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SiSoのブログ一覧

2012年09月15日 イイね!

VFR1200F、CBR600RR、CBR1000RR試乗記

いや不思議です。本命はもう決まっているのに、クロスプレーンクランクシャフトエンジンの“sweet”テイストがなぜか蘇る!目をつぶると、試乗の際最もうまく抜けられたコーナーリングが何度も何度もフラッシュバック・・・(笑)
やはりYAMAHAの造ったバイクは、タダモノではありませんね。僕の深層心理に何かを植え付けたようです。初見ではそうでもないのに、後からじわじわと魅了されるモノっていうのも、かなりキケンです。

ふと通りすがりに入った定食屋で、帰り際予期せぬ大雨に足止めを喰らいました。普段は食べ物屋で1人であっても雑誌は読まないのですが、雨やどりのため雑誌に手をやると少し古めのバイク雑誌。ペラッとページをめくると、コレ。

なんか出来過ぎです。コワい。シンクロニシティーか?(笑)

そんな「あれっ、全然タイプでもなかったあのコのことが気になって仕方が無い・・・」みたいな青臭い恋慕を振り払えるか?HONDAの3車種をイッキ乗りしてきました。

<VFR1200F>

二輪車初、デュアルクラッチトランスミッションが採用されており、クラッチレバーがありません。基本ATですがMTモードも選べます。MTモードの場合、左手人差し指でアップ、同親指でダウンできるボタン操作です。構造は、車における2ペダルミッション、奇数ギヤと偶数ギヤに二つのクラッチを配置したDSGなどと全く同じです。
シフトチェンジの様子は左足あたりで「コトトン」とか「ガチャン」という音がしており、まさに「クラッチを切って、シフトチェンジをしている」ことが分かります。
コンバインドブレーキ(フットブレーキ操作をすると、状況によってはフロントにも制動力を分配する。フロント操作でリヤへ配分するBMW-S1000RRとは逆)やV4エンジン、シャフトドライブも特徴です。
半クラッチ+フットブレーキ+アクセルでの極低速コントロールができないので、すり抜けなどに注意が必要です。
こういうお気楽バイクなら、ビッグスクーターでいいんじゃないのかな?バイクの楽しさがバッサバッサと削ぎ落されているような印象でした。

<CBR600RR>

一頃の400ccのサイズですね。ハンドルから先のオーバーハング(という言い方はしませんね)が異様に短い。ハンドルを握っていても重量バランスなのか、そう感じる。いつでもジャックナイフしてしまいそうな雰囲気。キャスターが立っているのか?と思いましたが、数値上そうではありませんでした。サイズだけでなく、乗り味も400ccクラスのよう。

<CBR1000RR>

一頃の600ccのサイズですね(笑)。インジェクターが2つあって、3200rpm以上かつスロットル開度25%以上で2つめのインジェクターが作動するとのこと。でも、それ未満の加速度がかなり脆弱です。昔試乗したCB1100の方が断然鋭いピックアップでした。
ステアリングダンパーが電子制御式とのこと、作動しなかったのかどうか分かりませんが、違和感はありませんでした。
REPSOLカラーはカッコイイ!


総じてどのバイクもひとクラス下の乗り味です。良くも悪くも。
まあものの見事に「イージーライド」です。SSフラッグシップのCBR1000RRでさえ、確実に中型免許ライダーでも扱えるでしょう。でも、これがHONDAの凄みなのだと感じました。さらには、荒々しさやパワー感などの官能性がきれいさっぱりありません。「ここまで消し去れるのか?」というぐらい。でもそれは、愚直に乗り易さを極めて極めて極め込んだ結果であり、手を抜いた結果ではないと思えます。

Do you have a “HONDA”?」という印象的なキャッチコピーがありましたね。「HONDAはあなたの日常に寄り添います」というニュアンスだと僕は受け取りましたが、それと相まって、本田技研工業の特性とは・・・。
「ヒトに扱いやすい技術」をメインテーマとし、スーパーカブが象徴するような、一般ユーザーとの親和性を軸足から外さない、そんなメーカーに感じます。
(当然全て私見ですので、「異議あり、こう思う!」というご意見ありましたら、是非お聞かせ願えれば幸いです。後学のために)

★自身のYAMAHA考との対比をしつつまとめると、以下のようになりました。
YAMAHA=人の感性に訴えるものづくり
HONDA=人が扱いやすいものづくり

★その結果として出てくるプロダクトは
YAMAHA=感性に響く何かがある
HONDA=感性に響くものは無いが、徹底して扱いやすい

★両社とも人と機械の接点を大切にしていますが、
YAMAHA=機械を生き物に近付けようとしている
HONDA=機械はやはり徹底して機械であり、「人の手助けをする」という機械の使命を追求している
Posted at 2012/09/15 14:16:39 | コメント(4) | トラックバック(0) | バイク試乗 | 日記
2012年08月13日 イイね!

YAMAHAというメーカー~後編・YZF-R1試乗記

YAMAHAというメーカー~後編・YZF-R1試乗記「後輪とアクセルがつながっているような感覚を得られる」と評されるクロスプレーンクランクシャフトエンジン搭載のYZF-R1。前編の通り予習したYAMAHA像の最終仕上げ工程です。



幸運その①は、なんとこの試乗車、ディーラー社長の私物でリミッターカット、燃調、リアサスオーリンズ化、フロントブレーキマスターブレンボ化などのファインチューンが施されております。ノーマルを味わうという点からすれば純粋な試乗車とは言えませんが、文字通りファインチューンであり、YZF-R1のベーステイストはしっかりと感じられたと思います。社長曰く、「エンジンパーツの全てをバランス取りし直したかのように仕上がった」とのことです。

幸運その②は、先導頂いた社長から「んじゃ、峠行きますか!」と案内頂いたことです。予約時に社長の私物であることを聞かされており、「どうせ左折4回だけの試乗コースなんだろうな~」と思っていましたから、そのお言葉を聞いた瞬間は愛娘にしか見せないほどの甘美な微笑みを浮かべていたと思います。道中も先導頂くことにより対向車の有無やコース上の危険ポイント、コーナーのRなどを察知でき、安全にかつ存分に楽しむことができました。社長には深く感謝いたします!


まずアイドリング状態では、3気筒未満のようなやや強めの鼓動感があります。事前にアドバイス頂いていたのですが、クラッチミートは相当慎重を要します。3000回転ぐらいまでは同様の鼓動感で、トルクはどちらかというと薄めに感じます。

4000回転ぐらいから突然豹変します。今まであった鼓動感が全く無くなり、マルチかそれ以上(?)のスムーズな回転上昇を見せます。この回転フィーリング、「燃焼トルクと慣性トルクの相殺による“ノイズ”を取り除く」という表現そのままです。マルチであってもそれなりの燃焼トルクというか、微細なトルクの山谷(=鼓動)を感じ、「それが気持ちいい」という意見も良く分かります。でもこのエンジンは、トルクの山谷ではなくまさしく“ノイズの少なさ”が感じ取れますこれこそが、スムーズという表現をあてはめて良いフィーリングだと認識しました。ロッシが言ったという「sweet」という表現は、秀逸です

ですが、このスムーズさ、見方によっては「エンジン回転のダイナミズムが感じられない」という意見もあり得るかと思います。バイクに乗っていて何に官能するか、ということですね。

僕にとっては、とても好印象でした。コーナリング中にエンジン回転に余計なノイズが無いと、かけられるトラクションの量がくっきりとイメージできます。立ち上がり時に安心感が高まるので、今までスリルに圧迫されていた爽快感が回復します。


この個体特有のフィーリングとして特筆すべきは、ブレンボマスターのブレーキフィーリングです。最高でした(ノーマルを知りませんが・・・)。軽くて柔らかい上に繊細。もう一点は、バンクさせるともっと切れ込むフロントが印象的ですが、これは社長の好みのセッティングにしてあるとのことでした。初代R1に感じた同じものであり、かつ僕はあまり好みではありません。

所有選択肢として見ると、やはり僕には大きくて重すぎます。YAMAHAの思想が詰まった素晴らしいプロダクトではありますが、僕にはあのロケットスプリンターがピッタリきます。

そのあたりの次善策として、R6について意見を聞いたのですが、「R6の方はピーキーに造られており、R1の入門とかR1の小型軽量バージョンだと思ったら大きく間違う」とのことでした。アブナイアブナイ・・・。



<前後編まとめ>
YAMAHAは、技術と人の感性の橋渡しを一生懸命にしているように思え、大変素晴らしいブランドだと思えました。そういえば、楽器も手掛けているところが、この会社の特性の大きなファクターなのかもしれません。

もう一つ発見したことがあります。様々な車やバイクを味わいましたが、それらの違いはさほど大きなものではないのかもしれません。クロスプレーンクランクシャフトエンジンにしても、「“ノイズの無さ”と“スムーズさ”にある違い」は、非常に微妙なものです。それで得られる結果も僕のような素人ではなんら変わりはありません(=速く走れるわけではない)。そんなちっぽけな違いを知って何になるのか?という否定論もあろうかと思います。が、造り手がどのような意図でそうしたのか、等々、“モノの背景にあるヒトの思想”に触れるということが大切なのだと気付きました。造り手の努力の結晶を骨の髄まで味わい尽くすことも、造り手への礼儀です。これも道楽を深める一つの要素なのでしょう。
Posted at 2012/08/13 16:29:22 | コメント(5) | トラックバック(0) | バイク試乗 | 日記
2012年07月24日 イイね!

プロフェッサーに聞いてみよう!

プロフェッサーに聞いてみよう!先日試乗し熱狂してしまったtriumph-DAYTONA675、経験と知識の豊富なプロフェッサーに冷静な評価をしてもらおうと、同行願いました。またもや病み上がりだというのにも関わらず、もうすぐ第二子ご誕生というのにも関わらず、一日付き合わせて申し訳ありませんでした!が、おかげさまで沢山の得るものがありました、有難うございました!

tak3さんの評価はコチラですが、概ね評価に間違いはなかったようです。ただ、「この軽快感ならば、国産SSの600ccあたりでも近いものがある」とか「色々な意味で“ピーキー”なKAWASAKIが、SSであってもやっぱり面白い。速さだけではない“何か”がある」というお言葉を頂き、宿題がかえって増えてしまいました。ていうか、tak3さんを引きずりまわす口実が増えました(笑)。

あれっ、なんだこの写真は?F4R??ここはtriumphじゃなかったの?
んで、なんで乗る準備してんのよ、僕?!(tak3さん、撮影有難うございました)


あ~あ~、また乗っちゃうのね・・・。ルーテシアRSが「おい、そのタイヤちゃんと見たか?まだ走行10kmの新車やぞ!“豚に真珠”とはこのことやな~」とぼやいてます。


本当はbimota-DB5を試乗させてもらう予定でしたが、DB5、「ブタは乗せねぇ・・・」とフテられたそうで、動いてくれませんでした。そう!それぐらい高飛車なほうが“バイク界の至宝らしい”です!その代わりにディーラーさんが気を使って回してくれたのがこのF4Rでした。
買うかどうかも分からない人間に、何度行ってもどーぞどーぞと気前よく試乗させて頂けるディーラーさんには、本当に感謝です。

2回目の試乗となったMV-agusta、前回と違って僕も色々なバイクに乗りましたから、特徴を断定できるほど掴むことができました。やっぱりこのバイクのハイライトは、「フェラーリなどに形容される“高音の乾いたエキゾーストノート”の素晴らしさ」です。どのバイク(車も含めて)よりも、もっともアドレナリンが湧出するサウンドです。それを300万円以内で、腹の下で感じることができると解釈すると、かなり面白いオモチャです。右手をひねる衝動に駆られて仕方がありません。
発進の際にはその大トルクの片鱗をしっかりと見せてくれ、軽く楽に車体を前進させてくれるリッターバイク。しかしながら僕には様々なものがオーバースペックに感じます。そう考えると、750ccの旧型F4というのも、実に気になる存在です。


「メーカーとしてのtriumphをどう捉えるか?」という質問をtak3さんにぶつけたときに、「無難に付き合いやすい、悪いところはあまりないけど、大きな魅力もさほどない、でもイイ人」というような評価をされました(ちょっと解釈間違えてるかな?)。
短期間の刺激を求めるには不適だけれども、長期間付き合ってみるとそのアクの無さが逆に居心地よさに変容する、「付き合うには物足りないけど、結婚するならこんなタイプ」という感じでしょうか?
そんな意見を聞かされると、発想の角度を変えるきっかけとなり、有難い限りです。そのtriumph評価@tak3と、僕がなぜアルファロメオに踏み切れなかったのか、なぜMV-agustaの胸に飛び込めないでいるのか(笑)、得心できます。

同じ筋肉質体型でも、イタリアンはピタピタのシャツを着てそれをアピールするけど、ブリティッシュはワイシャツで隠す。でもそのワイシャツの仕立ては良いもので、なんとなく体型が徐々に分かってくる。
そのあたりの「自己顕示をどう振る舞うか」という部分で、どうしてもイタリアンには寸でのところで手が出ないのです。ただ、ンなことのたまうのはオノレの体脂肪率下げてからやろ!という声が聞こえてきますが・・・(正論也)。


tak3さんには色々と興味深く勉強になる話をしてもらったのですが、「シャウエッセンのあのパリッと感には科学的分析結果が採り入れられている」という逸話。“パリッとパーセント”という指標があるとかないとか・・・?その話が一番印象に残ってしまった僕はつくづく学びの浅い弟子です・・・(涙)!スイマセン。



番外その①
tak3さんと合流する前に、ルーテシアのオイル交換をしました。その間に試乗させていただいたのが、今をときめくコレです。


なんで、エステートやのにLHDで6MTのみなんやろか・・・?ここに疑問符がつくのではなくて、「サイコー!」と言ってしまうのがルノーエンスーの証か!また、限定60台のこの車を試乗車設定するmyディーラー、以前もカングーBEBOPを試乗車設定しており、菱形道を貫く気合いが違います。こちらのディーラーにも感謝。


とにかく、素のフランス車の気持ちよさがこれでもかと味わえます。それはATじゃなくてMTだからこそ味わえるのではないかと思います。このフィーリングにはメガーヌぐらいの内装の高質感があると尚更好印象ですね。
高いボディ剛性としなやか(柔らかいのではない)な脚回り、これは良く考えるとスゴイ贅沢。普通は高いボディ剛性をアピールするために、脚回りも硬めたいところを、そうしない。う~ん、奥が深い・・・。


番外その②
tak3さんもこういうのお好きだということで、連行しましたMotorimoda。

エントランスのドアハンドルがシャレてます。

新作のライディングジャケットがすごく欲しくて実物を見に行きました。バイクもまだ所有していないのに(笑)
Posted at 2012/07/24 19:13:58 | コメント(4) | トラックバック(0) | バイク試乗 | 日記
2012年07月19日 イイね!

aprilia-RSV4&triumph-675試乗記

aprilia-RSV4&triumph-675試乗記「SS?んじゃ一応apriliaも乗っとけ!」という師匠のお言葉を頂き、RSV4の試乗をしてきました。

このRSV4、APRC(aprilia performance ride contorol)は付いていませんので、より素の状態のapriliaを体感できそうです。でも、電子制御好き(バイクに限る)の僕は少し寂しい・・・。

65°狭角V4エンジン、発進時にはツインのような“トルクの谷”(トルクが無いわけではない)があって、慎重なクラッチミートを要します。その後は、ツインの鼓動感を少しマルチよりにしたフィーリングで回転数が上がっていきます。サスペンション、特にフロントは硬めに感じました。
と、印象に残ったのは、これぐらいしかありませんでした・・・。強いて言うなら、左足を炙り焼きにされたことでしょうか。

コックピットは無味乾燥で殺伐としています。タコメーターに「V4」というグラフィッックが入っていますが、それも含めてここにはなんら高揚感を感じません。速度や回転数をチラ見するその一瞬、表面加工処理の美しいトップブリッジが視界に入ったりするその恍惚、それを邪魔しないようにヘッドライト裏側の配線などが見えないようにカバーリングしてあるのがbimotaあたりの巧みなところ。

コックピットに心配りをするかどうか、大切だと思います。他者に見られる外観に重点が置かれるのは勿論ですが、主人公であるライダーがどのような視野で何を感じているのか、これもまた重要です。手を抜くなら他の部分でやってほしいな~。


普段2輪を所有していない身としては、一度得たフィーリングが風化しないうちにそれをベースとして比較対象に臨むのがセオリー(なんてセオリーは聞いたことが無いので自作ですが)。ということでそのままtriumphへGO。ハシゴ酒ならぬ“ハシゴバイク”、サイコーです。これまた師匠から「ここの3気筒はなかなかオモロイ」と聞かされていたので、以前から狙っていました。

ディーラーHPの試乗車ラインナップで見る限りは、3気筒はSSではなくストリートファイターのみだったのですが、まじまじとSSの675を舐めまわすように見ていると、これ以上放っておくと本当にペロッと舐められるかも、と危険を感じた店員さんが「試乗できますよ」とお声掛け下さいました。

コックピット。
これもあまりいい部類のものではありませんが、メーターべゼルがシルバーでアクセントされていたり、タコメーター上辺部に青色LEDのシフトアップインジケーターが配されており、まあそれなりのものです。このシフトアップインジケーターが“なかなかの役者”です。「全部点灯、全部消灯」ではなく「回転数に合わせて点灯数が増減」し、最高レベルでは「全部フラッシュ」します。また、点灯時期を自分でセッティングすることも可能とのこと。

リヤ回りデザイン。
マフラーエンドがリヤシート下部に配されており、そのボリュームがリヤフィニッシュラインをバランスよくさせています。最近のSSはリヤエンドを「短く、平べったく、尖らせる」のが傾向で、僕にはどうしてもデザインバランス悪く映ります。リヤタイヤ後端ぐらいまではリヤエンドがあってほしいのです。このバイクは合格です。

サイレンサーをリヤシート下部に逃がすことにより、スイングアームからリヤタイヤまでがすっきりします。ネイキッドなどはサイレンサー(もしくはそこにあるマフラーメーカーのロゴマーク)で主張する部分もありますが、SSではこの方がカッコイイ。大流行後鳴りを潜めました片持ちスイングアーム同様、「いつでもソッコーでリヤホイール脱着するぜよ!」的な、“機能美”が宿ります。パッセンジャーのお尻すぐ下に熱源を配置するというのも、「えっ、僕SSだよ?パッセンジャーなんて乗せることしないよね、フツー・・・」というメッセージがあるようで、これもある意味“機能美”。


ではようやくRide On。
お店を出て走りだした瞬間から、「おっわー、なんじゃこりゃ~!楽しい~!!(原文ママ)」と、叫んでしまいました。リアルに、声に出てしまいました

3気筒675ccエンジン。そーだったのか、こういうテイストなのね。想像していたのは、「ツインの鼓動感が弱まり、トルクは薄いが軽く吹け上がる特性」という、あくまでも“ツインをベースとして1気筒増えた”というイメージでした。では、“マルチをベースとして1気筒減らした”「マルチほどのスムースさは無いが少しだけ鼓動感がある特性」なのかというと、そうでもないのです。まったくどれにも似ていない独創的なフィーリングです。
まるでモーターのようなエンジン音。クラッチミートになんら不安を感じさせない低速トルク(&軽量車重)。アクセルを開けていくとマルチのように綺麗な加速曲線(直線)を描きます。アクセルオフ時にかかるエンジンブレーキ、その立ち上がりが激しくてアクセルオフに神経を使いますが、そうですね、ここがなければ2ストエンジンに近似とされるやもしれません。

ちょこっと慣れてきた後、計器類に目をやる余裕が出てきましたので、タコメーターをチェック。全っ然回していませんでした。回転数の1/3程度だったことを知り、またもう一度リアルに叫んでしまいました、「どないなっとんね~ん!!(原文ママ)」。
エンジン音、回転上昇のフィーリングなどから、勝手にピークトルクを想定してシフトアップ(インジケーターは無視)していたのですが、お恥ずかしながらカタログ値との差はなんと8000(=12500-4500)!完全に二段ロケットです。

この先はリアルに念仏を唱えながらのロケット二段目点火です。防衛本能ですね、直線で呼吸を止めたのは今回が初めてかなー。だって、車重が軽いことも相まってホッピングが激しくて要らんアクセル開いちゃうんだもん。後から店員さんは、「そのあたりの回転数、スーパーカーみたいだったでしょ~!」と言ってましたが、憶えているのは「ウグッ・・・」という呼吸を止める自分のうめき声だけです。

コーナーリングに関しては、軽量コンパクトさが如何なく発揮されていました。簡単にバンクしてくれるし、その恐怖感も無いし、立ち上がりのアクセルワイドオープンも気兼ねない。異常なほど素早い切れ込みをするでもなく、勝手にステアが切れる(bimotaはそうだった)でもなく、良い意味でイージー。切り返しもアクセルコントロール無しでいけるぐらい。ここ最近乗ったバイクの中で一番自分に合ったフィーリングでした。これは、メーカー特有のものか、3気筒特有のものか、リッター未満バイク特有のものか、そういう切り分けをこれからしていかねばなりません。

ブレーキは、あんまり効きませんね。特にリヤブレーキは無いも同然。軽量であることにもたれて手を抜いたか?もう一段上のグレードの675Rはブレンボ製キャリパー装備とのことで、どんなもんでしょうね?キャリパーだけの違いでどこまで変わるのか、体験してみたいものです。

スリッパークラッチはなかなかいいものですね。僕はエンジンブレーキは2速までしかしない(したくない)のですが、気付いたら1速に落ちていたほど、マイルドに制御してくれます。でも、機構としては「クラッチを滑らせている」ということで、クラッチプレート消耗が気になります。ご存知の方お教えくださいませ!


おでこ部分に逆三角形のグリルがありますが、ある回転数になるとここの裏側のフラップが開き、ラムエアインテークとなるようです。後から店員さんが教えてくれたのですが、確かに頻繁にキューンキューン音がしていたのは、このフラップ作動音だったのです。


あんまり目立たないところにこっそり主張を入れるのも、結構スキです。いや、「このネーミングが目立つぐらいバンクさせろ!」という“機能美”なのかもしれません・・・!(笑)


675の試乗、総じて高評価に終わりまして、前回のBMW-S1000RRと“欲しいパッション”が拮抗することになりました。とにかくすべてにおいて“軽さ”(重量そのものやコンパクトさ、エンジン回転フィールなど)を武器とした、NSR250を彷彿とさせるバイクで、そこに排気量とトルクが上乗せされたロケットスプリンターという印象です。

実のところは675自体をターゲットとした訳ではありません。そもそも僕のバイク熱に火を付けたのは「MV-agusta-F3のインプレッション記事」に「3気筒軽量SSの魅力」が謳われていたことです。ですが、F3のほうは試乗車など無いですから、ほぼ同種の675でフィーリングだけでも掴みたいと思ったのです。そしてめでたく、3気筒軽量SSの魅力にヤラレました・・・。

さー、イタリアンが3気筒軽量SSを造るとどうなったのか?F3の試乗車が出てくるのがとっても楽しみになりました!



<番外>
「3気筒は真ん中だけ熱がこもりやすいから難しい。各社それで手を引いたが、triumphだけが成功した」とのこと。でもなぜ熱がこもりやすいのか?4気筒の真ん中2本とどう違うのか?また教えてもらいます。
※追記:同排気量なら気筒数が少なくなるとピストンが大型化し、その結果冷却しにくくなるとのこと、教えて頂きました。

車種別パワー・トルクカーブグラフが、4輪と違ってあまり無いんですよね~。カタログにも無記載。これで比較するのも車種選びに大変有効なんですけど・・・。
Posted at 2012/07/19 18:52:03 | コメント(3) | トラックバック(0) | バイク試乗 | 日記
2012年07月05日 イイね!

BMW-S1000RR試乗記

BMW-S1000RR試乗記雨予報にも関わらず、本人は病み上がりだと言うのにも関わらず、プロフェッサーを呼び出しました。すると、待ち合わせ場所に、これから向かうディーラーに敬意を表するかのようにBMW325が到着です。晴天なら、MV-agustaで殴り込んでもらい、虎の威を借るなんとやらを決め込もうと画策していましたが、こちらの虎も威風堂々。マフラーに手が入っているのですが、シルキーシックスのサウンドを尊重することに主眼を置いたような、上品な音質です。

(画像拝借@tak3)
ところで、この“3シリーズだけど320(最安レンジ)ではない”というチョイス、好きなんですよね~。ちょっと頑張れば5シリーズでも買える。同じ6気筒が味わえて車格が上がるチョイスがあるのに、あえてそうしなかった。そこには確実に“拘り”があるはずです。今はバイクの話ばっかりで忙しいですが、またそこらへんの話も聞かせてもらいましょう。

ディーラーに向かう道すがら、先導する僕を325が追い抜いたかと思うと、走行中のルーテシアをカメラ撮影してくれました。周りからすれば、「なんでマツダデミオの写真なんか撮ってるんやろ?」と思われていたことでしょう(笑)。僕はちょっとこっぱずかしいやら、警察に証拠写真を撮られる暴走族のような感覚やらで、微妙な表情を浮かべていたと思います。

ですが、これには大きな気付きをもらいました!それは、停車中の静止画でもなく、走行中の動画でもなく、“走行中の静止画”というものの魅力です。クルマのデザイナーはやはり「走行中にどうあるべきか」を念頭にデザインしているのでしょう。流れる景色の中でどのような佇まいを見せるのか、描いたラインはどのように躍動するのか、それは他のどれでもなく“走行中の静止画”こそが最も強くインスピレーションに訴えてきます。動画全盛の時代ですが、ヒトに“想像すること”を強いる静止画の魅力もまた堪りません。
やっぱり本職の人からは良い学びを得られますね、tak3さんに感謝です!


本題に入ります。
印象的なフロントマスク。(試乗車の2010年モデル)

フロントマスクがアシンメトリーですが、僕のアンテナが受信したその解釈は「二面性の表現」です。BMW特有の“ツアラー特性”(丸目)と、新境地ながらもいきなり成果をあげつつある“リアルスポーツ特性”(つり目)の二面。
デザイナーの方、見てますか?正解ならS1000RRをプレゼントしてください。(笑)

展示の新型には半透明のディフューザーがポン付け状態。見えにくいですが、ブレーキレバーも肉抜きされています。


アクラポヴィッチのマフラーとカーボンカバー。tak3さんが気付かれたのですが、バイクの下に敷かれている“S1000RR専用マット”、カッコいいです。自宅玄関に敷きたいくらいです(笑)。


乗り出してまず驚いたのは、フロントブレーキレバーを握るだけで、リヤブレーキも作動させてくれる機構です。前後輪の摩擦係数をセンシングしてリヤキャリパーを動かしているのですが、ギクシャク感が全くなくとてもスムーズに作動してくれます。おかげで、想定する右手握力とノーズダイブの量が実際とは違い、リヤも沈み込んですごく安定して減速します。ただ、リヤが左方向に引っ張られる感覚が少しだけしました。再考してみたのですが、ひょっとしたら、「普段のリヤブレーキ時には右足つま先で“荷重”をかけることになるけど、それが無い分左に引っ張られる“錯覚”を起こす」のかな?んなわけないか・・・。

次に、シフトアシストと呼ばれる、「クラッチを切らなくてもシフトアップできる」機構です。これは半端なく楽しかった!「楽なだけ」なんじゃなくて、「楽しい」んです。アクセルを戻す必要もなく左足首をクイッと動かすだけでシームレスにシフトアップしていきます。もうちょっと変速ショックがあるのかと覚悟していましたが、“無い”と言い切ってもいいレベルです。駆動力カットも感じられないのだから、コーナーでフルバンク中でもシフトアップ可能か?
クラッチ使用時に比べてシフトストロークも短くなるという妙技。「ギアチェンジしているぞ」という操作感が無くなり、「ボタンプッシュによるエレクトリックモーション」な別世界です。

車においてはDSGなどのツインクラッチ、「楽しいけど所詮はAT。MTに勝ることは無いな」と判断しているのですが、バイクではどうもそう言い切れません。①車と違ってバイクは変速ショックが体力に及ぼす影響が大きいが、それが軽減される。②バイクのあの目眩をおこすかのような加速力、シフトアップの度に途切れていたのが、連続して味わえるようになった。この2点が車と違うバイクの“クラッチ操作レス”の魅力です。これは素晴らしい!

少しだけ味わえたコーナリングでも、バンク角のどこかで急にモーション変化が生じるようなこともなく、とてもマイルドです。立ち上がりも同様、アクセル開度にきっちり正比例した起き上がりに感じられ、これにトラクションコントロールまで付いているということで、無類の盤石ぶりです。


トピックスから総評まで書き連ねて、正に「非の打ちどころ」がありません。嗚呼、やっぱりドイチェンプロダクト也!
んがしかし、果たしてそれが“best buy”であるかどうかは別ですね・・・。このバイクで走れば自分の技術上達は相当遅れるでしょうし、そもそもどこかのタイミングで“飽きる”のではないかとも危惧します。

なんにせよ、4輪では独製から仏製に宗旨替えした自分ですが、2輪では仏製と近似の伊製に宗旨替えするのかどうか、今回の試乗で大きくブレーキが掛りました。
次は、「独製の評価軸を確立させるために」国産SSの試乗をしてみたいと思います。(tak3さんに宣言したこととは違ってしまいましてスイマセン!こういう意図でならどの国産SSが適しているか、またご教示願います!)


tak3さんとはその後マクドでコーヒー飲みながら色々と談義に花を咲かせました。マクドでMV-agustaのカタログポスターを、スポーツ新聞のようにガバッと拡げて見入るtak3さんは、つくづく「あっちゃ~!伊達い(イタい)人やな~」と微笑ましかったです(笑)。
でも、「旧型オーナーには旧型オーナーにしか見えない世界観や歴史(タンブリーニや彼がいた頃の企業理念への憧憬など)があって、そのあたりの拘りがあるからこそ旧型の魅力から離れられない」ことが良く理解できました。逆説的ですが、そこを理解できたからこそ自分は新型への踏み切りもできるというものです。
「エンスーな人たちが旧型を礼賛しているから」といって浅はかに旧型を所有してはいけないと思います。むしろ「新型を所有してこれから一緒に歴史を刻んだあとに、彼らに近づくことができる」と思います、伊達い人に(笑)!

tak3さん色々と、本当に色々と勉強になりました、有難うございました!また呼出に応じてくださいね~!

この記事は、BMW S1000RR に乗ってみる。について書いています。
Posted at 2012/07/05 19:29:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | バイク試乗 | 日記

プロフィール

「週末に控える、公道膝スリ鬼神と爆速筋肉ライダーとのツーリング、ボクが1カ月以上のブランクでは完全に点にされるので、慌ててコソ練w」
何シテル?   09/03 10:35
second take(2022.10) 憧れのALPINAを遂に入手し、SiSo-2.0に進化するような予感がありつつ、でもやっぱり根っこは変わらないだろう...
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