2016年01月28日
ルーテシアRS~サスペンションリプレイスの検討途中経過
研究課題は大きく分けて2つに分類。
①ルーテシア4RSのHCCの、3RSへの適合可能性
②ラリーサスの模索
情報収集先としては下記のとおりであり、以後それぞれ略称をもって表す。
全日本ラリーに参戦する現役ドライバーが経営するラリーショップ(以下「ラ」)
ルノー正規ディーラー(以下「ル」)
ホイールタイヤ、サスペンション周辺のパーツショップ(以下「パ」)
文中「S」は当方の見解
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①-1<適合可能性>
(ラ)一般的な社外サス導入にあたっても、マウント周辺はワンオフするケースも多いので、相当なディメンジョン差異がなければ大抵は加工して装着できるはず。
とある有名サスペンションメーカーで採られているドラスティックな手法としては、純正ケースだけでなく純正サスがボルトオンしたままのマウントのボディ側から切断して、マウントをそのまま利用した上でサスペンションだけをリプレイス。それを返却してもらい再度ボディに溶接するというサービスも存在する。
(ル)(基本姿勢はかなり否定的)付くのか付かないのかと聞かれれば、付かないとしか言いようがない。DASSはサスペンションを抜く作業だけでも相当困難を要する構造であり、そこまでの工賃を請求しずらいので、結果として受託には消極的。
(ル)3RSの純正サスはスプリング込みで約27万円、4RSのHCC(カップ・スポール共通)は約23万円。
(S)ハイドロバンプ(②-1参照)タイプが23万円で入手できるというのは大変な破格。通常タイプのリプレイスでも高級品となれば30~40万円する訳で、その差額を加工工賃に充ててハイドロバンプの導入を可能にできる、とも考えられる。
①-2<今後の課題>
(S)4RSのHCCが3RSに装着できるかどうか、寸法比較やサスペンションハウジングに差し込んでみる程度でも情報が欲しい。偶然にも同時にリフトに4RSと3RSが上がり、サスペンションを外す作業が発生すれば、寸法比較とフィッティングまでは可能になる。これが起こる可能性が最も高いのは正規ディーラーであり、そういった比較作業、データ取りをしてもらってレポートを提供してもらえるならば、費用発生してでも入手したい。一応地元ディーラーにもその旨伝えたが、まず期待できないので、メガディーラーにコンタクトしてみる。
尚、その提供レポートについては勿論、内容が装着不可という結果であっても構わないし、その真偽についても何らディーラーに責任は発生しない。
①-3<HCCの再評価>
(S)4RSの試乗を通してHCCの再評価を試みたが、再試行が必要。
試乗車はトロフィーしかなく、旧来のカップよりもさらにハードセッティング。
硬いながらも入力の角が丸められており、乗り心地としては良い部類には入るが、「プライマリーダンピングを柔らかくしておける」という本来のハイドロバンプが持つ美点(②-1参照)を薄めてしまっている。4RS発表時に試乗したカップ脚の方が、ストロークやダンピングにおいて“ルノーらしさ”を湛えており、好印象。カップモデルはカタログ落ちしたとのことで、スポールモデルで再度評価を試みたい。
②-1<HCC=「ハイドロバンプ」>
(ラ)ルノーで言うところのHCCは、ラリー界では「ハイドロバンプ」という一般名称。ラリー大国の欧州では認知度は高いが価格も3~4倍する高級品でもあり、憧れの対象。走破性は格段に上がる。国内で「ハイドロバンプ」を口にする人間はほぼ皆無であり、ラリー精通者にしかありえない(笑)
ハイドロバンプは、フルバンプ時にセカンダリーダンパーが作動する構造であり、それゆえ「フルバンプ時にしか効果が無い」と思われがちだがそうではない。
通常サスでそのような機能を持たせようとすると、バンプラバーを厚くしなければならない。するとその分サスストロークが縮んでしまい、路面追従性を下げてしまう。ハイドロバンプだとその必要性が無いのでストロークは確保できる。
大入力時にはセカンダリーダンパーに期待できるので、むしろプライマリーダンパーのダンピングを柔らかく下げる事ができ、二次曲線的で理想的なショック吸収が可能になる。
②-2<そもそもラリーサスとは?>
(ラ)相当な硬さと思われがちだが、実は非常に乗り心地が良い。例えて言うなら「モーグル選手」。ジャンプして伸びきった際、通常サスだとアームが外れてしまうことがあるので、相当伸びても外れないような設計がされている。つまりはストローク重視。とにかくトラクションをいかに増やすかが大命題。
ストリートユースに対して、オンロードサーキットスペック由来ではなく、路面状況の似通ったラリースペック由来でサスペンションを考えることは至極全うである。
(S)一度ラリーサスが入った車輛をストリートで試乗して、ラリーサスの基本セッティングを試す必要あり。
②-3<ルーテシア1RSを過去に所有、現在はメガーヌ3RSトロフィーを所有する筋金入りのルノー中毒者がオーナーのパーツショップの見解>
(パ)自分のメガーヌに純正装着されているオーリンズはDFV機構が最高。もう何も手を加えることなくサーキットを走れ、尚且つ街乗り4名乗車も何ら問題は無い。こんな素晴らしい車は他にはない。
色々と試してきた経験を踏まえて今回の要望に対してお勧めするのはエナペタル。オーダー製作すると国内熟練職人による手組みなので、実は正規ビルシュタインよりも作動品質は高い。純正ケース流用、スプリングも無交換がお勧め。エルスポーツも同様だが、ショップとしてはエナペタルを推す。
②-4<サスペンションブランドへの評価>
(S)
☆オーリンズ・・・ウェブにも技術が謳われている通り、機構面で群を抜いて秀逸。おそらくこれを選択しておけば何も間違いはないと思われる。
☆KW・・・ストリート系でどちらかというとファッション要素が強いように見受ける。ディストリビューターに対して大いに疑問を抱く。カタログにおいて3RSへの適合あり。
☆TEIN・・・ラインナップが豊富でラリー仕様も数種類ある。ハイドロバンプ製品が存在するが、どうもミニバン向けの様子。バネレートなどのデータも公表している。
☆アラゴスタ・・・オーダーメイドをラインナップとして掲げている。
☆ビルシュタイン・・・ネームバリューとしてはオーリンズと双璧であるが、機構面では比較して凡庸。エルスポーツやエナペタルなどのアフターチューナーを抱えている点で、オーダーメイドへの適応力が高い。
②-5<本国におけるClioラリーカップのパーツ>
(S)ラリースペックで尚且つ適合も既に取れているという点ではこれを個人輸入することも選択肢。しかしながらサスの仕様が全く不明なので、結果としてのマッチングに不安が残る。
※総評
HCCの魅力は研究の進展とともに高まっているが、そのスペックが完全に不明なので、たとえ装着段階の博打に勝てたとしてもマッチングという結果には最後まで不安がつきまとう。
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ルーテシア・ルノースポール | 日記
Posted at
2016/01/28 19:13:30
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