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2012年08月13日

YAMAHAというメーカー~後編・YZF-R1試乗記

YAMAHAというメーカー~後編・YZF-R1試乗記 「後輪とアクセルがつながっているような感覚を得られる」と評されるクロスプレーンクランクシャフトエンジン搭載のYZF-R1。前編の通り予習したYAMAHA像の最終仕上げ工程です。



幸運その①は、なんとこの試乗車、ディーラー社長の私物でリミッターカット、燃調、リアサスオーリンズ化、フロントブレーキマスターブレンボ化などのファインチューンが施されております。ノーマルを味わうという点からすれば純粋な試乗車とは言えませんが、文字通りファインチューンであり、YZF-R1のベーステイストはしっかりと感じられたと思います。社長曰く、「エンジンパーツの全てをバランス取りし直したかのように仕上がった」とのことです。

幸運その②は、先導頂いた社長から「んじゃ、峠行きますか!」と案内頂いたことです。予約時に社長の私物であることを聞かされており、「どうせ左折4回だけの試乗コースなんだろうな~」と思っていましたから、そのお言葉を聞いた瞬間は愛娘にしか見せないほどの甘美な微笑みを浮かべていたと思います。道中も先導頂くことにより対向車の有無やコース上の危険ポイント、コーナーのRなどを察知でき、安全にかつ存分に楽しむことができました。社長には深く感謝いたします!


まずアイドリング状態では、3気筒未満のようなやや強めの鼓動感があります。事前にアドバイス頂いていたのですが、クラッチミートは相当慎重を要します。3000回転ぐらいまでは同様の鼓動感で、トルクはどちらかというと薄めに感じます。

4000回転ぐらいから突然豹変します。今まであった鼓動感が全く無くなり、マルチかそれ以上(?)のスムーズな回転上昇を見せます。この回転フィーリング、「燃焼トルクと慣性トルクの相殺による“ノイズ”を取り除く」という表現そのままです。マルチであってもそれなりの燃焼トルクというか、微細なトルクの山谷(=鼓動)を感じ、「それが気持ちいい」という意見も良く分かります。でもこのエンジンは、トルクの山谷ではなくまさしく“ノイズの少なさ”が感じ取れますこれこそが、スムーズという表現をあてはめて良いフィーリングだと認識しました。ロッシが言ったという「sweet」という表現は、秀逸です

ですが、このスムーズさ、見方によっては「エンジン回転のダイナミズムが感じられない」という意見もあり得るかと思います。バイクに乗っていて何に官能するか、ということですね。

僕にとっては、とても好印象でした。コーナリング中にエンジン回転に余計なノイズが無いと、かけられるトラクションの量がくっきりとイメージできます。立ち上がり時に安心感が高まるので、今までスリルに圧迫されていた爽快感が回復します。


この個体特有のフィーリングとして特筆すべきは、ブレンボマスターのブレーキフィーリングです。最高でした(ノーマルを知りませんが・・・)。軽くて柔らかい上に繊細。もう一点は、バンクさせるともっと切れ込むフロントが印象的ですが、これは社長の好みのセッティングにしてあるとのことでした。初代R1に感じた同じものであり、かつ僕はあまり好みではありません。

所有選択肢として見ると、やはり僕には大きくて重すぎます。YAMAHAの思想が詰まった素晴らしいプロダクトではありますが、僕にはあのロケットスプリンターがピッタリきます。

そのあたりの次善策として、R6について意見を聞いたのですが、「R6の方はピーキーに造られており、R1の入門とかR1の小型軽量バージョンだと思ったら大きく間違う」とのことでした。アブナイアブナイ・・・。



<前後編まとめ>
YAMAHAは、技術と人の感性の橋渡しを一生懸命にしているように思え、大変素晴らしいブランドだと思えました。そういえば、楽器も手掛けているところが、この会社の特性の大きなファクターなのかもしれません。

もう一つ発見したことがあります。様々な車やバイクを味わいましたが、それらの違いはさほど大きなものではないのかもしれません。クロスプレーンクランクシャフトエンジンにしても、「“ノイズの無さ”と“スムーズさ”にある違い」は、非常に微妙なものです。それで得られる結果も僕のような素人ではなんら変わりはありません(=速く走れるわけではない)。そんなちっぽけな違いを知って何になるのか?という否定論もあろうかと思います。が、造り手がどのような意図でそうしたのか、等々、“モノの背景にあるヒトの思想”に触れるということが大切なのだと気付きました。造り手の努力の結晶を骨の髄まで味わい尽くすことも、造り手への礼儀です。これも道楽を深める一つの要素なのでしょう。
ブログ一覧 | バイク試乗 | 日記
Posted at 2012/08/13 16:29:22

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この記事へのコメント

2012年8月13日 17:07
ブラボー!YAMAHAは通好みですよね~。なんでこんなセッティング?というのがハマる。YZ80もWR400Fもニッチな感じが良かったです。確かに楽器に通じるものがあるかもしれません。TOYOTAと組んでいるのが意外なくらい。何となくニッサンの方が相性良いんじゃ無いかなー。
コメントへの返答
2012年8月14日 18:58
「通好み」、どうやらそのようですね!
「ニッチセグメントやトップセグメントの製品に触れてはじめて、そのメーカーの特性を理解できる」と気付きました。
そういった“売れない筋”にどれだけ力を入れているか、メーカーの判断材料の一つとしたいと思います。
そう考えると、確かにTOYOTAよりかはNISSANですよね~!

ところでyamaさん、ブログを拝見する限りは、2輪からは清々しいほどにきっぱりと足を洗われたようにお見受けします。
(僕も全く同感なのですが)“バイク的ダイレクトフィーリング”のあるポルシェで満たされているからなのか、なんらかの決意からなのでしょうか?
でも一度、yamaさんのバイクインプレ(特にYZF-R1)が読みたいッス~!何か試乗してみてくださいよ~!
2012年8月13日 20:20
YAMAHAだけはちょっと違うよね♪(爆)

SiSoさん的にフィーリングは良かったようですね。
でも現状首位はまだまだトライアンフのようで。(笑)

造り手の努力の結晶を骨の髄まで味わい尽くすというのは、
素晴らしい心構えですね。私も見習いたいところです。
いかに、濃く対話し、RIDEするかということですね!

コメントへの返答
2012年8月14日 19:01
「YAちょ違」と略して流行語大賞を狙いますっ!

今回のYAMAHA考察、国内メーカーであることからその情報量も豊富であり、かつYAMAHA社のHPには非常に詳細な解説があったので、とても良い結果を得られたと思っています。
Triumph社にも同様の考察ができれば、より愛情を深められるのでしょうが、情報が少ない・・・。

Tak3さんは、タンブリーニの髄液まで啜っておられますよね?!(笑)
2012年8月13日 22:38
ヤマハは良いです。
音が国産最高です、個人的にですが。
いまだにFZR400の音とフィーリングが忘れられません。
VTECみたいな味付けが好きな人にはアレかも?ですがwww
楽器屋さんのヤマハとしてもピアノ関係でかかわりましたが、
安いものから高級品までしっかりした拘りがありました。
そういえばAVアンプも音と性能で選んでヤマハでした・・・
原チャリもJOGでしたね・・・7馬力JOGww

ただ単純に早く走る以外のトータルで見たらヤマハはいい選択ですよね。
乗ってる人が無謀運転してないイメージもあります(仲間内含む)

楽しそうな試乗記また期待してます。
コメントへの返答
2012年8月14日 19:03
そうですか、ピアノは安いものでも拘りがありましたか。

「YAMAHAのエンジンは特に高回転域で最高」という評を良く耳にします。

身近過ぎてYAMAHAへの探究心が無かったのですが、色々な偶然や幸運に恵まれてより深く理解することができました。楽しい旅でした!
2012年8月14日 22:09
なるほどねー、なんとなく判る気がします。
YZFシリーズには乗った事が無いのですが、過去SDR200と現在トリッカーに乗っている身としては。
『単気筒で軽いバイクにはメーカーの味が出易い』
という事でしたね、是非フルオープン出来る250ccクラスのヤマハにも乗ってみてください。
コチラもすごく『スィート』ですよ~。^ー^
コメントへの返答
2012年8月15日 9:45
サンデさんの「スィート」もまた、重層的・・・。

僕がバイク買えたら是非ツーリングをご一緒して頂き、伝説のDucatiアフターバーナーを浴びせてください!(爆)
2012年8月16日 17:36
楽しまれてますね!
一番幸せな時期ってやつでしょうか。

私がS1000RRを買うときは、殆ど乗り比べしませんでした。
RC8とRSV4くらいかな。
もっと試しておけば良かったなと後悔してます。

因みに私が最初にBMWに試乗したときは、「こりゃ駄目だ、ツアラーかよ?」
という印象でした。
後日気付いたのですが、乗車ポジションと最弱にセットされたサスによるところが大きかったです。
ディーラーによっては試乗車の足つきなどを考慮し、車高も下げて減衰もバネもヌキヌキにしているところがあるようです。
SSでも「足つきの良さ」はセールスポイントになるからだそうです。
二度目の試乗でサスを標準セットにしてもらい、これなら行けるかも?と印象が激変しました。

試乗の際は標準セットをリクエストしてお乗り頂くのが、車体の素性を掴み易いと思います。
車体姿勢(前後の車高バランス)が少し変わっただけで、印象が大きく異なりますよ!
コメントへの返答
2012年8月16日 18:46
ハイ!そりゃ~もう楽しんでますよ!K26さんのいらっしゃる魔界への入り口を!!(爆)

「>一番幸せな時期ってやつでしょうか。」
って・・・チョー意味深なんですけど!!(笑)
この選択フェーズから遷移したあと、僕は一体どうなるんだろう??


試乗の際のアドバイス有難うございます!確かにBMWディーラーでは「イイでしょ!?SSなのにツアラー並みの楽チンさなんですよ!」と盛んに強調していました。そこが最初の“掴みドコロ”なんでしょうね!
ヨシ、もう一度ディーラーにGO!

もうお分かりかもしれませんが、現時点ではtriumph-DAYTONA675が最有力候補です。
もし宜しければK26さん視点の試乗インプレッションをヨロシクお願いしま~す!(図々しくてスイマセン、お暇があればで結構ですから!)

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「@Tetsu@ さん ツインレートのバネで、コイルの一部分に伸縮を抑制するカラーみたいなのが入っていて、そのカラーが出たり入ったり、なんて妄想で白ご飯イケますw」
何シテル?   04/30 22:24
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