
先日、茨城県の古河に仕事で出向いた際に、時間を遣り繰りして近くの城巡りを敢行してきました。
初めに向かったのは関宿(せきやど)城。

利根川と江戸川の分岐地点となる、戦略上とても重要な土地。
元々は古河公方の配下、簗田氏の居城。
因みに古河公方とは、京の室町幕府から関東地方の統治を任された足利将軍家。従来は鎌倉公方として存在していたが、様々な理由からその本拠地を鎌倉から古河に移したのが始まり。その補佐には関東管領という職があり、山内上杉氏や、上杉の謙ちゃんなどが任じられています。伊豆にも堀越公方が存在していた時期もありました。

こちらは三重四層の模擬天守です。城跡は既に河川改修の範囲に入っており、近くの別の場所に建てられています。こちらの櫓は江戸城の富士見櫓を参考に建てられたとの事。江戸城にはまだ城見学としては行ったことが無く、この記憶を元に江戸城見学の際には比較して楽しめるでしょう。

中は歴史博物館となっていたので、200円の入館料を支払い見学してきました。

切妻造の屋根、破風板(はふいた)、蕪懸魚(かぶらげぎょ)が見て取れます。

博物館の中。当時は水害から家を守る為、このような高床式住居が数多くあったようです。確か小学生の時に社会で学んだ濃尾平野にある輪中という地域にあった水屋という建物も、同じだったような記憶が蘇りました。40年前の記憶が出てくるという事で、まだ頭は死んでないようです(笑)

画の中央、川が分岐するところが関宿。物流の重要地点であったのが理解できます。

当時はこういった帆船で輸送をしていたんですね。

最上階からの眺望。左奥の白い山は浅間山。右奥の黒いのは赤城山。

正面奥の山は筑波山。

以前のお城はこの模擬天守からだいぶ離れた位置にありました。
こちらももれなく小田原北条氏が、古河公方から攻め落として奪取したお城。廃藩置県の際に全国の数多くのお城が取り壊されてしまったうちの一つですが、その後の戦時中にも物資不足の為に残っていた城も解体して物資に回されてしまった時代があったんですね。

隣接の売店で御城印を購入できました。

模擬天守ながら、とても美しいですね。
直線的に並ぶ構造に、なんとなく戦艦大和を彷彿とさせられます。
館内には写真家が撮影した数多くの展示があり、中でも富士山とコラボした写真が多くありました。
夕焼けに映える富士山との写真、私も自分で撮影したくなりました。

お城って、誰が撮っても画になりますよね!
折角なので当時のお城跡に向かってみました。

土手に展示されていた水陸両用のしゅんせつ船。ここのスーパー堤防の建設に携わったのでしょうかね、ご苦労様でした!
土手をテクテク歩くものの一向に城跡が見えない、うーん、と後ろを振り返ると、それらしき所を既に通り過ぎていました(;^ω^)
土手の右下の木が茂っている辺りが本丸跡のようです。

復興天守からは結構な距離がありました。
石碑以外の遺構はありませんでしたが、ここが古河公方と小田原北条氏との度重なる戦いの歴史の舞台だったんだと思うと、さも自分もその歴史に存在していたかのような錯覚に陥ります。
これが城巡りの醍醐味であり、その為にはその城に関する歴史を予習していくとなお一層楽しめます。

見学を終えて仕事に向かい時間が余ったので、もう一か所に向かいました。
逆井(さかさい)城

小規模ながら、堀や土塁の遺構が数多く残るお城、櫓は復興ですが、日本庭園のような趣を感じられるお城でした。
平日だったので誰も居なく貸し切り状態(^^)

折角なので中に入ってみました。土禁の為、置いてあるスリッパに履き替えます。

中は真っ暗、恐る恐る二階への階段を上ってみたら・・・

特に何もありませんでした(;^ω^)

この門は先ほど行った関宿城から移築され薬医門だそうです。
思わずこんな繋がりを発見できてひとりで感動してました(笑)

見張り台の井楼矢倉。登りましたが入り口の梁に頭をぶつけて、記憶が一瞬飛びました。頭上注意しましょうね。

横矢掛かりがしっかりと残っています。

帰り際は西日に照らされ、櫓も黄金色に輝いておりました。
だいぶ暗くなってきたので帰ろうかと思いましたが、折角なのでもう一か所行って見ました。
騎西(きさい)城

小田原北条氏を追い込む謙ちゃんアタックで蹴散らされたお城です(;^ω^)

夜のスマホ撮影だとこれが限界です(;^ω^)

案内によるとこちらも完全な模擬天守ですね。でも地元のシンボルになっているのならそれもアリだと私は思います。
残念なのが中にはイベント時を除いて入れない事。折角建てたのにもっと有効活用したらいいのにと思います。

もう少し廻りの遺構を見たかったですが、もう真っ暗だったので今回は見送り。
今日の城巡りは模擬ながらも天守を3か所も確認できたので、満足感も結構ありました。
一度訪れた城も、例えば四季の変化によって、また違う顔を見せてくれるかもしれません。
手近なのは雪化粧をしたお城、でしょうかね。
どんどん城マニアになっていく、自分でもこんなにハマるとは思いませんでしたが、知れば知るほど城巡りは奥深いナ、と思いを新たにしている所存でござる(`・ω・´)ゞ