2週続けてスポーツ走行した記録を1つのブログにまとめました。
長くなってしまいますが、ご興味のある方は最後までお読みいただければ幸いです。
■11月28日 LEXUS F ドライビングレッスン
11月28日、久々となる「
LEXUS F ドライビングレッスン」に参加してきました。
もちろんGS Fでは初参加です。リミッターカット、エアロとマフラー以外ほぼ吊るしの状態ですし、タイヤがトータルバランス自体は悪くはないものの決してタイムアタックに適した銘柄ではないFALKEN AZENIS FK510ですので、今回はタイムに拘るより、これまで共にサーキットを走ってきたIS Fとの挙動の違いを確かめる目的でした。
レクサス主催ではなくなったことで開発陣の参加が無くなり(開発陣の一人だった松下さんやTRD伊藤さんは引き続き参加)、閉会前のコース上での写真撮影なし、コロナ禍の影響もあるとはいえ主催者側で用意したFモデルでの同乗走行無しと、イベント自体は以前と比べて華やかなイメージは無くなってしまった印象です。
とはいえ、ここに参加すれば普段お会いする機会の少ないお友達にお会いできる可能性が高い上に、既に降りられた方々も見学に来られるため、参加する意味は十分にあると思っていて、同窓会的な集まりだと個人的には思っています。
東ゲート前にて
富士山を望んで
今回はフリー走行プランで申し込み2本走行しました。
ドライブモード「SPORT S+」時にVSC OFFボタンを押すことで作動、TRCとVSCが停止し、車両挙動が大きく乱れた場合のみエンジンおよびブレーキ制御が介入する「エキスパートモード」で走行しました。
エキスパートモードのイメージ
1本目の走行タイムは全体の真ん中あたりだったと記憶していますが、GS Fでのサーキット走行は今までより恐怖を感じないものでした。
ホイールベースが長いため安定志向であり「もうすぐ滑るよ」といった挙動の変化がとても分かり易かったです。室内がゆったりしていて視界が広いことも安心感に繋がっているのでしょうか。また「良く曲がる」という印象を受けましたが、これは前後重量配分がIS Fの54:46から53:47と50:50に近づいたことによるものかもしれません。
SPORT S+でサスペンションを引き締めてもサーキットではどうかな?と思っていましたが、さほどロールがひどいという印象は受けませんでした。4点式ハーネスで体をきちんと固定したことによる影響もあるかもしれませんが😅
従来フォグランプが搭載される位置にオイルクーラーを配置するなどして冷却面の対策をしっかりと行っているおかげで、水温・油温ともに指針が中央から高い側に移動することは一度もありませんでした。
レクサスのFモデルは「サーキットで走って心地よく帰ることのできるクルマ」を標榜していますが、GS Fがほぼノーマルでもサーキットを十分楽しんで帰ることの出来るクルマであることを改めて確認できました。
ちなみに、個体差はあるのでしょうけれどGS Fの加速はフルエキゾースト(エキマニ、中間パイプ、リアピース)のIS Fと同等であったことを付け加えておきます。ということは、軽量なIS Fにフルエキゾーストを組んだほうがドライバーが一緒ならタイムは速くなるかも…?
2本目は走り始めから雨がぱらぱらと降り始めてやや不安定な路面状況に。(講師の五味康隆さんが雨男とのもっぱらの噂…😅)
周回を重ねるたびに路面はしっとりと濡れ具合を増し、コカコーラコーナーでオーバーラン。さらにその後の周回では300Rの登り切って下り始めるあたりでトラクションを失いついにスピン…。180km/hから2~3周くるくる回りながら芝生を突っ切って舗装路まで突っ込みましたが、何とかぶつからずに止まることができました。他の方に迷惑をかけずに済んで何よりでした…。
スピンして止まった瞬間にクルマから給油を促されたこともあり、この日の走行はこれで終了しました。
当日ご参加された皆さん、改めましてお疲れ様でした。
楽しかったです!
■12月4日 山野哲也ハンドリングクラブ
LEXUS F ドライビングレッスンの翌週、今度はロードスターで「
山野哲也ハンドリングクラブ」に参加してきました。以前から赤芋さんに「楽しいですよ!」と誘われていて興味があったんです。もてぎは行ったことが無かったし一度は行ってみようという思いもありました。
自宅から1時間くらいで着いてしまってビックリ。しかも道のりが渋滞ほぼ無しのワインディングロード!
これまで行ったことのあるサーキット
富士スピードウェイ(自宅からの所要時間3~4時間)
筑波サーキット(同1時間半)
エビスサーキット(同2時間半)
日光サーキット(同2時間)
と比べるとかなり近い印象でした。
ロードコース(本コース)が難しそうだしブレーキへの負担が多そうという理由で敬遠したもてぎ。ショートコースもありますし、この近さなら通ってもいいかもしれません…。
モビリティリゾートもてぎ(旧ツインリンクもてぎ)の南コースを使用するドライビングレッスンです。アスファルトに白線でペイントされたコースで、コース端に縁石は無く、代わりにオレンジの点線でゼブラゾーンを模しています。
モビリティリゾートもてぎ 南コース
午前中は右回りと左回りを1本(20分)ずつ、昼食を挟んで午後も右回りと左回りを1本ずつ、というスケジュールです。
一般的な走行会と違い、1台ずつ距離を開けてスタートする形式ですので連続周回はできませんが、その分他車との接触の可能性はほぼ無く、自身のペースでスキルアップに励むことができるレッスンになっています。
午前中の2本と午後の最後の1本は、希望すれば山野哲也選手に自身の愛車を運転してもらうことができ、この同乗走行が「おれのクルマ、こんなに速く走れるのか…!!」と絶句する体験となりました。アクセルとブレーキのメリハリが凄いですし、その全開走行における姿勢制御が素晴らしかったです…。
コース的にライトウェイトばかり集まるかと思いきやそういうわけでもなく、写真には写っていませんがR35 GT-R、マクラーレン(650S?)、コルベット(C8)、ロータス3-ELEVEN、NSX(NA1)といったスーパースポーツ系に加えてアルファ・ジュリアなども参加していました。
南コースはロードスターでも3速を使うか使わないかくらいの速度域で、ブレーキングとコーナリングの練習にピッタリですしクルマへの負担も少なめ。特に冷却対策を施していないロードスターでも水温は100度以下をキープできていました。
FSWやTC2000といった比較的大きめのコースばかり走ってきた自分にとって、もてぎ南コースのようなショートコースを走ることで、自身のブレーキングとコーナリングがどれだけ適当だったのか思い知らされました…。
ロードスターで参加して正解でした。軽量のおかげで挙動がクイックな割にローパワーなおかげで比較的安全に楽しみやすく、このクルマは本当にドラテクを磨くために最適なクルマです。
お昼の幕の内弁当
昼食後には山野哲也選手からの全体アドバイスがありました。
「人によって考えが異なるかもしれませんが、ABSが効くくらいまで一気にペダルを踏んで『止まるためのブレーキング』を可能な限り短く済ませましょう。制動距離が伸びてしまうのでABSは効かせ続けないように。
止まるためのブレーキが終わったら、今度はブレーキを抜きながら(曲がるためのブレーキ)クリップについて加速するのが一番速いと思っています。
擬音で例えるなら『ドン!(ブレーキ)スー(ブレーキ抜く)』です(笑)」
とのことでした。
ABSが効きはじめる踏力100%に近いブレーキングができていない人が多いそうで、この踏力100%の時間をできるだけ短く済ませてコーナーに入ることが大切のようです。
午後イチの走行で早速試してみましたが、グググッとABSが作動する感触が出てからブレーキを緩めながらステアリングを切ると、「えっ、こんなに曲がるの?」というくらい気持ちよくクルマがコーナーを曲がっていきました。これまでの自身のブレーキングが手前すぎかつ踏力が低すぎたわけですね…。
自覚はありました。基本クルマをぶつけたくないビビリなのでどこまで攻めていいんだろうという不安によるものでしたが、同乗走行でクルマの限界を示していただいたことで目標を作ることができました。
LEXUS F ドライビングレッスンの前にこちらのイベントがあれば、かなりタイムを短縮できたのではないかと思えるくらい有意義なイベントでした。
昼食後にはコミュニケーションタイムとして山野選手との質疑応答の時間が設けられており、他の参加者の方からの「どのあたりの空気圧が良いのでしょう?」という質問に対して
「タイヤと長く付き合ってきているけど正直分からないです(笑)レースでは同じクルマで空気圧1.0でも2.8でも優勝したことがあるし、様々なシチュエーションによって変わるから正解はありませんね」
といった趣旨の回答をされていました。この質問と回答に便乗する形で自分からも
「サーキットでは温間でメーカー指定の空気圧になるくらいに調整するのが良いでしょうか?」
と質問してみました。
すると山野選手は個人的見解であると前置きの上で
「メーカー指定の空気圧は公道における様々なトラブルに備えてかなりのマージンを取っているため、その空気圧が走りに最も適した空気圧ではないと考えています。自分は低めが好きですね」
とのことでした。
これまで温間でメーカー指定の空気圧になるように調整していたので目から鱗でした。次回走行から気持ち低めに調整して走ってみます。
レーシングドライバーというと勝ち気な方が多く、状況によっては機嫌がよろしくない事が分かってしまう方が多い印象ですが、山野選手はいつどんな状況でも変わらない雰囲気で、説明は非常にわかりやすく、参加者にとても丁寧に接している印象でした。一言でいうと「知的」になるのでしょうか。オラオラしていないのにスマートに速く走らせる…自分の理想像です。
同乗走行後には助手席のこちらを向きながら「この後も楽しんでいってくださいね!」とニコッとスマイル。この瞬間、速いだけでなく人格者な山野選手のファンになってしまいました(笑)
さらにこのイベントの進行役を努めていた女性スタッフさんの気遣いが素晴らしかったんです。
イベント中は進行役としてしっかり役割を果たされながらも時間があると参加者の方に声をかけられていて(自分も声をかけられました)、このようなイベント時には参加者と別の場所でとるパターンが多い昼食は参加者のテーブルで一緒にという感じでした。他の男性スタッフさんもスタート時の旗振りを体全体を使って大きくアピールするといった、運営側の「楽しんでもらいたい」という思いが伝わってくるイベントでした。
イベント終了時にいただいたステッカー。山野選手の全日本ジムカーナ選手権「V22」って…凄すぎです😅
イベント終了後、初めてもてぎに来たのでロードコース内を赤芋さんに案内していただきました。
赤芋さん、お誘いいただいてありがとうございました!
本当に楽しかったです😊来年は一緒にタイムアタック大会出ましょう(笑)
多分年内のスポーツ走行はこれで終わりになると思います。
もともと頻繁にサーキットを走るタイプではありませんが、スパンが空きすぎると自身の腕も落ちてしまうので定期的に走りたいものですね。
幸いGS Fもロードスターもサーキットを走らせて楽しいクルマであることがこの2週間で確認できましたので、今後も車種の性格に合ったイベントを選んで参加していこうと思っています。