■事の発端
2020年3月、あるショップでIS Fの車内すべてのグリーンLEDをホワイトLEDに打ち替えてもらいました。
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マルチ(液晶周辺)とデッキ(ディスク挿入部や音量調整つまみなどがある箇所)の明るさが違うことを尋ねたところ
「マルチ部分には照明を和らげるカバーが付いているので、どうしてもデッキ部分はこれ以上明るくならないんですよ」
と言われ、「そんなものなのか…残念だけど仕方ないな」と断念していました。
(ここ大事です)
そんな中、最近のみんカラ停滞しているなぁと感じるところがあったのでもう一つのクルマ系SNS「CARTUNE」を眺めていると、同じIS FでLED打ち替えをされた画像が見つかりました。
が、うちのIS FのようにマルチのLEDが暗くないんです。なぜだ…
LEDの暗さが気になったまま、数ヶ月前に参加したオフ会でCARTUNEに主に投稿されている方と知り合いLEDの話になった際に
「(打ち替えた方は)しろさんと同じ県に住んでたはず。相談してみたら?」とアドバイスをいただき、そのオフからしばらく経った先日、打ち替えをされている
「クラキン7さん」とやり取りをさせていただいてから一度お会いすることになりました。
※ご本人から許可をいただきましたのでお名前記載しました!
歳も住まいも近く、地元のIS Fオーナーが次々と降りてしまい寂しい思いをしていたところでしたので意気投合。話も弾み、うちのIS Fのマルチとデッキを分解して見ていただけることになりました。
■発覚した事実
日を改めて我が家にお越しいただき、ガレージ内を利用して作業を進めていただきました。
「2010年9月以降の後期型は初めての施工だけど、これまでのモデルにはない何らかの制御が働いているのか…?」
「やっぱり照明を和らげるカバーなんて付いてないぞ…?」
と一つずつ確認しながらのとても丁寧な作業でしたが、クラキン7さんが突然
「はぁ!?」と大きな声を出しました。
その声に反応して自分も作業中の基盤を拝見したところ…
ファッ!?
基盤に何やら加工された痕跡が…
問題箇所を拡大します。
なんだこれは…
素人が見ても不自然なことはすぐわかるぞ…。
分かりやすくデッキ表面で説明するとこのあたりになります。
よく見ると「TEMP」の左側が暗いです。
本来LED2個で点灯させる箇所を1個で点灯させているので当然です。
クラキン7さんによると「作業時にLEDをはんだ付けする場所を誤って焼いてしまい、仕方なく他から回路を繋いで無理矢理点灯させたのだろう」とのことでした。
もちろん作業終了時にショップからこのような説明は受けておらず、マルチの基盤はこのショップ以外に加工した者はいません。
「もしかしたら…」が確信に変わります。
そう、ショップが言っていた
「マルチ部分には照明を和らげるカバーが付いているので、どうしてもデッキ部分はこれ以上明るくならないんですよ」は、嘘だったんです。
結果的に、上記の特殊加工はもちろん、ショップがマルチ部分全てに使用したLEDの消費電力が高すぎることが原因で本来の明るさで点灯せず、しかも今回取り外した際に(消費電力が原因で)負荷がかかり続けていた基盤にとどめを刺してしまったようで、クラキン7さんがLEDを改めて打ち替えてクルマに戻してもマルチ周囲のLEDが丸ごと点灯しなくなってしまいました。
クラキン7さんのお師匠さんにも相談いただきながら、この原因が判明するまでこの日だけで8時間も作業に臨んでいただく結果になってしまいました。
クラキン7さんが
「自分がショップとの窓口に立って詳しい説明もしますから、ショップにきちんと対応してもらいましょう。一度関わったからには、自分が最後まで完成させますから!」と言ってくださり、クラキン7さんの帰宅後すぐに自分からショップへメールを送信し、ショップからCさんに連絡してもらうよう依頼しました。
翌日すぐにショップから連絡があったそうで、すぐ非を認めたそうです。一年前の事案にもかかわらず覚えていたということは、先方にとっても痛恨のミスだったのでしょう。
クラキン7さんとショップで何度かやり取りした結果、
「ショップが中古で同年度のマルチを購入しクラキン7さんへ送り、クラキン7さんがそのマルチを使用して打ち替える。破損させた基盤を含めた残った部品は送り返し、ショップの後学のために活かす」
という形での対応になりました。
当初はショップが「クルマを持ってきてもらえればうちで直しますので…」と言っていたそうですが、先方に100%非があるのだからこちらに赴いて修理するのが当然で、この時点で呆れます。
そもそもこちらを素人だと侮り、「マルチを開けることなんて無いだろう」と基盤を壊したにも関わらず隠蔽し、嘘までついて作業完了とし、代金はビタ一文値引くことなく支払わせるようなショップにまたお願いしたいとは思いません。
さらには、クラキン7さんが「なんであんなLED使ったの?」と聞いたところ「大量に仕入れて使っているからLEDの規格までは把握していなかった」とのこと。そんなですから、クラキン7さんも「あなた方への信用が無いので自分が打ち替えます」と伝えていただいたようで、上記の対応が自分にとってもベストでした。
後期IS F自体それほど売れていないため、そのマルチともなるとオークションサイトを見ていてもなかなか出てきませんが、ショップ専用の中古パーツ市場があるようで、そこでは見つけられるようです。ただ、「出回っている20系IS用のマルチでさえ7~8万円はするから、数少ない後期IS F用ともなると決して安くはないだろう」とはクラキン7さんの談。この時点でショップが自分から得た利益は吹き飛んだでしょうから、このマルチを使ってちゃんと点灯さえすれば、自分はこれ以上ショップに何かを求めるつもりはありませんでした。
■そして本物の打ち替えへ
そのマルチが先日届き、クラキン7さんに再び自宅に来ていただいて再度打ち替え作業を実施していただきました。
この日もクラキン7さんの丁寧な作業が続きます。
後期IS Fのマルチが2つ並ぶ貴重な写真w
ヒューズボックスをテスターにかけて車体の電源は正常かを確認、問題なし。
届いたマルチをそのまま取り付けたところ、問題なくグリーンで点灯。
そのマルチからスイッチと照明部の基盤だけを取り外し、LEDを打ち替えてうちのマルチに取り付けてクルマに戻した結果…
無事に点灯!!
やっと本来のホワイトLED打ち替えを体感することができました。
純正然とさせたいため今回も基本はホワイトです。
インジケーターはFのイメージカラーであるブルーを基調とし、デフロスター、デフォッガーといった「熱」をイメージさせる箇所はレッドに。
運転席から。
ショップが施工したデッキ部分と色味が違ったため、こちらもマルチ部分と色味が合うように打ち替えていただきました。(こちらのほうが細かいLEDが多く、マルチ部分より作業が大変そうでした…)ディスク挿入口のイルミは普段はホワイト、LOAD時は純正のオレンジのままにしました。
TEMPは定番のUP:レッド、DOWN:ブルー。
この日も結局8時間くらいの作業時間となってしまいました。
クラキン7さんには多大なる感謝の気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいです。
この2日間いろんな話をしながら自慢の(?)コーヒーマシンで豆から挽いた珈琲を飲んでいただいて「美味しい!」と言っていただけたのが嬉しかったです。
美味しい珈琲は人の心を穏やかにしてくれます…( ˘ω˘)スヤァ
ちなみに何シテル?に書いた「ヘルプネット異常信号」は、このマルチ脱着が原因でした。2回目の作業時には他車両についていたマルチを一度付けたことが原因でヘルプネットの初期化作業も発生しましたが、問題なく復旧しています。
■最後に
ショップの嘘が発覚した瞬間は本当に腹立たしくて仕方ありませんでしたが、今はクラキン7さんのおかげで正常に点灯していますし、一応ショップにも最低限の対応は取ってもらえたのでショップ名は隠したままにしておきます。先方の対応次第ではショップ名をみんカラをはじめ自身が登録しているすべてのSNSで出しまくっての大拡散祭りでしたが…。
ただ、リアルでお会いする方には「このショップとの取引は絶対に止めたほうがいい」と忠告しますので、お会いした際にショップ名を聞いてください。知り合いから新たな被害者を出したくありませんから。
今回の件で、作業事例をたくさん載せて実績があることをアピールしているショップでも、自分の事例のように「ミスったものは載せない」という選択をするショップは当然出てくるよなぁ…と勉強になりました。
今回クラキン7さんの2日間にわたる作業を直接拝見し、ショップの看板より「作業に従事する方が誰なのか」が大切だと改めて感じました。むしろお互い同じ車に乗るオーナー同士ということもあり、作業時にはクラキン7さんのクルマを傷つけないための工夫などから「相手のクルマへのリスペクト」を非常に感じましたし、自分も「部品代や交通費などを考慮するとほとんど儲からないんじゃ…」という費用で作業していただけたクラキン7さんに本当に感謝しています。そのため、この先もし不具合などがあっても「お金払ったんだから直して当然だよね!?」みたいな高圧的な態度で望むつもりは一切ありません。その都度お話して「互いに相手をリスペクトしながらやり取りできれば」と考えています。
これから夜間のIS Fでのドライブがより盛り上がりそうです!!(*´艸`*)