車重が軽いので積み下ろしもエンジンオフのままで可能。全高も、バックミラーはオフ車の定番で可倒式なので、フロントフォークをベルトで縮めればいとも簡単に収まります。サイドスタンドでやや立ち気味にしておき、反対側はセカンドシートに当てて止めておけば、タイダウンなしでも全然倒れる心配なし。
レーシングスタンドとかツナギとかウォーマーとか、サーキットだと付属物もかなりの量になりますが、オフ車はウェア類と工具ぐらいで、キャンプ道具なんかも積んだりすれば道楽がプラスアルファになります。
林道ポイントまでの移動、ライポジはアップライトでラクチンなものの、250ccシングルですから30分以上は苦痛になるので、積載の簡便さも相まって積極的にトランポ選択をすることになります。
そして、オンロードと違って、オフ林道は1本ずつが比較的短い。つまり、オンロードのように長い距離をぐるっと回る行程だと、トランポを駐車したベースキャンプに舞い戻ることがロスになりますが、オフ林道の場合は小さなエリアで遊びまわるので結果的にベースキャンプがいつも近くにある。これ、心理的安心感が高いです。
実際に今回も、道の駅に駐車したのですが、昼食休憩に舞い戻ってブーツやプロテクターを外してリラックス。車中でちょっと仮眠までできて、この寒い時期でも快適至極(e-Powerなのでアイドリングもしない無音状態でエアコンも効かせられますから)。
午前中の復習や午後からのルーティングなんかも車内オフィスで熟し、リフレッシュした心身で午後からのアタックに臨める。実際、午前3時間、午後3時間、濃厚な林道数珠繋ぎでかなり体力消耗したはずですが、帰路(3.5時間)はノンストップで自宅まで走り切れました。
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里山が様々な表情で誘ってくれます。
ベースキャンプの道の駅でいそいそと降車させます。プロテクターやウェアも着替えてっと…
いざ林道突入!
前オーナーがストリートユーザーだったので、(画像では分かりにくいですが)センターの摩耗が激しくてグリップは悪いです。
ハイみなさん、ココ、伏線ですよ~。憶えておいてくださいね~…(意味深w)
タイヤチェックが終わってふと見上げると、なにやら尖塔が遠くに見えます。
林道を降りてその方面に向かうと…
「但馬大佛」とな。
トチプー阿形。
ぺちゃ1号吽形。失礼ながら、双方ともに時の重みを纏っていないので、感動は薄い…w
ただ、塔や本堂は本気の造りで圧倒されます!(本堂の中には鈴鹿30秒台のSHIN1000RR涅槃佛が鎮座している様子がチラ見せされていましたが、阿形吽形のクオリティと拝観料を勘案した結果、パスしましたw)
まあしかし、こんな山奥でこれだけのものを建立したのは凄いな。青空と適量の雲とのバランスに癒されます。
さあ出発だ!と走り出してすぐ、何やら気になる登り道があったので突入してみるとビンゴ!短めの林道ながらも先ほどの仏閣を見下ろせるポイントがありました!
探検して、思いがけない絶景と出会える。なるほどこれが林道の醍醐味か!!
と、まだ午前中なのにQOLメーター満タン状態でベースキャンプに戻って…
但馬牛ハンバーグ昼食。つなぎ少な目、肉の味で食べさせるクオリティ。
先述の通り、車中でリラックス休憩をとり、充電MAXで午後から再アタック。
地図にない道なき道を走り、嗅覚を頼りに枝道に入り、そこにある絶景を独り占め。
また次の絶景ポイント!
これが有名なスーパーストレート。
最後に…これ書いちゃっていいのかな?スキーゲレンデまで走れました!
またまた素晴らしい絶景で締めくくることができたのですが、この写真、かなりの斜度を下に向いています。
この直前、実はあともうちょっとで頂上というゲキサカで、登坂できずに停止。停止したけどタイヤロックしたままグリップせずに前後共にズルズルと滑り落ちるほどの斜度。あれよあれよとコントロール不可になり谷側に転倒。自分はバイクから飛び降りて着地を試みるも、オフブーツが遠心力を伴って停まりたい気持ちとは裏腹にガンガン両足は回転する!!「おお!これ、いつになったら停まれるんだ??ほっといたらウサイン・ボルトを超越してしまうぞ??」と命の危険を感じて、諦めて仰向けに倒れることを選択しました。ズザザーッと摩擦でなんとか停止…。
入っても良い場所なのか不明な背徳感を感じつつも官能に浸ってしまっていたので、急に罪悪感が芽生えて「早く逃げないと!」という訳の分からない精神状態にw
でも、急斜面での130kgはエゲつない。タイヤがそもそもグリップしないので持ち上がった瞬間に滑り落ちる。それを避けようとして斜度に対して並行に起こそうとしても、タイヤが上を向いているから怪力でないと無理だし、タイヤを下向けるために車体を180度引きずりまわすか、それはそれで、バイクが立てられたとしてもすんごい斜度なので乗車できそうもないし、その瞬間にまた谷側に倒してしまうかもしれないし、でも結局はタイヤがそもそもグリップしない…(大汗)
ゼエゼエハアハア…。ヘルメットを脱ぎたい。
あ、でもちょっと待てよ。この斜度だとヘルメットを地面に置いた瞬間にコロコロ転がり落ちるんじゃないか?逆にその場に留められたとしても、バイクを降ろした後にヘルメットを回収するためにまたこの斜度を足で登らなければならない!ゲエエ…。しゃーない、このまま作業だ…(涙)
色んな大きさの石をかき集めて、下向きに構えたバイクのフロントタイヤ部分に石組みしてストッパーにし、それでなんとか直立させることができました。そこから乗車するなんてのも絶対にムリで、とにかくちょっとずつ手押しで、ブレーキが強過ぎたら一瞬でスリップダウン、さっきと同じことを繰り返す恐怖と闘いつつ、引き続き変な罪悪感に急かされながらw、なんとか斜度の緩いところにもどれました。
(伏線回収完了w)
これで終わりじゃなかった。
エンジンが掛るか一抹の不安を抱えながらセルボタンを押すと、始動はしてくれた。けど、アイドリングが異常に高い。このアイドリングでスリッピーな下りは自殺行為。スロットルケーブルに何かが引っ掛かったのかと眺めるもそんな構造ではない。どうやら転倒時にアーマーガードからスロットルに衝撃が入ったらしく、自分でスロットルを戻さないと回転が落ちないアナログクルコン状態w。叩いても治らないし、ここをバラす工具が積載できていないので、それを猛反省しながらエンジンオフ&リヤブレーキを駆使して下山。舗装路でようやく始動してアナログクルコンを超絶技巧でコントロールしながら命からがらベースキャンプに帰還…。
ブーツもウェアも脱ぎ捨て、普段着で心身ともに開放されながら、心底「トランポで良かった…」と呟くw
里山を照らす夕焼けを眺めながらソフトクリームで平常心を取り戻し、それもこれも含めて最高の林道体験でした!!
但馬地方、最高でした!!
早くタイヤ交換して、次は剣山スーパー林道だ!待ってろよ!!