こちらにコメントさせて頂くつもりでしたが、文字数制限にさえぎられるので、あえてエントリー上でコメントさせて頂きます(笑)
これは厳密には比較広告ではなくて、“エール交換”的な表現であり、実際にはもっと敵対的、攻撃的な比較広告も存在します。前者であっても競合他社が登場するというだけで我々日本人からすると大きな驚きを覚える訳ですが。
「海外だからできる」と思われがちですが、僕個人的にはそれで諦めてしまわずに、こういうアプローチがなぜ国内ではできないのか?また、どうすればできるようになるのか?を前向き&前のめりに考察したいので、書き連ねます!
「文化の違いだね~」とか「民度が~」とか、それは正解だと思いますが、あまりにも総論すぎて、そしてそれで片づけてしまうと永遠に殻を破れないと思うので、悔しいんすよね…。
こういうのって、本当に素晴らしいですよね!
プロモーションを突き詰めて考えると、(競争相手というよりも)切磋琢磨している競合が登場する方が、より自社の輪郭を際立たせられることもあって効果的だと思いますが、その登場のさせ方・表現が非常に難しいので、結果的に“触れない”ということになります。
あったとしてもその競合をあえて名指しせずに、ぼんやりと「他社では…」みたいな表現がギリかと思いますが、これらはもうズバリと登場してしまう。
それでも、相手を下品にこき下ろすのではなく、なぜか「クスッ」と笑えてしまう世界に収めてしまうところがもう魔法の域だと感嘆します。
その下地としては…
①大衆品ではないこと
やはりもう商品そのものが嗜好品の域であり、その世界観の中だからこそ、妬み僻みやっかみの類からは解脱していられるのでしょう。「吉○家vsすき○」とかでやったらどうなるか、見てみたいです(笑)
②競合関係にあることが、衆知の事実であること
そもそもそういう前提が認知されていなければ、見せられる側からすれば未知の事象に対する驚きの方が大きくて、感動も何も起こらないでしょう。
③自社製品に強烈な自信があるからこそ
自分たちがその製品を造り上げていく過程で、どれだけの艱難辛苦があるかを体感している訳で、ふとライバル会社の製品を見た時に、彼らも同様もしくはそれ以上の苦労を乗り越えてきたという共通点も見い出し、ある意味で“同志”としての敬意も芽生えるはずです。
そういった敬意が根底にあるからこそ、下品な中傷にならない。隠し味とはまさにこのこと。
こういう脈流を、製造部門だけではなくプロモーション部門も理解しているからこそで、このあたり縦割り組織が主流と思われる国内企業では障壁となっているのかもしれません。
④相手経費で、自社プロモ
“広告”する際には必ずコストが掛る訳ですが、これは相手が勝手に制作してくれるのでコストゼロ。歓迎する要素もなきにしもあらず。
⑤プロモーションのチカラで、開発を発奮させる意図
自社プロモはスタンスとしては「応援、擁護」的であることが基本でしょうが、それよりも刺激的な「威嚇、挑発」を標榜し、それをライバル社に委ねると考えたとしたら、次元違いの経営判断だと思います。
自社プロモ部門は称賛する方向で常に制作してくれていましたが、突如威嚇挑発が、しかもそれがライバル社からのものであれば、開発部門は今までにないほどいきり立ったのではないでしょうか?
⑥国内限定
上記3つ目の映像もアウディvsBMW。EU圏内といえども流石に国外対決は難しいのかもしれません。ただ、僕の想像レベルではそんなに問題にはならないと思うんですけど。組み合わせの問題だけかと思います。とにかく、「双方が相手方に敬意をもっていることが深く理解され、信頼が醸成されているかどうか」に掛っている。
まあ、見せられる側としてもハラハラドキドキで愉しむどころじゃないでしょうね(笑)
ポルシェ側に、既出のアウディ側映像が出てきますので、権利関係もお互いに調整済み、いわば“密約合意アリ”なんでしょう(笑)
そこで特に、あのトラクターです。後発のポルシェが「アウディさ~ん、自社プロモで使いたいから、あのトラクター貸してくれる?」というやり取りがあったのか、気合のワンオフ完コピを製作したのか、すんごく興味津々であります!(笑)
では最後に、文字ばっかりで内容もウザさヴェイロン級の当エントリーをお読みいただいたお口直しとして、
盟友tak3さんの素晴らしいエントリー集をご覧ください!
Posted at 2016/12/21 22:09:05 | |
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