あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
①少数派であることをわきまえる
「古典的ホットハッチ」
6MT、2.0ℓNAの我が愛機ルーテシア3RSが、「ENGINE」誌の2010年HOT100にて燦然と1位に輝いた時に冠された祝辞です。私自身も愛してやみませんし、誇らしく思っています。
ここみんカラでカーエンスージアストの皆様の風潮を捉えますと、このような「古典的」「原始的」「アナログ的」な車への傾倒があり、その方がドライビングの醍醐味に溢れていて愉しいという論調が多いです。逆に電子制御やハイテク満載車輛などの「進化系・家電系」に対しては、「フィーリングが削がれている」とか「車に“乗せられて”いて、操縦感が無く面白くない」という評価です。
僕自身はエンスーと言えるほどカッコいいものではなくただの変態ですが(笑)、上記には完全に同意します。
国内外問わず全メーカーがエコロジー対応を迫られる中、クルマ造りを「進化系・家電系」中心に進めており、我々が好むようなクルマが開発されることは激減しています。文化的成熟度の高い欧州メーカーには、まだまだエンスー層をターゲットに特化したメーカーがあったり、総合メーカーであっても各レンジにそのようなモデルを少しは残していたりしますが、特に我が国内メーカーに限っては、クルマ好きの存在を無視するかのような姿勢で突き進んでおり、エンスー各位はこぞって国内メーカーバッシングを口にします。
ただ、僕はそこはちょっと違うと思うのです。
クルマというのは大多数にとっては「便利な道具」であって、趣味性だとかプレジャーを求める対象ではないのです。そんなことを求めるのはごく少数であって、であるからこそエンスーという称号を得ているのです。
メーカーとしては当然大多数が存在するマーケットに対して喜ばれるものを開発投入するのは当然で、その行為を否定する筋合いは全く無いと思います。だってその大多数は喜んでおられるのだから。そのお蔭で大多数は高効率な生活を送る事ができ、モータリゼーション著しい現代においてはそれが確実にGDPにも反映しており、国力そのものにも直結しているのです。
我々が糾弾すべきは、マーケットサイズとしては小さいが、熱狂的なマニア層に対して共感して対峙しようとしない部分のみです。マーケットのサイズは小さいけど深みがあり、決して投資回収できないことはないはずです。というか、
そういう“領域”にこそ文化的価値があるということを理解していないこと、もしくは、
文化的価値よりも投資効率を優先する社会のあり方に問題があります。
②エコロジーが、相容れないはずだったドライビングプレジャーと融合しはじめた
そしてエコロジーが重要性を増す昨今、メーカーがこぞってアピールしている“エコカー”。これに対して、実は自分自身が似たような間違いを犯していました。
「ハイブリッド→エコロジー→ドライビングプレジャーを無視したクルマ」
という既成観念が頭の中に出来上がってしまっていました。
「非エコ=good。エコ=bad」
というような短絡的な図式ではなくて
「ドライビングフィールを損ねるようなモノ(たとえそれがエコロジーであったりセーフティーであったとしても)=bad。新たなドライビングプレジャーをもたらしてくれるモノ=good」
であるべきはずです。
僕の目にへばりついたこの鱗を落としてくれたのは、
巨匠の
PHEVご購入記でした。そこからは私らしく豚突猛進、あっ間違えた、猪突猛進(笑)。PHEVを検索しまくって、Golf-GTEが目に留まりました。
愉しい愉しい冬休みの自由研究のはじまりはじまり~…
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ディーラーに赴き、試乗及び質疑応答をした内容や検討項目を下記に記します。
エンジンの最大トルクとモーターの最大トルクを足すと、580Nmとなり、DSGの許容トルク400Nmをはるかに超えるが、エンジンとモーターのトルクを同時に最大値にしない制御がされている。
後部にリチウムイオンバッテリーが搭載されているので、FFにしては前後重量バランスが良い。スラロームでの挙動が抜群との談。
後部衝突によるバッテリー損傷の際、エンジン駆動が生きていれば自走可能。エンジン始動時も後部バッテリーから給電し、一般的な始動用のバッテリーは個別に搭載していないため。この際当然コンピューターは“電力ゼロ”と判定するので、アイドリングストップなどの動作は起こさなくなる。
ガソリンの長期保存による劣化に対しては、センサーにより燃料消費が促進されるモードが発動したり、フィラーキャップに減圧バルブが付けられているなど、対策されている。
科学的解明を見ていない“電磁波が人体に及ぼす悪影響”については、情報なし。「環境先進国のドイツ製なので、おそらく大丈夫でしょう」とのコメント。
エンジンには“暖気”というウォームアップが必要で、それは色々な技術開発により旧来よりは短縮化できるようになったが、燃費や走行性能など総合してきちんとした能力発揮のためにはやはり必要。これらハイブリッドカー、とりわけPHEVのようにEVモードを初動として多用し、エンジンは追随させるような用法になると、エンジンにはコールドスタートを連発させることになり、長期的な耐久性を棄損するのではないだろうか?
プラグイン状態から、エンジンを稼働させることなく電力によりエアコンを作動させることができるということであり、この発熱をエンジンにも伝導させることができるならば、そこの懸念も払拭できる。
③Small ALPINA??
従来あるハイブリッドカーは、“非スポーツ”の部類でのみ展開されていました。初期にプリウスに試乗した経験も有り、「突然最大トルクが立ち上がり、その豊かなトルクで振動の無いスムースドライビング」も体感していましたが、当時は然程の魅力は感じませんでした。
しかしながら今回のGolf-GTEは、“スポーティ”をベースとして開発されており、基本骨格がスポーティな車で味わう、先述したスムースドライビングは大変素晴らしいもので、これほどまで違うのか!と驚きました。
高級ビッグサルーンは、「大きな質量を大きなトルクで動かすことにより、ゆったりとした余裕ある動作」を演出していますが、まさにそれに近い雰囲気。なのに、モード切替ボタン一つもしくはアクセルの大きな踏み込みのみで、一気にGTI然としたスポーティ走行にも豹変(オプション装着車はシャシー設定も変化)できます。
この、「一台に異なる性格を宿す二面性」は、複数台所有のネガを吹き飛ばすが故にそのプライシング(車両本体約500万円)も俄然蓋然性が帯びてきます。
これはまさに
「ALPINAが持つ二面性」と相似形なのです。
4ケタ万円で「ジェントルサルーン×GT」という二面性を求めるならALPINA。
その半額程度で「ジェントル(ミニ)サルーン×ホットハッチ×エコロジー」という三面性が得られるGolf-GTE、ツボにはまって仕方がないです…!!
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メカ音痴なくせしてメカ好き。
プリウスが発売されるよりもはるかの昔、自転車についていたダイナモライトに「なんて凄いシステムなんだ!」と感動し、新幹線に搭載されている回生ブレーキを知った時にもエネルギー保存の法則との合致を見た気がして膝を打っていました。
このPHEV、従来のエコカーよりは確実にドライビングプレジャーは高いですが、我が愛機よりは確実にそれは低い。でもそれ以上に、
新技術が切り拓いて見せてくれる新世界への心躍る高揚感があります。
ただ、このPHEVが魅力に思えるのも、結局はDAYTONAやルーテシアRSという“プレジャーの極み”を携えているからこそなのかもしれません。
なんだこの締めは…(爆)

Posted at 2016/01/02 19:44:53 | |
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車試乗 | 日記