時過ぎ。本当は小麦粉つながりで、うどん!と思っていました。が、ふと見つけた緑いっぱいの一角の、そこはかとなく疲弊したパラダイス感に引き寄せられ、恐る恐る入ってみました・・・引き寄せられた、のです。
何の予習もなくめぐり合った店が個性的で、かつ美味しく、さらにリーズナブル、であったら、一日中幸せになりますが、この店はまさにそんな店でした♪しっかりとした食事の出来るライブハウスという感じでしょうか。舞台を囲むようにステップフロアが円形に配置されています。ベンチは内側を向いてるので、食事はお互いに斜め向きに座るのが玉に瑕ですが(笑)
前菜はポークレバーのパテ、パスタは群馬野菜のぺペロンチーノ。これにミニサラダとパンと珈琲がついて1080円也・・・野菜は甘いしパテもしっとりボリュームも満点。パスタは正しくアルデンテ・・・この凄まじいまでのコストパフォーマンスはどうだ♪ 「
ロートル・メゾン 西の洞」という店です。(食べログの評価が低い理由が全く分かりません)
ゆっくりランチを食べ終わったのが15時過ぎ。予定ではさらに15分ほど駅から(駐車した車から)離れる方向に歩くつもりでしたが、店を出ると曇天となり、冷たい風が木々を揺らしていました・・・雷雨の気配にあせり、そこからまっすぐ車に戻ることにしました。
ということで、館林探訪はもう少し、を残しつつ撤収しました。今度はちゃんとうどんを食べて、北関東小麦粉ツアーを完成させたいと思います。
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□近場で発見の旅 | 旅行/地域
Posted at
2014/06/23 22:15:13