親族の車両入れ替えにイッチョ噛みして、VW-Poloの2012年式ベースグレード中古車を選定してあげました。完全にド吊るしの状態です。
個体そのものは車検無し状態だったので試乗できず、別個体で試乗が出来なくはなかったのですが、「とにかく故障が少なくてきちんと走って衝突安全性が高ければいいから、まあそこまでこだわる必要もないか…」と一切試乗はしておりませんでした。
でも、引き取ってみてビックリしました!!
なんというアジリティか!!ベースモデルにも関わらず…!
同型のGTIには試乗したことがあるのですが、当然サスは硬め、エンジンもHotでしたが、FF軽量車に小排気量ターボの組み合わせのツラいところで、
ドッカン気味のターボテイスト&ウイリー状態のトラクション抜け多発&ストロークの短いサスでさらに離陸しがち
という、非常に不安感が大きい車でした。流している時は恍惚感たっぷりなんですが…。
そういう先入観を持っていましたが、むしろチューニングがほどけたことにより今まで感じにくかった基本性能に気付く事が出来ました。それは、ベースグレードにも基本部分には全く手抜きが無いどころか手厚さまで感じることです。
サスストロークが豊富なので軽量ボディを躾け良く受け止め、軽量であるからこそ過剰なダンピングも排する事が出来、そのお蔭でボディやフレーム剛性の高さも如実に感じ取れる。初期入力は偏平率の高いドーナツタイヤが優しく受け止めるのでフィーリングとしても素晴らしいフラットライド。荷重移動が分かりやすくタイヤの潰れ具合も手に取るように感じられ、異常に気持ちいい。
4輪のそれぞれがどれぐらいのストローク&荷重量なのかが手に取るように分かるカンジ❤。例えば「Fr70、Fl30、Rr60、Rl40」とか数値化できそうなぐらい!
豊富なサスストロークによる大きめのロールを
「フニャフニャでショボい」と評する向きが、特にスポーティ志向の方に多いし、その気持ちは“サーキットステージに限り”十分理解するところなのですが、
「ロールを使ってしっかりとタイヤを上から押し潰して荷重をかけ、トラクションを引きだしつつそれをコントロールしていく」という操縦の基礎を理解するという観点に立てば、これぞ「ザ・ドライビング」。
確かに、ストロークだけむやみにあっても、それをしっかりと収束させるダンピングや余計なたわみが波打つようではダメです。でもこのPoloはそのあたりの完成度が非常に高い。
シャシーやボディもただ硬めるだけでは逆効果で、硬める部分と意図的に緩める部分を絶妙に組み合わせるからこそ、「強靭さ=強くてしなやか」が得られるのですね。ただ「強い」だけじゃない。
この
“絶妙な強靭さのボディワーク+ストロークを有効に使ってロールを引き出す”構成は、完全にチューニングフレンチの様相を呈しています。
なんの変哲もない~その①
なんの変哲もない~その②
なんの変哲もない~その③
車内動画です。
AT(ツインクラッチですが)のSモードセッティングもかなり刺さります!インパネのタコメーターとギアインジケーターとかすかに聞こえるエンジンサウンドをご参考下さい。
例えばaudi-S3などは、トルクがあることにあぐらを掻いているようで、自分の感覚よりもよりエンジン回転数が下がらないとシフトダウンしません。シフトダウンによるエンジンブレーキの掛りを感じないぐらいです。よってパドルで下げる必要があるのですが、このPoloは
回転数を高めにキープするべく早めにシフトダウンしてくれますので、減速Gによるフロント荷重を感じながら進入するというコーナリングへの高揚感が堪りません。ブレーキングしているだけでブリッピングシフトダウンをしてくれるので、まさにヒール&トゥをやっているような感覚が最高です。
あくまでも絶対トルクが低いからこそこういうセッティングになっているのかと思います。
ちなみに、僕はステアリングを“引く派”ではなく、“押す派”です、
東次さん(笑)
ステアリングを引くと、シートから背中が浮き、ステアリングにしがみつく姿勢になりがちです。こうなると外乱に上半身が影響を受け、結果的に腕からステアリングまで伝わり、余計で意図しないステアを誘発して危険だと感じます。
押していると、上半身はシートに押しつけられ、外乱による上半身の動揺は無くなり、不要なステアもなくなります。微細なステア操作もやりやすいです。
お次はサスストロークをご覧ください。
まあ確かに少しの不安感はありますが、ラリー的一般公道ステージにおいてはこういうディメンジョン(タイヤプロファイル、サスセッティング)が正解だと思うんです。
これだけストロークしておきながら、前後サスのシンクロ具合が素晴らしくて、ピッチングによるとっちらかりが皆無なんです。これこそがフラットライドと呼ぶにふさわしい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ホットハッチの基本思想である「日常をフットワーク良く駆け抜ける」というコンセプトに合致しているのは、GTIよりもむしろこちらであると大推薦させて頂きます!!
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、感触としてはストリートならばGTIよりも速く走らせることができるカモ?とまで思わせてくれます。いや、結局は
「4輪全ての接地感を完全に把握できるからこそストリートでは安心して踏みまくれる」わけで、スペック差以上にタイム差を縮められる自信があります。
こんなクルマがマーチやデミオよろしくウジャウジャ走り回っている独逸国とは、やはり世界最高の自動車文化保有国だと言わざるを得ません!
皆様も是非一度お試しを!
愛車紹介に登録しちゃおうかしら…?
Posted at 2016/06/15 20:57:34 | |
トラックバック(0) |
車その他 | 日記